表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【完結】害獣認定  作者: みっど
第16章 絶望で始まり、希望で終わる物語
49/52

16-5 一秒

最終話まであと1話です。お楽しみに!


「フハハハ、焼野原となったこの街が、お前たちの『墓標』となる、よかったな、『うらやましいぞ』」

 レセプターの両手の中の『メビウスの輪』が、とてつもないエネルギーを蓄えているのがわかる……


「まさか、レセプターが『マイクロブラックホール』を使えるとは……」

 さすがの三人も、驚愕する。



 渋谷の『大型ビジョン』にも、レセプターの行動が、逐一映し出されていた。

「うそ、でしょ? ……私たち、死んじゃうの?」

「そんな、やっと東大に受かったのに……」

「どけっ、少しでも遠くに逃げるんだっ!」

 渋谷はパニックに。



 レセプターは、空中で、夜明け前の大きな月をバックに、『害獣』たちが慌てふためいているのを楽しんでいるように見える……

「さあ、カウントダウンだ」


「20」


「19」


「18」……



 北上たちは、まだ諦めていない……

 屋上にある、子供のための遊具、バネの付いた乗り物の上に北上が乗り、大門が『ヒトカゲ』をかけている。

 ギギ・ギギギギ……

 ギシギシギシギシ……


「まだだ大門、もっと出力を上げてくれ、このままじゃレセプターのいるところまで届かないし、何より速度が足りない」

「これ以上は、北上くんの体がもたないよ!」

「構わん、どうせこのままでも、俺たちはレセプターの『マイクロブラックホール』が発動すれば助からない」

「で、でも……」


 その時、ハヤトが『鉄柵』を引きずりながら、北上たちのところへ。

「ハヤト、お前、それ……」

「き、北上……まだ、もうちょっとだけ、オレっちには『電力』が残ってる……」

「……わかった、それに賭けよう!」



 ゴゴゴゴゴゴゴ……

 レセプターの手の中には、

『メビウスの輪』の中で高速で移動する『荷電粒子』が見える


「10」


「9」


「8」……


「さあ、新しい地球の夜明けだ……『何もない地平線』から登る日の光を、存分に浴びようじゃないか」



 三人は、二本の鉄柵を上に向けて並行に並べ、その間に北上が立つ。

 北上は、そのままバネが付いた遊具の上に立ち、大門の『ヒトカゲ』を受け続けている。

 ズズズズズズ……


「わりぃな北上、最期はやっぱりお前に頼っちまう」

「カードゲームの時も、とどめはいつも北上くんだったもんね」

「ああ、そうだな」


 北上は、二本の鉄柵を掴む。


「北上、お前に、オレっちの全ての『電力』をくれてやる、だから……」

「北上くん、キミに、僕のすべての『チカラ』をあげる、だから……」


「「世界を、救ってくれっ! 頼む!」」


 二人同時に、北上に叫ぶ!


「ああ、任された!」


 北上は、空中のレセプターを見据える。


「『人身掌握術、ヒトスジ』!」

 バシィッ!

「『人身掌握術、ヒトカゲ』、解除!」


 ドンッ!

 バシュゥーーーーン……

 北上は、勢いよく、空に向かって飛び出す!



 レセプターは、眼下の『害獣の巣』を眺めながら、最期の調律を始める。

「さあ、覚悟はいいかな……?」


「4」


「3」


「2」……


 その時――


 ブワッ!

「うおおぉぉーーっ!」


 もの凄い勢いで、北上が、こちらに向かって飛んでくる!


(なにっ!? やつらの術で、ここまで届くのは、『イオノクラフト』しかないはず……しかもこの速さ、私の『ヒトヨヒトヨニヒトミゴロ』の計算と合わない……?)


 レセプターは、北上の体に、なにか金属のようなものが巻かれているのを確認する


(なんだあれは? まさか……そうか、『レールガン』か!)


『レールガン』……

『電磁砲』とも呼ばれる、電流が作る磁場と、その中を流れる電流自体が反発しあう『ローレンツ力』で弾体を射出する装置

 火薬の爆発に頼る旧来の火器とは次元が違い、磁力によって弾体(北上自身)を強制加速させるその初速は、音速をはるかに超える。

 その威力は、コンクリートの壁に簡単に穴をあけることができるほど。


 三人がいた場所に、二本のレールが見える……

(鉄柵をレール替わりにして、『ヒトスジ』で電流を流し、体に『タングステン合金』を巻いて、即席の『レールガン』を作ったのか!?)


「レセプタァァーーーーッ!!」


「北上ぃぃーーーーッ!!」

 レセプターは、腕をクロスさせ、身を守る


 ドンッ!

 北上の右の手の平が、レセプターに触れる。


「『人身掌握術、ヒトナミ』ィィーーーーッ!!」


 ドクンッ


「ぐうぅっ!」


 パアアァァ……

 その衝撃で、『メビウスの輪』の『マイクロブラックホール』は霧散してしまう。


 二人は、そのまま地上へ向かって落ちていく。

 レセプターは、そのままビルの屋上へ。

 だが、北上は、風に流されてビルの端の向こう側へ……


「北上……あのままじゃ、屋上じゃなく、地面に激突しちまう!」

「そんな、北上くん!」



「フッ……」

 北上は、観念し、目を閉じ覚悟を決める……


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ