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最終章 54話 ウィークと音界破断機

 ウィークと音界破断機 西側。 


帝国の音界破断機が——出力を最大まで上げようとしていた。


 グリムが向き合っていた。


「龍使いになったか」グリムは言った。


「前回より——強くなっている」


「あと少しだ」ウィークは静かに言った。


(レベルが——動いている)

          百九十五。百九十六——


「グリム」ウィークは言った。


「今夜の音楽を、聴いたか」


「聴いている」グリムは静かに言った。


「……美しいと思った。帝国にいる間——私は音楽を聴かなかった。必要ないと思っていた」


「今は?」


「必要だと思っている」グリムは言った。


「帝国が音楽を消そうとしている。しかし——消えないものがある。今夜それを、感じている」


「ウィーク殿」グリムは静かに言った。


「あなたは——消えるのか?」


「……消えるかもしれない。消えないかもしれない」ウィークは答えた。


「しかし——やることは変わらない」


「なぜ、そこまで」


「帰りたい理由がある」ウィークは静かに言った。


「ラベルの音楽の続きを——聴きたい。それが帰る理由だ」

            

百九十九——


「グリム」ウィークは言った。


「最後に一つだけ、頼みがある」


「なんだ」


「ラベルを——見ていてくれ。私がいなくなった後も。この音楽が続くことを、見届けてくれ」


「……わかった」グリムは剣を収めた。


「見届ける」


そして——レベルが、動いた。


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