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最終章 第53話 ドノヴァンとカルテット
四 ドノヴァンとカルテット——音の防衛壁
北側では——音殺し部隊と静寂の花嫁の干渉が、同時に来ていた。
五種同時展開。カルテットの四声が乗った音魔法の防衛壁。
切り替え制で、四人が交代しながら声を出し続ける。ドノヴァンの紋様が、切り替わりの瞬間を繋ぐ。
後方では——ヴァッソの楽器が鳴った。
低音の旋律が、防衛壁の根幹を支えた。
六年間閉じていた音楽が、今は誰かのために開かれていた。
「ヴァッソ殿——!」セシルが声を上げた。
「この旋律が、カルテットの声を支えてくれています!」
「底を支えるのが私の役割だ」ヴァッソは弾きながら言った。
「上に積み上げるのは、お前たちがやれ」
ドォォォン——!!
「まだまだ続くぞ!」ドノヴァンは五指を高く上げた。




