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おとめの夜あけ  作者: 合川明日
♯2 もう一人のおとめ
28/131

今日

 ―――。軍需ぐんじゅ工場こうじょう。彼女がことこすであろう『今』。


 規則きそくただしくならべられたつくえの上には、見慣みなれぬ道具どうぐ機械きかい


 ざっと見渡みわたしただけでも20~30人はるであろう女学生。


 薄暗うすぐらく、重く息苦いきぐるしい空気。今から何が起こるのか、彼女達は無事ぶじむのか、私は何かすべきなのだろうか――。


 当の『先生』の彼女は、教師という立場からか、ものがおで歩き回っていた。


『ここも『くれないやかた』のようにしようとするなら、彼女はここに居る全員を避難ひなんさせるつもりだろうか――』


「えっ?夜音よね、何か言った?」


 あれ、嵐山あらしやまさん何か言ったのかな?まぁ、どっちにしろ、私には分からない事だ。


「ねぇ、聞いているの夜音?さっきからブツブツと――」


 おかしい、何か変だ。嵐山さんの体が、私と同じ様に動く。


 違う、嵐山さんが私を真似まねているのではない。私が嵐山さんの――つまり、どういうことだ?


『もしかして、聞こえてた?今の』


「えぇ、何を言ったかは分からなかったけど」


 私の言葉が届いた!?これは嵐山あらしやま夜音よね走馬灯そうまとうではないの?それなのに、私が見るだけではなく、自由に動いて話せるなんて…。


 まるで嵐山さんの記憶きおくのぞき見るみたいな。いや、今までもそうか。


 しかし、そんな事をしてもいいものか?嵐山さんの記憶の中で勝手かってに動き、もしも記憶が変わってしまったら――。


『そういえば貴女あなた、お名前は?』


「はぁ?何をふざけて――おこられるわよ」


 ひそめながら目で合図あいずされた先には、あの教師きょうしが居た。彼女が居るという事は、彼女が主犯しゅはんなのだろうか。もしかすると、仲間なかま何処どこかに。


 たとえこれが走馬灯の中だとしても、このまま彼女をほうってわけにはいかない。


 きっとこの学徒がくと動員どういんの時間に――時間…。それは何時いつだ?いそがないと手遅ておくれになる。


「そう言えば、夜音。そろそろ時間ではなくて?」


『時間って、一体何の?』


「何のって、貴女が言った事でしょう。ようがあると――」


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