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【完結】害獣認定  作者: みっど
第11章 女王の采配とメビウスの輪
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11-4 調律

 北上さんが、地面に右手を当てて、この空間を調べている。


「俺の『ヒトナミ』で波を撃ったが、この空間に出口やほころびのようなものはなかった……あいつの言う通り、このままだと本当に餓死するのを待つだけだ」

「マジかよ! どうせ死ぬなら、母ちゃんの作った『ツナマヨおにぎり』を食ってから死にてぇ~」

「ハヤトくん、そんな不吉なこと言わないでよ!」

「大門、だってよ~」

「みなさん静かに、律子先輩から通信が入りました」


「みんなよく聞いて、自衛隊本部の全ての『AI』に聞いたところ、その『メビウスの輪』から正規の方法で脱出する方法はないわ」

「やっぱり、くっそ~」

「慌てないで、『正規の方法はない』だけよ。一つだけ、『AI』が出した脱出方法があるわ」

「それは?」


「『メビウスの輪』の接合部分、つまり帯が重なる部分、そこに高エネルギーを爆散させることで、一瞬『メビウスの輪』をほどくことができるわ」

「『接合部分に、高エネルギーを爆散』……?」


「高エネルギーって、いったいどれくらいの?」

「単純計算で、そのテレビ局を一撃で『分子レベル』まで消失するほどの破壊力、TNT火薬およそ五十トン分の高エネルギーよ」

「そんなのどこにあるんだよ~?」


 みんな頭を抱えています、でも、一人だけ目を閉じ、計算している人が……

「このまま待っていても餓死するだけなら……試してみるか」

「なにか手があるんですか? 北上さん?」

「ああ一つだけな、ただ、失敗したら全員死ぬことになる」

「このままだってどうせ餓死するんだ、やってやろうぜ」

「まさか、北上くん……」

「律子先輩、『アレ』をやります」


 ……相当凄まじいことをする、というのは、律子先輩の声色でわかります。

「北上くん……、わかったわ、私が全力でサポートする。

 学生時代のアナタの言葉、今もまだ覚えているわ……

『配られたカードの中で、周りの状況、敵と味方の心理を熟考して、最高の作戦を考える……これがカードゲームの醍醐味だ』でしょ?」


「はい、律子先輩、お願いします」

 全員律子先輩の指示で、特定の位置に集まる

 何の変哲もない、スタジオ客席の端の席……


「そこよ、私と『AI』が出した、『メビウスの輪』の接合部分は」

「よし、ここに俺たちで『このビルを一撃で破壊するほどの高エネルギー』を爆散させる」

「いったいどうやって?」

 火薬や、発火装置の類のものは一切ありませんけど……


「大門、お前の『ヒトカゲ』をここに発動させろ」

「えっ……、わ、わかった」

 大門さんは戸惑いながらも、『ヒトカゲ』を発動する

「人身掌握術・ヒトカゲ!」

 バキバキバキーーーーッ!


「まだだ、もっと威力を上げろ、そして収縮するイメージで!」

「うっ、ぐうぅぅぅ……」


 椅子に座り、優雅に紅茶を飲んでいた魔術師が、私たちの動きに気づく

「なんだ? 何をしても無駄だというのに、あいつらいったい何をするつもりだ……?」


「ハヤト、『ヒトスジ』でこのテレビ局全ての電力を集めろ」

「ええ? 全部?」

「いいから、早くしろ」

 ハヤトさんは『ヒトスジ』を発動し、集中して、テレビ局全部の電力を、『誘電』と『蓄電』で集める

 ジジ・ジジジ……


 たちまち辺りは真っ暗に、テレビ局中の明かりや電力、さらには周辺の民家の電力まで消えていく……


「集まった電力をすべて、大門の『ヒトカゲ』に集中しろ、『調律』は俺がやる」

「ち、『調律』……?」


「はあああぁぁ……」

 北上さんは『ヒトナミ』を発動して、ハヤトさんの電力が集まった、大門さんの『ヒトカゲ』に集中する……

「高まった重力とエネルギーを解析し、全エネルギーが『一点』に完全に重なるような『定常波』へ調律……」

 ゴゴゴゴゴゴ……

 な、なんか大門さんの『ヒトカゲ』が、変化していく……?

 テレビ局自体が揺れていて、まるで『共振』しているみたい。


「いいわ北上くん、大門くん一人では届かなかった『シュバルツシルト半径』に、ハヤトくんの収束した電撃による『エネルギー加速』で、粒子の運動エネルギーを光速近くまで加速。それを北上くんが『ヒトナミ』で調律、これなら……」

「ま、まさかこれって……?」


 カタカタカタ……

 魔術師の持っていたカップが揺れている……

「この振動、停電……まさか!」

 ガシャンッ

 魔術師が立ち上がり、飲んでいた紅茶のカップを落とす


「くうぅぅ……」

「うおおぉぉーーっ!」

「いくぞ、連携技、『マイクロブラックホール』!」


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