第26話 龍使いの誓い
夜になった。
八峰の結界が、夜空に光の三角形を描いていた。
全員が、アナンダ峰の麓に集まっていた。
ウィークは——全員の前に立った。
「今夜、一つのことを宣言したい」ウィークは言った。
「宣言?」ラベルが聞く。
「龍使いとしての誓いだ」ウィークは外装に刻まれた龍の紋様を見た。
「八体の守護龍と、約束した。縛らないと。信頼から生まれる力を信じると」
「うん」
「しかしそれは——守護龍だけへの誓いではない」ウィークは全員を見た。
「お前たちへの誓いでもある」
「師匠……」
「私はこれまで、使命のためにお前たちの傍に在った。それは本当だ。しかし——それだけではない。お前たちと共に在ることを——私は選んでいる」
「使命ではなく、選択として——か」ドノヴァンが静かに言った。
「使命ではなく、選択として——最終決戦まで、お前たちの指揮者であり続ける。そしてその後——ラベルの音楽の続きを、別の次元から聴く」
「それが——龍使いの誓いか」ラベルは言った。
「龍使いとしての誓い、そして師匠としての誓いだ」
ラベルは立ち上がった。
「俺も——誓う」
「何を?」
「師匠が帰った後も——弾き続ける。師匠が聴いてくれるなら、止める理由がない」ラベルはノエルを持ち上げた。「それが俺の誓いだ」
ドノヴァンが立ち上がった。
「俺は——五指の技を、さらに磨く。五重重ねが安定するまで」
「俺はソナーレの剣術の全型を——完全に習得する」カイが言った。
「私たちは——ボイスプレイと音楽の融合を、さらに深める」セシルが四人を代表して言った。
「私は——あなたの隣で歌う」ルーナは静かに言った。「最後まで」
「ありがとう」
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八峰の結界が輝く夜の中で——全員が、それぞれの誓いを持った。
ウィークは書物を開いた。
上級の書の新しいページに——記述が現れていた。
八峰守護龍結界——完成。 絶対不可侵の三角形——確立。
龍使い破邪白眉斎と八体の守護龍——信頼関係構築完了。
最終召喚・〇大○○龍○○大隊——召喚準備、七十パーセント完了。
残る条件:ウィーク、レベル二百到達。
「七十パーセント」ウィークは静かに言った。
「残りの三十は——最終決戦の中で揃う、ということか」ドノヴァンが言った。
「そうだ。戦いの中で——残りの信頼が育つ」
「じゃあ——行くしかないな」ラベルは夜空を見た。
八峰の光が、夜空に三角形を描いていた。
その内側で——精霊たちが踊っていた。
レゾナントたちの声が、遠くから届いた。
結界の完成を——祝うように。
ラベルはノエルを構えた。
その旋律に——応えるように、静かに弦を鳴らした。
カルテットの四人が、目を閉じた。
声が、重なった。
夜の空に、音楽が流れた。




