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【完結】害獣認定  作者: みっど
第13章 終焉の箱庭のアリス
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13-3 損壊

「帰って来い北上……こんなとこで死んだりしたら承知しないからな!」

 ハヤトさんが北上さんを蘇生させている間、私と大門さんでドブネズミのリンダを止めてみせます



 私と大門さんは、ドブネズミのリンダの前に対峙……

「ミサオちゃん君は情報官だ、戦闘には不向き、ここは僕に任せて」

「いいえ大門さん、私だって『盾』ぐらいにはなれます」

「でも……」

「大丈夫です、『命さえあれば、何とかなります』!」



「アタシの相手はアナタたち? フ~ン……」

 ドブネズミのリンダ、私たちを見定めている……?


 大門さんも、リンダを分析!

「確か、『人身掌握術、ヒトパピローマ』を使うって言ってたね。

 相手の細胞を異常増殖させて、破壊するって」


「そうよ……アナタたちニンゲンは、いつも『未知の病気』を発見したら、アタシたちのせいにしてたわよねぇ」

「それは……お前たちネズミや蝙蝠なんかが、いつも不衛生な場所にいて、病原菌を『保有』しているからだろ」

「そうね、でもその不衛生な場所を作ったのも、ニンゲンなんだけどねぇ……」

「う……」


 大門さんが困っている、私が何とかしなくちゃ。

「場所はそんなに関係ありません、たとえば私たち人類が駆除されてしまったとしても、アナタたちが『病原菌を保有』していることは変わりません。

 アナタたちだって、将来レセプターに駆除されるかもしれませんよ」


「確かに、そうかもしれない」

 やった、私役に立ったかも!

「でも、もしそうなったら、今度はアナタたちが新人類の『実験体』になるかもね」

「じ、『実験体』……?」


「私たちネズミの仲間の『モルモット』は、アナタたちニンゲンがかかる病気や薬の『実験体』として使われているわ。

 レセプター様が支配する新世界では、今度はアナタたちがその『モルモット』になるかもね」

「私たちが、モルモットに……?」


「今まで私たちにしてきたんだから、立場が変わったらちゃんと受け入れなさいよ、当然でしょ?」


 大門さんが、私の前に出る!

「まだ、僕たちが負けると決まったわけじゃない、レセプターは、僕たちが必ず止める!」


「そうね、そう言うしかないわよね……じゃ頑張って」

 ササササササーーーーッ

 そう言って、リンダは走り出す……速い!


「くっ、速い上に、小さい……影が踏めない!」



 すばしっこいネズミのリンダが、私たちの攻撃を避けて、大門さんに近づく!

「ほらほら行くわよ~、『人身掌握術、ヒトパピローマ』!」

「しまった!」


 バッ!

 私は咄嗟に、大門さんの『盾』になる。


 トンッ

 リンダの体当たり攻撃、これ自体には威力はないけど……

「あ、ああ、ああああーーっ!」

「ミサオちゃん!?」


 リンダが当たった私の腕は、赤く腫れあがり、破裂した!

 ボコボコボコ……

 バァーーーーンッ!

「キャーーーーッ!」

「ミサオちゃん、そんな……」

 私の腕は、肘から先が破裂してなくなった……


「う、うう、大丈夫です、まだ生きています……」

「下がってミサオちゃん、応急処置をしないと……」

「そんな暇はありません、リンダはまだ次を狙っています。

 それに、私はなぜか昔から『痛み』や『苦しみ』には強いんです、だから大丈夫!」

「で、でも……」


 リンダが襲ってきた!

「くっ、『人身掌握術、ヒトカゲ』!」

 サッ!

「くそっ、避けられた、速い……」


「フフフ、遅い、遅いよ」

 リンダが大門さんを背中から襲う!

 バッ!


 私がまた大門さんの盾に!

 バシューーーーッ!

「キャーーーーッ!」

「ミサオちゃん!?」

 今度は私の右足が、破裂した!

 周りには、私の血が飛び散る。

 大門さんが、私の失った腕と足の付け根をきつく縛り、出血を抑えてくれてます……


「ま、まだ……まだ生きています、『命さえあれば、何とかなります』……」

「もう無理だミサオちゃん、あとは僕に任せて……」

「危ないっ!」

 後ろから飛んで襲い掛かってきたリンダに、私は大門さんを突き飛ばして、代わりに攻撃を受ける。

「あうっ!」

 私の左目は破裂し、目があった場所は、ボコボコに腫れてしまう。


「ああ、ミサオちゃん、目が……」

「だ、大丈夫です、目は二つあります……

 片方失ってももう一つある、耳も、肺臓も、腎臓だって、一つ失ってもまだもう一つあります!」


 リンダが、私の目の前で、今にも飛び掛かろうと構えている……

「だったら、『頭』が破裂したら、どうなるのかしら、フフ……」

「『私の頭を狙う』ということがわかっていれば、大門さんが必ずアナタを『ヒトカゲ』で拘束してくれます!」


「ミサオちゃん、なぜそこまで……?」


 私は震えながら、唇をかみしめながら、静かに告白する……

「私は、上司からアナタたち三人がもし人類を裏切ったら、『射殺』するように命令を受けていました」

「なんっ……?」

 大門さんは絶句


「でも、今までの戦いを見ていて思いました、アナタたちは絶対に人類を裏切ったりしない! これは、私のせめてもの『罪ほろぼし』なんです!」

「ミサオちゃん……」

 私は、残った力を振り絞り、リンダから大門さんを守る壁になります


「あらそう、素晴らしい『自己犠牲』だわ……無駄死にじゃなきゃいいけどね」

 そう言って、リンダが私の方に走り出す。

 私は目を閉じ、覚悟を決める……

 その時――


「『人身掌握術、ヒトナミ』!」


 ゴンッゴンッゴンッ!

 床の板が、まるで波を打つように暴れだし、私とリンダの間に巨大な壁を作った!


「あ……」

 私は、安堵と、安心で力が抜け、涙があふれて止まらない……

 緊張で止まっていた『呼吸』と『心臓』が、いつもの倍以上に活動を再開する。


 緊張でこわばっていた大門さんも、いつもの顔に戻る。

「……待ってたよ、必ず来ると信じてた」

 そこには、ハヤトさんを肩に抱えた北上さんが。


「ハヤトのお陰で命拾いした、もうキモイとは言えないな」


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