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おとめの夜あけ  作者: 合川明日
♯2 もう一人のおとめ
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相乗り

 私はあかバイの側車そくしゃり、女性街じょせいがいかった――。


 そこまでは良かった。しかし、一つ誤算ごさんがあるとすると、今さっき死にかけた原因げんいんを私は考えもしなかった事だ。


 このご時世じせい、女性がクルマの運転うんてんなど出来できわけも無く、まして二輪にりん自動車など警官けいかんくらいしかっておらず、何故なぜ彼女がそれに乗っているのか――。


 デモクラシーのおかげで、二輪自動車の運転も乙女おとめたしなみにでもなったのか。しかし、このさいそんな事どうでもよく、問題は彼女の運転があまりにも危険きけんきわまりないことだった。


貴女あなた何処どこで赤バイを?――運転は誰に教わったの?」


自己流じこりゅうだよ!今話しけるな!したむぞ!」


 が引いた。生きている心地ここちがしない――じょ々《じょ》に上がる速度そくどは、彼女の何をり立てるのか、笑みさえかべていた。


「あぁ!危ない!!」


 心臓しんぞうに悪い。寿命じゅみょうちぢむ――。


 クルマに自転車やかべ、人にもぶつかりそうになり、実際じっさい私とぶつかっているのだが、何ともぶつからずたどり着いたのは奇跡的きせきてきだった。


 体感たいかんとしてはなん十分じゅっぷんと乗っていたような気分だったが、実際じっさいにはほんの数分のことだっただろう。


 やっと赤バイは停まった。


 何とか無事ぶじにたどり着いた場所は、私も何度か通った事のある場所だった。


 はやしさくおおわれた道路どうろ沿いで、ここからでは敷地しきちの終わりが見えず、そこには何かがある様には思えなかった。


「はぁはぁ…。休憩きゅうけいさせて、これ以上は無理よ」


なか々うまいもんだろう。怪我けが一つない」


 自覚じかくはあったのか――よく見ると、彼女はかすかにふるえていた。


「これからどうするの?歩いて行ける場所でしょうね?」


「いや、問題はそこじゃない――お前、『女性街』がただまちか何かかとでも思っていたか?」


 ギクッ――。違うの?


「――女性街とは『大使館たいしかん』のことだ。ハイネも言っていたが『国』そのものだよ」


「『大使館』!?――貴女きじょはそこへ、女性街へ一体何をしに行くの?」


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