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石油王ユダ氏の異世界漂流。  作者: ググりながら書いてます。
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さらばノレイエ島 六

(さて食い物はある程度目処がたったな。あとはどうするか?)


 イカダに寝転がったまま毛布を引き寄せ(くる)まり十三は思案する。


(潜水艦で島を出るのは確定として搭載量がなぁ)


 全長十二メートルほどの小型潜水艦である。当然艦内も狭く貨物スペースなどほとんどない。


(中に積めないとなると、外か)


 漂着物の中にはイカダの材料になりそうな水タンクやブイなどが多数あった。網などもあったのでそれらを活用したら今あるイカダをさらに大きくすることも可能だろう。


(大きめのイカダを作って潜水艦で引っ張るのはどうだろう?)


 十三は以前タグボートでメガフロートを牽引する映像をニュースか何かで見たことを思い出した。

 タグボートでメガフロートを余所の県まで牽引出来るのなら、小型潜水艦でもイカダを牽引出来そうな気がする。大きめとはいえメガフロートのブロックほどのイカダにはならない予定なのだ。


(確か一キロの浮力を得るには一リットル分水を押し退ければ良かったんだっけ?)


 理数系が苦手だった十三はその辺うろ覚えだ。


(軽自動車二台で二トンぐらいだろうから、二台とも持って行こうとすると二千リットル分か)


 実際はもうちょっと軽いはずだが、その他の荷物やイカダ自体の重さも考慮して余裕をみる。


(ドラム缶が二百リットルだったっけ?このイカダに使ってる二つに、他にもまだガソリンスタンドにいくつか残ってたはず)


 それにこの洞窟にある水タンクなどを使えば二千リットル分の浮力は作れそうだと十三は判断した。


(よし!ここの漂着物で持ち出す物を拠点に運んだら、イカダ作りだな)


 もちろんそれは明日以降の仕事だが。

 今日はもう毛布に包まり頭脳労働(もうそう)すると決めているのだ。


(そうだ!今度のイカダは双胴船にしよう!双胴船、なんかカッコ良いよな。中二マインドを刺激される)


 まだまだナウでヤングな感性を失わない十三青年はしっかり中二病をこじらせていた。


(まだ作ってみないことには分からないけど、とりあえず双胴イカダで荷物を運ぶ方向で行くとして、何を持って行くか?)


 正確には「何を置いて行くか?」だろう。欲を言えば、十三は持って行ける物なら全て持って行きたい。彼は断捨離出来ずにゴミ屋敷を生み出すタイプの人間なのだ。本人は「勿体無い精神旺盛な、資源を有効活用するタイプ」だと自称していたが。


(ピッチングマシンとか面白そうなんだがなぁ)


 この洞窟にはピッチングマシンも漂着していた。しかし、面白そうではあるもののリセットする点数もイカダで運ぶのも(かさ)むとなれば諦めるしかない。


(ギターぐらいは大丈夫かな?)


 いずれこの世界でアイドルグループを運営しようと考えている十三であるので、ギターなどの楽器は必要だと思っていた。まだこの世界のことをほとんど知らないのだ。十三が思い描くアイドルが歌い踊るジャパニーズアイドルソングの伴奏に合う楽器が有るのかどうかも分からない。それならば地球の楽器が有った方が良いに決まっている。

 今は全くギターを弾けない十三だが、彼にはアンキトーストという素晴らしい神の力がある。

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