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おとめの夜あけ  作者: 合川明日
♯2 もう一人のおとめ
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三代目

「『三代目さんだいめ』って一体何の事?貴女あなた一体何者?」


「……。見た通りの人間さ――お前、一体あたしの何を見た?」


「あら、彼女には話していないの?――貴女が『三代目雷鳥(らいちょう)』であることを」


「なったおぼえは無い…」


 『三代目雷鳥』!?『雷鳥』と言えば、女性じょせい解放かいほう運動うんどう代表的だいひょうてきな人物の名前。


 その三代目が彼女だなんて――彼女も組織そしきの一員なら何故なぜこんな事を?彼女の目的は何?


貴女きじょそんなにえらかったの?――でも一体何のためにこんな事を?」


「彼女は今日の主役しゅやくよ。れちゃって――あらためて、ようこそ。『三代目雷鳥襲名(しゅうめい)披露ひろう舞踏会ぶとうかい』へ」


「何よそれ?わがまま?ただ遅刻ちこく?――それなら早く行きなさいよ」


「そうよ。早く行かないと、ミス・大郷司だいごうじが三代目になってしまうわ」


 は?――。今何て?


「そんなもんいくらでもくれてやるよ――あたしの目的は別にある」


「――『二代目にだいめ』に会うの?」


「……」


 万千まちが三代目雷鳥ですって?そんな馬鹿ばかな話が――。


 その為に万千を連れて来たの?万千はそれを知っているの?そもそも何故なぜ万千なの?


「何故、万千なの?――何をさせる気?」


「三代目についてはめててね。私なんかは、夜音よねちゃん一択いったくなんだけど――二代目は、ミス・大郷司を三代目にして、この国の指導者しどうしゃにしたいらしい」


 あきれてお手上てあげらしい――嵐山あらしやまさんの大袈裟おおげさ身振みぶりは、そういう意味だろう。


 私も理解りかいできない、彼女は何を言っているのか。


「どうせ、ゲーテの策略さくりゃくだろ――何考えてんだか」


 ハハハ…。言葉も無い――。


 彼女()途方とほうもない計画に、私はつい女性を蔑視べっししてしまった――無理だ、と。


 現実的げんじつてきで、そのむずかしさに、不可能だと考えてしまっていた。


 実際じっさい、その現実をきつけられている今なのだから。


 その事について私は、もう何も言えなかった。途方のない話に、私のちからおよば無い事に――。


 しかしそれは、万千と私の存在そんざいがある事をかんじざるえなかった。


「もう私、付いて行けないわ。万千に聞く。彼女は何処どこ?」


「貴女が行ってどうするの?『女性になんか出来るわけが無い――』、とでも言うの?――たしかに、私もその事には反対はんたいだけど、それは『OZ』へ行きたいがため。それ自体は唯一ゆいいつのこされた手段しゅだんといっていいわ」


 『オズ』へ行く為――その為に、万千を指導者にさせない?一体何故?


 一体何を考えているのか。そもそも、万千を指導者にしたいなんてどうかしている。


 デモクラシーはそこまで女性の地位ちいたかめられるものなのか?でなきゃ、戦争にじょうじて国取くにとりでもする気?


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