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おとめの夜あけ  作者: 合川明日
♯2 もう一人のおとめ
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秘密

「このことは他言たごん無用むようにね。もちろん、貴女きじょの友人にも。秘密ひみつれれば貴女だけでなく、その友人にも危害きがいおよぶかもね。じゃ、よろしく」


 そう言うと彼女は、また私に目配めくばせをするのだった。


―――。場所は変わらず、また軍需ぐんじゅ工場こうじょうだ。目の前には例の友人であろう彼女が――。


「どうしたの?夜音よねあらたまって話だなんて」


「…――。」


「?もちろんよ」


「…――。」


「ちょっと待って、誰か来るわ」


貴女あなたたち何をしているの?作業はもう終わりよ――こんな所で内緒ないしょばなしでもしていたの?」


 まるで測ったかの様に現れたおかっぱの彼女は、私達の話をさえぎった。


「先生…。なんでもないです――それより、何時いつになったら終わるのでしょう?このような事は」


「大丈夫。ぐにでも良くなるわ。雷鳥らいちょう先生が付いているもの。ねぇ、嵐山あらしやまさん――」


 そう言った彼女は微笑ほほえんではいたが、まるで何かを、私を見透みすかしている様だった。


『ん?先生って、彼女が?――』


 ―――。今度は学園内の何処どこかだろうか。ここにも彼女が居た。『先生』なのだから当然とうぜんだが。ただ、友人の彼女はなかった。


「分かっていると思うけど、貴女は余計よけいな事はしないでね」


「…――。」


「あら、ごめんなさい。私てっきり…。まぁいいわ――決行けっこうは明日。学徒がくと動員どういん。貴女は時間が来たら、軍需工場からけ出して、指示しじがあるまで待機たいきしていて」


「…――。」


「それは言えないわ。明日になれば分かる事よ」


 彼女は何かをするつもりなのか?『雷鳥』の『しん婦人ふじん協会きょうかい』とは別に…。


 一体何を――分かり切っている、今さっき体験したばかりだ。きっと軍需工場を…。ならば彼女は、女性じょせい解放かいほう戦線せんせんなのだろうか。


 それに、嵐山あらしやま夜音よね。彼女もまた、たまきの様な立場たちばなのだろうか――。


 ―――。教室に何時いつももの彼女。『今』私が見ているそれは、彼女の言う『明日』なのだろうか。


「――ね、――夜音。夜音、聞いているの?そろそろ時間よ」


「…――。」


「どうしたの、顔色が悪いわ。今日は休む?」


「…――。」


「わかった。先に行っているわ――」


 彼女はどうなるのだろう。嵐山さんは今から何が起こるか知らないみたいだけど。もし知っていたら、彼女が行くのを止めていただろうか、この友人を――。


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