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最終章 第65話 沈黙と調和

翌朝——沈黙と調和


 空が——静かになった。


 精霊たちが、静かに散っていった。


 しばらくして——ロロが、大きな声で泣いた。


 それが合図のように——一人また一人と、声が漏れた。


 ドノヴァンが、珍しく——顔を覆った。


 カルテットの四人が、互いに寄り添った。


 カイが、空を見たまま——唇を噛んだ。


 ルーナが、ラベルの肩を抱いた。 


 テレーズが——杯を持ったまま、空を見上げていた。その目から、涙が静かに落ちた。


 ヴァッソが、楽器を胸に抱いて頭を下げた。


 ヴォルガが、剣を地に突き立てて、深く頭を下げた。


 グリムが——ラベルの前に来た。


「……あなたに言わなければならないことがある」グリムは言った。


「なんだ」


「帝国は——創音王国を、認める」グリムは静かに言った。


「そして——精霊への支配政策を、段階的に廃止する。精霊石の強制採掘を止める。音楽の抑圧を解く」


「なぜ?」カイが静かに問うた。


「あの音楽を聴いた」グリムは言った。


「あの音楽が何であるかを——感じた。感じた者が、それを否定することはできない。



私も——否定できなくなった」



 ラベルはその対話の間中、静かにノエルを弾き続けた。




 タクトを握りながら。

(師匠。聴いてるか。世界が変わり始めた)

(師匠が変えた。俺たちが変えた)

(音楽が変えた)


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