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第48話 夜明け前
夜明け前
深夜、全員が眠った後。
ラベルは峰の頂上で、一人でいた。
タクトを握っていた。
(師匠——聴いてるか)
(明日、全部出し切る。師匠と一緒に出し切る。タクトを通じて、一緒に)
(怖くない。師匠がいる。みんながいる。精霊たちがいる。各国の音楽がある)
(だから——行ける)
ラベルは弦を一度、鳴らした。
その音が、夜の空気に広がった。
タクトが——温かくなった。
(聴いてくれている)
(師匠が、もう準備している)
「行こう」ラベルは静かに言った。
「俺の未来のために——師匠が弾いてくれる。俺も——師匠のために弾く」
音楽は——終わらない。
旋律は——続く。
明日——全ての音が集まる。




