自由時間
その後も、ありがたいことに大繁盛――そして、一定の時間が来て交代し僕も自由時間に。それから――
「それで、まずはどこに行きますか?」
「……そう、だね。二人は、どこか行きたいところとかある?」
平時とは違う彩り豊かな廊下にて、和やかに会話を交わす容姿端麗な一組の男女生徒。いや、まだ答えていないだけで僕も参加はしているんだけども。
さて、自由時間についてだけれど――なんと、古里くんと宮野さん、僕の三人で回ることになっていて。
――ちなみに、この三人だと里中さんに申し訳ない気持ちもあるのだけど……だけど、里中さんとは自由時間が被らなかったというのと、そもそも三人で回ってほしいと仰ったのは里中さん自身でして。
『――ありがとう、遥くん。私のこと気にしてくれて。でも、遥くんには二人と回ってほしいの。ほら、あの二人だけじゃどうにも会話も覚束なくて進展とかもなさそうだし、遥くんが上手く間に入ってあげてほしいから』
僕の懸念を伝えた際、柔らかな微笑でそう仰った里中さん。うん、里中さんがいいのであれば、三人で回ること自体には僕としては何の問題もない。尤も、上手く間に入れるほどの技量が僕にあるとは思えないし……それに、お二人に進展ほしいという里中さんの気持ちは理解できるけれど、古里くんの気持ちも知っている僕としては何とも複雑な心境で――
『……でもさ、遥くん。その、代わりと言っては何なんだけど――』
――そういうわけで、なかなかに異色な組み合わせにて賑やかな廊下を歩いていく僕ら。尤も、古里くんとも宮野さんとも仲が良いとは思うのだけど……うん、邪魔かな? 僕。とはいえ、今この場に僕がいないわけにもいかないし……うん、難しいね。
「それにしても、すっごく人気でしたね、優李くん」
「そうですね、宮野さん。先ほどの繁盛にも大きく貢献していたと思います」
「……別に、そうでもないと思うけど。それに、繁盛は僕らホールだけじゃなく、宮野や藤谷達、キッチンメンバーのお陰でもあるよ。お客さんもみんな、特にクレープはベタ褒めだったし」
ともあれ、和やかにお話ししつつ彩り豊かな廊下を歩いていく僕ら。色々と懸念はあるけれど……うん、ひとまず措こう。今は、二人と一緒に楽しむことが大事だと思うし。
「……あっ、あれとかどうかな?」
「いいですね、優李くん」
「はい、僕も賛成です」
ややあって、斜めの方を控え目に指差し僕らに尋ねる古里くん。彼が示したのは、二年E組のクラスによるタイ焼きの屋台で。宮野さんも僕にも異論はなく、他の人達にぶつからないよういっそう気をつけ三人で屋台の方へと向かう。……うわぁ、楽しみ。




