第35話 防衛戦線の完成
防衛戦線の完成
一週間後。
三角形の防衛体制が、完全な形になっていた。
外周ではドノヴァンとカルテットが音戦闘を担い、南側の門番としてロロが立っていた。
内側ではラベルが毎夜音楽を奏で、開拓民たちが精霊と繋がり続けていた。
「内側と外側が、連動している」セシルは観察を報告した。
「外でドノヴァンさんとカルテットが干渉を抑えている間——内側のラベル様の音楽が精霊密度を高め、それが外側の防衛を補強している」
「音楽が——防衛ラインになっている」ドノヴァンは言った。
「建物も、城壁も、兵士も必要なく」
「そういうことだ」ウィークは書物に何かを記した。
「これが——創音王国の防衛の形だ。力ではなく、音楽と精霊の連動で守る」
「帝国には真似できない」カイは静かに言った。
ウィークは書物のページを確認した。
シンフォニックキング——民衆による称号、確認。
三角形内部の精霊密度——過去最高値。
静寂の花嫁の干渉——一時的に完全遮断。
八峰守護龍結界——全結界、強化確認。
「書が記録した」ウィークは静かに言った。
「なんて書いてある?」ラベルが聞く。
「シンフォニックキングの称号が——書にも正式に記された」
「書にまで?」
「創音王国の民が認めた称号だ。書はそれを記録した」ウィークは続けた。
「そしてもう一行——音楽による防衛が、音楽による攻撃を初めて完全に退けた。これが創音王国の戦い方の原型となると」
「音楽で守る——それが創音王国の戦い方だ」ラベルは言った。
最終召喚——召喚準備、八十五パーセント完了。
「あと十五パーセント……」ラベルは静かに言った。
「その十五パーセントは——世界律崩壊の時に揃う」ウィークは書物を閉じた。
「それが——次の章だ」
「そうだ」




