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おとめの夜あけ  作者: 合川明日
♯2 もう一人のおとめ
35/131

大使館

舞踏会ぶとうかいへ行く――お前もそうだろ?」


 私は別に舞踏会へ行きたいわけではない――『オズ』へ行くために…。ついでにたまきや、万千まちにも会いたいし。


「ところで、『大使館たいしかん』って何?」


「ズコ――ッ!今、知っている流れだったろ。大使館も知らないのか?」


「そんなにおどろかなくても…。大袈裟おおげさよ」


「いいか?大使館っていうのは、つまり、あれだ…。『大使たいし』がる所だ」


「じゃあ、『大使』って何?」


「『大使』てのは、あれだ。外国の…、役人やくにんのことだ。その役人の家が『大使館』だ――つまり、女性街ってのは、『大使館』の通称つうしょうで、あれなんだよ」


「それじゃ、何が『国』なの?」


「お前も分からねぇなぁ。外国の役人が住む家だぞ。そこはもう、外国よ!」


 彼女は満足まんぞくげな顔してはいるが、私は何一つ納得なっとくいかないでいた。


「外国の役人って、ハイネって人?――そもそも、何故なぜそんな所に、女性じょせい解放かいほう戦線せんせんが?」


「『大使館』ってのは、もう外国だからな、手出てだ出来できないんだよ、警察けいさつでも。女性解放戦線にとっては、これ以上ないかくってわけだ――それに、それ自体じたいにハイネは関係ない」


「外国が協力きょうりょくしているというの?一体何処(どこ)の国が?」


「知るかよ。今度はこっちの番だ、質問に答えろ――お前こそ女性街へ行ってどうする?どうせ何も出来ないだろ。あっちから来てくれるまで待てば良いだろ」


「分からないわ――ただ、私一人だけならあきらめていた。貴女きじょが…、貴女がいたから、私は諦めなかった。それだけよ」


「なんだそれ。やる気あんのか?覚悟かくご出来てんのか?――女性街はそんな甘くないぞ!最悪さいあく死ぬかもしれないぞ。それでも行くのか?」


「行くわ。貴女もそうでしょう?」


上等じょうとう心中しんじゅうする覚悟かくごはあるようだな。じゃあ、行くか!」


 そう言うと彼女は、はやしおおさくかい立ち、背丈せたけ以上はある柵を見上げた。


「まさか、ここが!?」


「――そう、女性街だ」


 々が覆う柵から中の様子ようすうかがえないが、その大きさは私の通う学校の敷地しきちより広いだろう。


 これだけ広く、猶且なおか身近みじかにあったのでは気付きづかないわけである。そもそも、女性街が何かも分らなければ見つけられる訳も無い。


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