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【完結】害獣認定  作者: みっど
第16章 絶望で始まり、希望で終わる物語
47/52

16-3 切札

最終話まであと3話です。お楽しみに!


 レセプターは、かなり高いところまで登って行った。

 そして、少しずつ青白くなっていく空と、遠くの地平線を眺める。


「空はいい、地球の『形』がわかる……

 地平線を見れば、少しだけ歪曲しているのが見える」


 その隙に、三人は体勢を整える。

「大丈夫か、大門」

「うん……ゴメン、足引っ張っちゃったね」


「何を言っている、お前がいなかったら、とっくに全滅していた」

 大門は肩口と、右太ももを刺し貫かれて重症。

 止血はしているが、早く手当てしないと取り返しがつかなくなる状態。


 ハヤトは疲弊して、立って歩くのが精いっぱい。

 人身掌握術も、使えてあと一回か二回が限界……

「ハヤト、お前は少し下がって回避に専念しろ」

「ああ、わかった……」


 まともに動けるのは、もはや北上のみ。

 三人ともとっくに理解している、このままでは勝機はないと。



「この場所から見えるお前たち『害獣』の街は、まるで『アリの巣』や『蜂の巣』のようだな……」

 レセプターは、自分の耳に手を当てる。

「『人身掌握術、ヒトギキ』」

 ヒイィィン……


「……聞こえるぞ、お前たち害獣の、耳障りな『不協和音ノイズ』が……」

 レセプターは、街の住民たちの声を聴いているようだ。


「……ったく、早く動けよ、このノロマ!」

「なんだよあいつ、死ねばいいのに」

「次のニュースです、昨日の事故では、日本人はいませんでした……」



「まったく、お前たち害獣は『ハエ』や『蚊』と同じだ。

 耳障りな『羽音』をたてて、こちらの気分を害する……」

 レセプターは、眼下の三人にも、不機嫌そうな顔を見せる。


「お前たちが『害虫』や『害獣』を駆除するとき、どんなものを使う?

『ハエ叩き』か? 『殺虫剤』か? 『罠』や『鉄砲』か?

 フフフ、こんなものはどうだ……『火炎放射器』」

 レセプターは、右手を上に向ける

「『人身掌握術、ヒトダマ』!」

 ボゥッ!

 レセプターの手の平に、『火の玉』が燃えている。


「『人身掌握術、ヒトリゴト』、大きくなれ!」

 ゴゴゴゴゴゴ……

 レセプターの、手の平の上にあった小さな『火の玉』は、巨大な『炎の塊』と化す


「おいおいおい……」


「これこそ、本当の『隕石メテオ』だ……さあ、受けるがいい」

 ゴオッ!

 ズッドォーーッ!

「うわぁっ!」


「そらそら、もっと本気で逃げないと、一瞬で黒焦げだぞ」

 ゴォッ!

 ゴォッ!

 ドバァーーッ

 ガシャーーンッ

 レセプターは、いくつもの『炎の塊』を投げつける。

『テレビギルド』の屋上は、ところどころで炎上している


「くそっ、『ヒトダマ』と『ヒトリゴト』のコンボ、シャレにならないぜ」

「僕がレセプターの影を踏めればいいんだけど……」

「無理だな、レセプターもそれはわかっている、巧妙に自分の影を隠している」

「オレっちたちで、あそこまで届く攻撃はない……詰んだな」

 三人には、手詰まり感の空気が……


「俺が、レセプターの『糸』を伝って、直接あいつのことろまで行く」

「そんなことできるの?」


 北上は、レセプターの張った糸を確認して、飛び出す!

 スタッ

 ヒュンッ

 スタッ

 順調に登って行った、その時――


 プツンッ

「なっ!?」


「フッ、私が、それに気づかないとでも思ったのか? そこの糸は、最初から切れるように細工済みだ」

「しまった」

「さらばだ、北上……『人身掌握術、ヒトダマ』!」

 ゴゥッ!


 レセプターの手の平の上の巨大な『炎の塊』が、北上に向かて飛んでくる!

「『人身掌握術、ヒトカゲ』!」

 グインッ!


『ヒトカゲ』のお陰で、北上の落下速度が増し、『炎の塊』の直撃を避けた

「すまない大門、助かった」

「ううん、でも、これで安易に近づけなくなったね」



「さあ、そろそろこの戦いにも飽きてきた。『フィナーレ』といこうか」

 レセプターは、また手の平を上に向ける

「『人身掌握術、ヒトシズク』……」

 ポワンッ

 レセプターの手の平の上には、小さな『水の玉』が。


「『人身掌握術、ヒトリゴト』、大きくなれ!」

 ゴゴゴゴゴゴ……

『水の玉』は、巨大な『水の塊』に

「あいつ、こんどはあの『水の塊』で攻撃するつもりか」


「フフフ……」

 不敵な笑みを零すレセプター。

「まて、様子がおかしい……?」


「北上、お前ならわかるか? この『水の塊』を、その『火の海』に投げ込んだらどうなるか」

「……まさか、『水蒸気爆発』か!?」

「さんざん熱せられた屋上に、この『水の塊』を投げ込めば、水が蒸発するときの威力で爆発が起きる……

 その威力は、その『テレビギルド』のビルを丸ごと破壊できるほどだ」

「なんだって!?」


「さあ、これで終わりかな? 『人身掌握術、ヒトシズク』!」

 レセプターは、『水の塊』を屋上に投げつける!

「うわぁーーっ!」

 ハヤトと大門は咄嗟に伏せるが、北上は『水の塊』を睨みつける


「『人身掌握術、ヒトナミ』!」

 パアアァァ……

 バシャーー……

「えっ?」

 ハヤトと大門はビックリ。


「『ヒトナミ』で、空気を振動させて、俺たちの頭上に『膜』を張った。

 一時的だが、とりあえず『水蒸気爆発』は防げたな」

「た、助かった~」

「北上くんが何とかしなかったら、今ので終わってたね……」


「やるじゃないか、北上」

 レセプターは、余裕の構え。


 北上は、目を閉じ、小さなため息を一つ。

「もう、『切り札』を使うしかないか……」

「北上、『切り札』って?」

「俺たちの連携技、『マイクロブラックホール』だ」


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