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おとめの夜あけ  作者: 合川明日
♯1 乙女のおとめ
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雷鳥

 火事に気付き、教師達きょうしたちけてきたが、適当てきとう誤魔化ごまかし、その場は切りけられた。


 たまき万千まちも、今日はもう帰った事にし、火事の原因げんいんなどは秘密ひみつにした。


 女性じょせい解放かいほう運動うんどうのことなど言えるわけがない。環が協力きょうりょくして、万千を誘拐ゆうかいしただなんて…。


八乙女やおとめツクスさん、貴女あなたはもうお帰りなさい。あとは、私達で片付かたづけるから――大丈夫よ。環さんも、大郷司だいごうじさんの事も心配しんぱいいらない。私達がついているわ」


 そう言うと、担任たんにんの教師は行ってしまった。


 あまりにもあっさりとかえしてくれるのだな、教師達も意外いがい冷静れいせいだし。中に誰もないとわかれば、こんな建物燃えてしまえ、と思っていたに違いない。


 もうわけないが、面倒事めんどうごとまれる前に帰らせてもらおう。私には火事の始末しまつに付き合うほど余裕よゆうも気力の無い。


 今日はつかれた。家に帰って、帰って私は一体どうすればいいのか――そんな事はわかりきっている。ずは『女性街じょせいがい』に行き、あの女性に会い全てを聞き出す。


 ついでにあのバカももどすか。


 そう言えばあの女性、環を『オズ』へ連れて行くと言っていた。彼女は『オズ』の場所を知っているの?そもそも、何故なぜ環は『オズ』へ行きたいのかしら?


 ――それを知るためにも、私は女性街を見つけるしかなかった。


 『女性街』――。うわさ事欠ことかかない場所。女性の権利けんり自由じゆう法律ほうりつ政治せいじ参加さんか選挙権せんきょけん恋愛れんあいまで。そこに行けば手に入らないモノは無いらしい。


 乙女達は、そんなおとぎ話に心(おど)らされていた。尾鰭おひれをつけたであろう話だが、実際じっさい存在そんざいする場所だなんて、誰がしんじていただろうか…。


 の万千や私も。


もちろん今直いますぐにでも行くべきだろうが、いや、行きたいところだ。


 しかし、うわさが噂でしかない理由は、まさに誰もその存在を信じておらず、探しても見つからないからだ。


 そもそも、それが何なのか私には分からない。まちなのか商店街しょうてんがいなのか、またはどちらでもないのか。


 私はその程度の所ではないかと思っていた――『国』?そんなことありえない。


「これも、女性解放運動の仕業しわざかな?――『雷鳥らいちょう』とかいうやつの」


「『しん婦人ふじん協会きょうかい』だろ。まさかうちの学校に来るとは――」


 聞こえてきた会話は、教師達のものだった。おどろいたことに、どうやらこのような事件は、他の学校でも起こっているらしい。


 教師達の会話によると、女学生のけが人も出ているらしい。誰の仕業かは分からないが、やりかねない人達を私は知っている。


さらに女性解放運動組織(そしき)も色々あり、その中でも『雷鳥』なる人物が絶対的ぜったいてき権力けんりょくっているらしい。


 だとしたら、あの女性も――確か『新しい太陽たいよう』。その組織も、『雷鳥』の部下ぶかなのだろうか?


「はぁ――かえろう…」


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