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おとめの夜あけ  作者: 合川明日
♯2 もう一人のおとめ
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チェスト

 女性街じょせいがいの場所を知っているということは、やはり女性じょせい解放かいほう戦線せんせんの一員なのだろうか?


 走馬灯そうまとうでのやり取りからしても、何かしろの特別とくべつ存在そんざいだろう。


 そんな彼女、嵐山あらしやま夜音よね秘密ひみつを知ることが出来れば、彼女を利用りようして女性解放戦線を――女性解放戦線を何だ?私は一体何を考えているんだ。彼女を利用しょうとして、秘密をさぐり、一体何をしようとしているんだ…。


 私は『オズ』へ行きたい。


 それ自体は、女性じょせい解放かいほう運動うんどうとは関係ないことだ。ならば、嵐山夜音も、彼女の素性すじょうも私には知る意味も無い。ましてや、それこそ無関係だ。


 万千まちや、たまきについてもそうだ。彼女達の意思を私は知らない。知らずに私は何をしようとしていたのだろう。


 たしかめたい。女性街に行って、万千に、環に――。


「ふぅ。いくわよ…」


 はっきり言って、魔法まほうの出し方なんて私は解らない。


 なんための魔法か、魔法によって何が起こったかも。さっきはうまくいっただけで、そんなに都合つごうよくいくだろうか。呪文じゅもんとなえただけで。


 私は取りえず、両手を自転車にけ、を集中させた。少しで良いから自転車よ、動いて――。


「――チェスト!!」


「――!」


 ――まるで時間が止まったかのようしずまりかえり、沈黙ちんもくの時が流れた。


 自分でもおどろくぐらいに何も起こらず、ずかしさだけがみ上げてきた。おかげで、私も彼女も動けずにいた。


「おい、何も起きないぞ。どうなってんだ」


「も、もう一度よ――ふぅ。チェースト!」


 動かない、何も起こらない――魔法が使えない。何故なぜ?むやみやたらに使えないものなの?


「チェスト、チェスト。…チェスト!」


「おいおい、おい。どうした。もっと集中しろ、力が足りないんだよ」


「チェ、チェスト…。はぁ、はぁ、チェ…スト」


「もっとはらから声出せ、りきめ。ちがう、こうだ――『チェースト』!!」


 ガシャ――ン!!


 私はあきらめ、彼女がしびれを切らしたその時――自転車がんだ。


 彼女の期待きたいどおりに。


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