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害獣認定  作者: みっど
第11章 女王の采配とメビウスの輪
29/52

11-1 女王

「このままでは全滅だ、どうする……?」


 その時、私のインカムに連絡が入る

「ミサオ、聞こえる? 応答して」

「律子情報官!? 聞こえています、今大ピンチです!」


「少し上の方に移動して、今の状況をタブレットの『動画』で撮影して、本部に送って」

「わ、わかりました」

 私は、スタジオの非常階段を上がり、少し上の方から今の状況をタブレットで撮影する。

「ピロン! 動画、開始します」



 ◆律子side


 総理官邸に設置された、作戦本部……

「旭神一尉、安孫子一曹からの動画、表示します」

 作戦本部の大画面には、今の北上たちの状況が映し出される

「おい、大ピンチじゃないか? 大丈夫なのか……」


「静かにしてください、気が散ります」

「えっ、ええ~~……?」


「『お昼のギルド』の詳細な見取り図と、備品の一覧を表示して」

「えっ?」


「急いで! 隊員の命がかかっているのよ!」

「は、はい!」


 律子は、パソコンのキーボードを叩きながら、頭の中でイメージを膨らませる

 スタジオを俯瞰し、備品を配置、メンバーと敵の位置を確認し、

 シミュレーションを繰り返す……


 そして、キーボードのエンターキーを押しながら、

「掌握、完了……」



 〇ミサオside


「ハヤトくん、三歩下がりなさい、大門くん一歩前へ、老人の『翁』に『ヒトカゲ』を」

「え? 律子先輩!?」

「り、りっちゃん先輩!?」

「みんな、律子先輩の言う通りに」

 北上さんが二人に檄を飛ばす!

「り、了解!」


 三人は律子先輩の指示通りに動く。

 大門さんの『ヒトカゲ』は『翁』には当たらなかったけど、避けている間は『ヒトサシユビ』が発動しない。

 今なら……


「ハヤトくん、今いる位置の右斜め後ろに『アレ』があるはず、それを使って」

「『アレ』? これは……!」


 ニューハーフさんと、翁が近づいてくる

「さあ、とどめを刺して、ア、ゲ、ル」

「ワシの言う通りにすれば、苦しまずに逝かせてやろうぞ……」


 バシューーーーッ!

「わっぷ!?」

「なんじゃこれは? 『消火器』か!?」

 周りは真っ白に

「おのれ……いったいどこに行きおった?」


「律子先輩の言った通りだ、やつら攻撃してこない」

「やっぱり、あの二人は肉眼で直視したものしか能力が発動しない仕組みね」

「今のうちに攻勢にでるぞ」

「了解」

 全員のインカムに、大門さん、律子先輩、北上さんの声が聞こえる!



「イヤンもう、せっかくイケメン君と二人きりになれそうだったのに……

 でもあの『ヒトカゲ』の坊や、あの術はやっかいね、先に潰しちゃおうかしら」


 ガサガサ……

「大門くん、『アレ』に隠れて、後ろから『ヒトカゲ』を」

「『アレ』ですね? わかりました」


「ウフフ残念、視界が悪いから『ヒトリゴト』で聴覚を上げておいたの、アナタの声で、位置はまるわかりよ」

 ニューハーフさんが後ろを向くと、大きな宝箱が……

「おっや~? そこねぇ……人身掌握術・ヒトリゴト、『転べ』!」

 ズテンッ!

「うわっ」


「ウッフ~ン、一人目いっただき~!」

 バカッ!

 宝箱に入っていたのは、私、ミサオだった!

「残念、私でしたー」

「はぁ!?」


「僕はこっちだよ」

 ニューハーフさんの後ろから、『キャプテンかいぞくん』の着ぐるみが……

 紋章が光る『キャプテンかいぞくん』の左足は、ニューハーフさんの影を踏んでいる

「人身掌握術、ヒトカゲ!」

 バキバキバキーーッ!


「ギャーーーーッ!」

 ニューハーフさんは、重力で動きを封じられている……

「ぐっ、そんな、確かにこの宝箱から、坊やの声がしたのに……?」


 反対側から、北上さんが登場。

「今のは『ヒトナミ』を使って、ミサオの声の『音波』を大門の声に変換したんだ」

「そ、そんなことまで……」


「さあ、おとなしくしていてもらおう」

「そうはいかないわ! 『人身掌握術、ヒトリゴト』、床よ壁になれ!」

 ザザザザァ……

 ニューハーフさんの足元の床がはがれ、周りを壁のように包んだ!


「どう? イケメンくんの『ヒトナミ』は、直接ワタシに触れなきゃダメなんでしょ? そう簡単にこの壁は……」

 ブウゥゥン……

 ザシュッ!

「えっ!?」


「悪いな、アンタが本物にしたこの『サーベル』に、『ヒトナミ』で『高周波』の震動を加え、威力を高めた……

 この『高周波ブレード』なら、その程度の壁なら切り裂ける」

 北上さんは、ニューハーフさんの頬に触れる……

「な、な、な……」


「いい技だった、こんな形じゃなかったら……いや、なんでもない、『ヒトリゴト』だ」

 ブウンッ!

「あっ……」

 バタッ

 ニューハーフさんは笑顔のまま、鼻血を出し、白目をむいて気絶……


「さすがは律子先輩だ、『盤上の戦術女王タクティクスクイーン』の通り名は、伊達じゃない」


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