再びの自由時間
――その後、和風喫茶のキッチンにて料理やスイーツを作り続ける。ありがたいことにこの時間も繁盛していて、大変だけど充実感に満たされていて……うん、楽しいなぁ。そして――
「お疲れさま、藤谷くん。休憩に入ってね」
「はい、田中さん。皆さんも、お疲れさまです」
戻ってからしばらく経ち、二回目の自由時間へと入る僕。ちなみに、自由時間に関してだけれど、僕みたいに短い時間で二回に分けている生徒もいれば、一回に纏めて長い時間を取っている生徒もいて。
そして、そのどちらになるかは、基本的にそれぞれの生徒の希望に沿って決まっていて。ちなみに、僕はどちらでもいいとお伝えしていて。遠慮とかそういうことではなく、本当にどっちでもよかったから。
そういうわけで、僕は二回に分けての自由時間に。そして、改めて一礼をし教室を後に。そして――
「――それじゃあ、行こっか。遥くん」
すぐ傍から、ニコッと微笑みそう口にするボブカットの美少女。一年E組のクラスメイト、そして友達でもある黒髪の女の子、里中弥湖さんで。
『――その、代わりと言っては何なんだけど……その次の自由時間は、私と回ってくれないかな? 二人で』
数時間前、里中さんから尋ねられた言葉。里中さんとは、自由時間が一回目は被らなかったけど二回目は被っていて。ちなみに、古里くん、宮野さんは今は勤務時間――なので、僕ら二人で、というのはこの場合だと意外と自然なのかもしれなくて。……まあ、そういう事情を踏まえても、僕が誰かと二人で遊びにいくなんてびっくりなんだけども。
「それで、遥くん。二人とはどこにいったの?」
「はい、タイ焼きと射的のお店に。ちなみに、射的は古里くんがとてもお上手でして」
「ふふっ、古里くんのことになると、すっごく嬉しそうに話すよね、遥くん。実は、古里くんが好きなんじゃない?」
「……へっ? あっ、その、好きと言ってもそういう意味では――」
「……いや、そんな反応されるとこっちが反応に……というか、そういう意味で好きだったら正直すごく困るんだけど……」
思わずあたふたしつつ答える僕に、お言葉の通り困ったご様子の里中さん。……いえ、その、もちろん古里くんのことは好きですが、その、そういう意味で申し上げたわけでは……うん、誰に言い訳してるんだろうね、僕は。
「それじゃ、まずはどこに行こっか?」
「……そう、ですね。ちなみに、里中さんはどこかご希ぼ……っ!!」
「……どうかした? 遥くん」
「……あ、いえ」
瞬間、言葉がピタリと止まる僕。というのも……賑やかなたくさんの人の中に、僕のよく知る可憐な少女――クラスメイトの田中さん、竹内くんと歩いていく山吹色の髪の美少女が目に留まったからで。だけど、ご友人のお二人と楽しそうにお話をなさっているようで、こちらに気がついたご様子はなく……ふう、よかった。……いや、よかった、っていうのもどうかとは思うけども。




