6-1 一筋
私たち四人は、そのままエレベーターの前へ。
「このまま最上階まで行くことができればいいんだが……」
その時、インカムに連絡が入る。
「ジジ……こちら『チャーリーチーム』、地下駐車場の東口から潜入しましたが、
最上階への直通エレベーターがなく、四階のスタジオを経由して、西側の直通エレベーターから、再度アタックします」
祥子先輩の声だ。
「了解、くれぐれも注意して、警戒を怠らずに」
「はい」
律子先輩のサポートも入る。
「どうやら直通のエレベーターは、西側にあるようだな」
「そうだね、まずは四階まで上がって、西側のエレベーターを目指そうか」
北上さんと大門さん、この二人の指示に従って行けば、問題なさそう……
私たち四人は、エレベータに乗り、四階を目指す。
ウイイィィン……
ガタンッ!
「キャーー!」
「停電か?」
エレベーターの中は真っ暗に。
北上さんが、手持ちのライトを照らす。
「いくらなんでもタイミングが良すぎる、敵側の妨害の可能性があるな……」
「とりあえず、エレベーターの扉を開けてみよう」
エレベーターの扉は停電時、手動であけることが可能です。
ギギギギ……
「ダメだ、丁度フロアとフロアの間で、外に出ることはできなさそう……」
「仕方がない、上から出て、エレベーターシャフトから直接上がろう」
エレベーターの上の非常口から、エレベーターシャフトへ出ると……
「結構あるな」
「地下三階からだからな、一階のフロアも吹き抜けで、二階まで相当な高さがある」
「こんなの私じゃ無理です~」
「だよねぇ……」
困りました、また私が足引っ張っているかもですぅ……
北上さんが、ハヤトさんと私の方を見て、
「確か二階に『配電室』があったはずだ、タブレットで確認できるか?」
「あ、はい、確認します」
私のタブレットには、この『テレビギルド』局内の地図情報がインプットされているのだ。
「あった、ありました、二階の奥の方に『配電室』が」
「そこに行って、直接停電を解消した方が早そうだな、ハヤト、ミサオを連れて行ってくれ」
「え、オレっちとミサオっちで?」
「お前だけじゃ、『配電室』の場所がわからないだろ?」
「いや、そうだけど……」
私は素朴な疑問を一つ。
「でも、どうやって……?」
「あ~、それは大丈夫、オレっちの『人身掌握術』を使えばね」
「ハヤトさんの、『人身掌握術』……?」
ハヤトさんは、両手を合わせて、集中する。
ヒイィィン……
ハヤトさんの首の左側に、ヒューマンスレイヤーの紋章が浮かんでいる
「オレっちの『人身掌握術・ヒトスジ』は、電気を作り、操ることができる能力」
「電気を……?」
バチィッ!
ハヤトさんの手の中で、電気が光る!
「その電気の力を使えば、『イオノクラフト効果』で、空中を浮遊することができるはずだ」
『イオノクラフト』……
20キロボルト以上の高電圧を電極にかけることで、周囲の空気分子が電離しイオンを生成、イオンは空気分子と衝突することで空気分子を動かし、推進力を生みだす
「凄いですね北上さん、こんなことも知っているなんて……
そりゃ、こんなこと『学校のテスト』にはでませんよね」
ブワアァァ……
ハヤトさんが集中すると、ハヤトさんの体がボヤっと光る……
「ハヤトさん~、なんか体がうっすら光ってますよ、うえ~」
「ハヤトお前、キモイな」
「キモイって言うな! お前ら、オレっちの扱いが少し雑過ぎるぞ!」
私とハヤトさんは、イオノクラフト効果により、ゆっくりとエレベーターシャフトを上がっていく。
「ハヤトさん、なんかこれ、独特な臭いがしますね……あ、髪の毛も逆立ってる」
「ちょっとだけ我慢してくれミサオっち、この術はオゾン臭がでちまうのと、静電気がでるのがたまにキズでな」
しばらくすると、着きました、二階のエレベーターの扉です。
私とハヤトさんは、二階の扉を開けて潜入、
中は停電していて真っ暗、でもハヤトさんがボヤっと光っているので、道は見えます。
「ハヤトさんの『ヒトスジ』、役に立ってますよ!」
「それ、嫌み?」
そのまま奥の『配電室』へ。
ギイィィ……
ガシャンッ、ピカァッ!
「眩しっ!」
中に入ると突然電気が!
中には若くて派手な衣装を着た女性と、その後ろに屈強な数名の男性たちが、私たちを待っていた。
「やっぱりここに来たわね、あいつの言う通りだったわ。
『計算』『計算』ばっかり言うから、あんまりアタシのタイプじゃないんだけどね」
「お前も、ヒューマンスレイヤーか?」
ハヤトさんが、警戒する。
「そうよ、アタシは『嫉妬のリカ』って呼ばれているわ」
ヒイイィィン……
女性の額には、『ヒューマンスレイヤーの紋章」が……
「でも残念ね、少し細いわ」
「?」
「アタシはね、強い男が好きなの! 強くないと燃えないのよ!」
嫉妬のリカは、そばにいる屈強な男の腹筋を触っている。
「あの子何言ってんだ? オレっちは、基本全ての女性を尊敬しているけど、あのタイプはちょっと苦手かも」
(ハヤトさんでも、苦手なタイプっているんだ……)
そう思ったのは内緒です。
「あのリカって人の周りにいる人たち、テレビで見たことあります、確かプロボクサーや空手のチャンピオンの人たちですよ」
「え、それって、ヤバいじゃん?」
嫉妬のリカは、異様な構えをみせる。
「人身掌握術、ヒトメボレ!」
フワアァァ……
何か、甘い香水のような香りが、辺り一面に漂う……
「アタシの『人身掌握術・ヒトメボレ』は、男たちをアタシに『ベタ惚れ』させて、さらに能力を二倍にする術よ」
「何それ!?」
男たちは皆、嫉妬のリカを見て、目がハートになってる!?
「さあ、お前たち、アタシに愛されたいのなら、まずあいつらを始末して!」
シャキーンッ!
男たちの目線は、全て私たちに……
「うおおぉぉっ!」
全員襲い掛かってきた!
「マジか、こういうのはオレっちじゃなくて、北上の担当なんだけどなー!」
そう言いつつ相手の攻撃を逸らし、触れる。
バチィッ!
「がっ……」
バタッ……
「へへ、どうだい、オレっちの『人身掌握術・ヒトスジ』を使った、『簡易スタンガン』の味は!」




