第36話 ロロとラベルの夜
ロロとラベルの夜
その夜。
焚き火を囲んで、全員が座っていた。
「ロロさん」ラベルは言った。
「北風刃って——どのくらいの範囲を守れる?」
「南側の隘路なら、一人で十分だ」ロロは豪快に言った。
「幅が広くなれば話は別だが——あの地形なら、俺一人で門番になれる」
「最終決戦でも——同じ役割でいてくれるか?」
「もちろんだ!」ロロは斧を持ち上げた。
「俺は凍光の門番だ! 開けてはならない門に立つことが、俺の生き方だ!」
「凄みがある言い方だ」ドノヴァンが言った。
「俺はこういう男だからな!」
「ラベル」ロロはラベルを見た。
「お前の音楽を——俺は戦いながら聴いていた。昨夜も、今夜も」
「どうだった?」
「わからない」ロロは正直に言った。
「俺は音楽に詳しくない。でも——あの音楽を聴いていると、退くことを考えなくなる」
「退くことを考えなくなる?」
「そういう気持ちになる。これを守るために立っている——という気持ちが、はっきりとする。それが音楽の力なのかもしれない」ロロは言った。
「俺にはわからないが——お前の音楽は、戦士を強くする。それだけはわかる」
ラベルはそれを聞いて、しばらく黙っていた。
(音楽が——戦士を強くする。精霊を呼ぶだけではなく)
(人の心に働きかける。それが——シンフォニックキングの音楽だ)
「ありがとう、ロロさん」
「礼はいらない! 明日もまた戦う! そのために飯をもっと食う!!」
「もう四杯食べたじゃないですか……」エラが言った。
「北の高地で生まれた男は、腹が減るんだ!」




