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【完結】害獣認定  作者: みっど
第16章 絶望で始まり、希望で終わる物語
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16-2 雷鳴

「今お前たちの目の前にいる私は、お前たちが今まで戦ってきたすべてのヒューマンスレイヤーだと知れ」


 今、北上たちの目の前にいるのは、今まで戦ってきた、全ての敵の能力を持つ、まさしく『最凶の敵』……

 いったい、どれだけのヒューマンスレイヤーたちを『食ってきた』のか……


「くっ、ここまでとは……」

「こんなやつ、どうやって倒せば……」

 三人は、ジリジリと後退していく


 ゴロゴロゴロ……

 外は湿気が高く、天気は曇り、遠くで雷の音が聞こえる

「へへっ……地球は、レセプターの味方なんだろうけど、どうやら『天』は、オレっちたちの味方みたいだぜ」

「ハヤト、『誘電』を使うつもりか?」


「おおよ! オレっちの『ヒトスジ』は、雷ほどの大電力を発生させることはできないけどよ、少量の電力で空中の空気を電離(プラズマ化)させ、雷が通りやすい『チャネル』を作り、巨大な雷を特定の場所に引きずり下ろすことができる」


『先導雷・誘導雷・誘発雷』……

 雷雲の中で蓄えられた電荷が限界に達すると、負の電荷が空から地表に向かって落ちることを『先導雷』という。

 その強烈な負電荷に引き寄せられ、プラスの放電が発生することで、落雷が落ちる。少量の電力で、雷を引き寄せ、電磁界が乱れることを『誘導雷』『誘発雷』と呼ぶ。


「コイツを使えば、お前に何百万ボルトの雷を、その頭上に落とすことができるぜぇ!」

「ほう……面白い、やってみろ」

 レセプターは、余裕の構え。

「後悔すんじゃねぇぞーー、人身掌握術・ヒトスジ、召雷しょうらい!」

 パリパリッ!

 ハヤトの手から電撃が飛び出し、空に消える……

 刹那――!


 カァッ!

 ガガガガガガーーーーッ!


 巨大なイカズチが、レセプターの頭上に落ちる!


「はっはー、どうだ! ミサオっちの仇だぜ!」

 シュウゥゥ……


 雷が落ちた場所は、地面が真っ黒に焼け焦げ、灰色の煙が舞い上がっている

 周りにいた、大多数のヒューマンスレイヤーたちを沈黙させた。

 しかし、そこにレセプターの姿はない


「あれ、あいついったいどこに?」

「ここだ」

 レセプターは、屋上に備わっている『高架水槽』の上から、北上たちを見下ろす

「いつの間に……」


「言っただろう、私はすべてのヒューマンスレイヤーの能力を有していると。

『ヒトヨヒトヨニヒトミゴロ』の能力で、雷が落ちる場所を計算し、

『ヒトミゴクウ』の能力で分身を作り、

『ヒトットビ』で移動して、雷を避けた」


「くっ、そんなことが……」


 三人は驚愕する

「っていうか、『ヒトミゴクウ』って、確か……」

「ああ、『チャーリーチーム』にいたノッポのリーダー、だったな……」

「あいつ、他の『HSS』のメンバーまで『食った』のか……」



 バタバタバタバタ……

「あれは……?」

「自衛隊のヘリコプター?」

『テレビギルド』の上空に、自衛隊のヘリコプターが飛来する


「大門くん、アナタが言っていたモノ、持ってきたわよ」

 ヘリコプターの中には、メガホンを持った律子先輩がいた。

「ありがとうございます、律子先輩」


 自衛隊のヘリコプターは、レセプターの周りを旋回している

 大門が一歩前へ出て、レセプターに話す

「キミを倒すための『秘密兵器』を持ってきてもらった」

「ほう、そうか」


「これで終わりにさせてもらう、行くよ!」

 自衛隊のヘリコプターは、レセプターの真上から、何かを落とす

「大門くん、ご注文の品、『タングステン製の棒』よ!」

 ダラララララーーーーッ!


『タングステン合金』……

 高密度(鉄の2・5倍)、高硬度(ダイヤモンドに次ぐ硬度)、高融点(3000度以上)を持つ、人類最強金属の一つ。

 弾丸や、相手を圧死させるという使用目的なら、これ以上のものは存在しない。


 レセプターの真上に、無数の『タングステン製の棒』が降り注ぐ!

「人身掌握術、ヒトカゲ』、メテオ!」

 ドドドドドドドーーーーッ!


 無数のタングステン製の棒が、レセプターの頭上に降り注ぐ!

 大門の『ヒトカゲ』で加速された『ソレ』は、まさに宇宙から降る『隕石メテオ』のように、レセプターを屠る!

「どうだ!」


 シュウゥゥ……

 レセプターがいた『高架水槽』は、『タングステン製の棒』により、グシャグシャに潰れ、中の水が滝のように流れ出している。

「やった、のか……?」

 静かに、おそるおそる、三人は高架水槽の方へ歩いていく

 その時――


「……! 大門、後ろだ!」

「えっ?」

「『人身掌握術、ヒトツキ』!」

 ドスッ

「うわあぁぁっ!」

 後ろから突然現れたレセプター、人差し指が鋭い『トゲ』となり、大門の右太ももを貫いている。


「くっ、今のは、『ヒトスカシ』か……?」


「そう、ちなみに、私は最初から高架水槽にはいなかったんだよ……

 さっきから、私たちの周りに『白い霧』が立ち込めていたのだが、気づかなかったか?」

「『白い霧』……? そういえばさっきから……

 これは、まさか『ヒトパピローマ』の幻覚……?」


「フフフ、そうよ、幻覚と分かっていても、私を攻撃できますか?」

 レセプターの声色が変化し、女性の声に。

 そして見た目も、小動物のような女性に変わっていく……


「ミ、ミサオ……?」

 レセプターは幻覚で、ミサオそっくりになった。

 三人は、攻撃できず、ジリジリ後ずさりしていく


「お前、ミサオっちに化けるなんて、卑怯だぞ!」

「へぇ~、ハヤトさん、アナタは害虫や害獣を駆除するとき『卑怯だ』と言われたら、駆除するのをやめて逃がすのですか?」

「う……くっ……」

「くそっ、幻覚だとわかっていても、攻撃できない……」


 バタバタバタバターーッ

 北上たちの後ろから、自衛隊のヘリコプターが現れる

「律子先輩!」

「アナタがレセプターね、撃って!」


 ダダダダダダッ!

 ヘリコプターに備え付けられた機銃で、ミサオに変身したレセプターを撃つ!

 レセプターは、微動だにしない!

「フッ、『人身掌握術、ヒトサシユビ』!」


 レセプターが、自分の人差し指を北上たちの方に向けると、機銃の弾丸がすべて北上たちの方へ!

「うわあぁぁっ!」

「危ねぇっ!」

 三人とも必死に避ける


「そ、そんな……」

 さすがの律子も、レセプターの力を目の当たりにして、驚愕する。


「『人身掌握術、ヒトククリ』!」

 ピシッ!

 律子が乗っているヘリコプターに、レセプターの糸が絡まる。


「うわぁぁ? 操縦不能です!」

「キャーーーーッ」

 ヘリコプターは、横になりながら、ビルの向こう側へ


「律子先輩!」

「りっちゃん先輩!」


「フフ、ハハハ」

 もとの姿に戻ったレセプターは、周りのビルや、『電波塔』に糸を張り巡らせる。

 そのままその糸にのり、空中高く歩いていく……

 まるで、何もない空間を、透明な階段を使って登っていくかのように。


「どうした、もう終わりか?

 だとしたらお前たちは『ゲームオーバー』だ。

 ちなみに、『コンティニュー』はないぞ、フフフ……」


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