第45話 帝国の全面進攻宣言
帝国の全面侵攻宣言
リハーサル十二日目。
アルダからの緊急書簡が届いた。
「帝国枢密院が正式に決議した」ウィークが全員に伝えた。
「三日後——全面侵攻を開始する。音界破断機を最終起動させながら、同時に地上部隊と音殺し部隊による総攻撃を行う」
「三日後——」ラベルは静かに言った。
「準備ができているか、と聞かれれば——完全にはできていない」ウィークは言った。
「しかし——これ以上待てば、音界の崩壊が先に来る。三日後が、戦いの日だ」
「受けて立つ」ロロが言った。
「八峰の守護龍は——各峰で待機している」ウィークは続けた。
「彼らは縛られていない。しかし——共に在ることを選んだ。それが、今夜も明日も、変わらない」
「セレスティアル・フィルは——繋がっている。不安定だが、繋がっている」ウィークは続けた。
「本番で完成させる——それが、この楽団の在り方だ」
「わかった」ラベルは立ち上がった。
「全員に伝える」ラベルは全員を見渡した。
「三日後に——最終決戦が来る。俺たちにできる準備をする。そして——本番で、全力を出す」
「シンフォニックキング」老人の声がした。
振り返ると、街の人々が集まってきていた。帝国の侵攻の情報が、既に広まっていた。
「怖いか?」ラベルは老人に問いかけた。
「怖いですよ」老人は正直に言った。
「しかし——あなたたちが戦ってくれるなら、私たちも何かができるはずです」
「何をしてくれるんですか?」
「音楽です」老人は言った。
「あなたが音楽で戦うなら——私たちも音楽を奏でる。うまくなくていい。声が出れば十分だと、あなたが教えてくれた」
「……ありがとう」ラベルは言った。




