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おとめの夜あけ  作者: 合川明日
♯2 もう一人のおとめ
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世界征服

「おぉ!やれば出来できんじゃん!」


 !?私じゃない――しかし、たしかに今のは魔法まほうだ。魔法で自転車がき飛んだ。


 魔法を使った時の疲労感ひろうかんが私に有り、それが証明しょうめいしている。それ以外での証明は出来ないが、ならばあの自転車をどう説明せつめい出来できようか。


 いや、このさいそれはどうでもいい。問題なのは一体誰があの自転車を動かしたかだ。


 私が…。私以外いない、出来ない。この疲労感も。


 しかし、だからわかる、私ではない――いや、そんなことありえない。そんなわけない。


「――一つ聞いていい?貴女あなた、もし魔法が使えたら何に使う?」


「そんなの決まってる、世界せかい征服せいふくだ――なぁ、もっかいやってくれ。どーんっと、『チェースト』!って」


 ド――ン!!


 その瞬間しゅんかん、私の後ろにたつ民家みんか屋根やねがわらんでいった。


 おどろき、かがめた私にたいし、彼女は呆気あっけにとられていた。


「そう言えば用事ようじを思い出した。あたし、もう帰らないと――それじゃ、さようなら」


て待て待て。待って!。これは夢よ、走馬灯そうまとうつづきよ。そうに違いない。でなくては、貴女きじょは一体――」


 彼女、嵐山あらしやま夜音よねは魔法を使えてしまっていた――そして私は、魔法が使えなくなっていた。


 一気いっきつかれがどっと出た。足元がふらつき、くらくらする。目眩めまいが…。


 これが夢なら早くめて――あぁ、つねる前からほおが痛いわ。


 何故なぜかは知らないが、彼女は魔法が使えていた。


 しかし、魔女まじょであるはずがない。なのに、自転車をばし、民家みんか屋根やねまで吹き飛ばした。まぎれも無い事実じじつで、現実げんじつだった。


 つまり、どういうことか。簡単かんたん整理せいりすると、彼女は魔女ではない。魔女になったわけでもない。


 しかし、何故なぜか私が疲れている。ということは、彼女は私の体力たいりょくで魔法を使ったことになる。訳が分からない。


 それでも私が魔女である事は変わらないはず。しかし、私は魔法を使えない。


 とても複雑ふくざつ状況じょうきょうになってしまった。


 そう考えていいだろう――そんな訳は無い、そんな事ありえない。つまり、どういうことか?


「この力さえあれば、女性街じょせいがいなんて簡単かんたんに…」


物騒ぶっそうな事言わないで、私の体力がたないわ。いい?よく聞いて。何故か分からないけど、貴女が使えるようになったその力、『魔法』は、人に知られてはいけない事で――」


「チェスト!チェスト!チェースト!!」


 所構ところかまわず魔法を使う彼女は、まるでその力の意味を理解していなかった。


 そして私も――。


 それはとても危険きけんで、私の命にかかわることだった――。


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