MORITARIN 33
...
Episode -9 B
しばらくしてパイとヨナもエティの傍へ合流した。イトがモンドを詳しく見ると、背中に大きな傷を負っていた。
ポカーによるものに違いない。痛みに苦しんでいたモンドは、パイの力によってゆっくりと治癒していく。
しかし傷が深く、今すぐには動けない危機の瞬間だ。
切迫した状況の中でも、イトとヨナはできる限り光線銃を使って小さな兵隊を援護する。
だが増え続けるポカーの数を受け止めるには力不足だ。
ロギもこの差し迫った瞬間に飛行をやめ、モンドの傍へ合流してみるが、状況は少しも良くならない。
エリはアレックスの基地を砲撃していたのをやめ、飛んでくるポカーたちを相手にするので手一杯だ。
そして森の中では、以前よりも多くのポカーたちが溢れ出てくる。まさに絶対の危機状況だ。
ちょうどその時、どこからかポカーを踏みながらダビが「ぴょんぴょん」と跳ねてやって来る。そして
仲間たちの近くまで来るとポカーの頭を踏み、 크게跳躍する。
群れへ戻ったダビはすぐに、自分の盾を両手で掴んで頭上へ思い切り持ち上げた。
すると巨大なドーム形のバリアが生成された。
急いで生成されたバリアの中に残っていたポカーたちはロギと小さな兵隊によって素早く処理された。
ポカーたちは驚いてバリアの前で立ち止まり、バリアをただ観察して座り込んだ。
叩いてみたり、よじ登ってみたりする。
ポカーたちは鉤爪でダビのバリアを突いてもみるが、とても硬く、貫くのは難しそうだ。
ダビ: もう無理だ〜物語終了しよう、早く!
ヨナ: そうだ、終了して再開しよう〜あいつら数が多すぎる〜〜うわ!
ロギ: 仕方ないよね〜どんな不利益が起きるか分からないけど、これより悪くなるって?
エティ: ダメ!!絶対に終了できない......
エティの言葉に皆がエティを呆れたように見る。
ダビ: なんで?今時間がないんだ〜外のレオとエリも危ないんだって〜
エティ: それでもダメ!!今物語の外に出たら... モンドはどうするんだよ?
モンドは今も傷を治癒している。
完全に治るまでには、これから時間がもっと必要だった。
イト: モンドが完全に回復しても... あのポカーを避けて生き残るのは無理だ...
モンド: 本当に申し訳ありません... 本当です、僕を置いて行っても大丈夫です。
モンド: 心配しないでください〜
パイ: 絶対ダメ!!....... [パイの目に涙が溜まる]
パイ: [涙を拭いながら]ダメなものはダメなの.......
ヨナ: どうする...... ダビがこうしてずっと盾を持って立ってるわけにもいかないし..........
ヨナ: ダビ、腕痛くない??
ダビ: うん?....... そうだな ........ なんで〜全然きつくないな〜〜
エティ: パイお姉ちゃんのおかげっぽい?〜
ヨナ: ああ〜体力回復があるんだね〜
ダビ: はははは.... どうしよう?
無数のポカーがダビのバリアによじ登ると、バリア内部が暗くなる。
エティ: う... 気持ち悪い、なんでこんなに多いんだ...
ヨナ: わあ...... 暗い.......
エティ: 怖いよ〜〜〜
モンド: 暗いですか?[その瞬間モンドの尻尾の部分が明るく光る。中が明るくなった。]
エティ: はっ.... ホタルだった〜
モンド: 違いますよ。
「ぐあああ!」どこかで悲鳴が聞こえる。エリだ。
ヨナが驚いてポカーの隙間越しにエリを探す。
ヨナ: 大変だ!!! ポカーがエリにぶら下がった...
ダビ: えっ... ぶら下がった?...
ヨナ: 沈んでる...
ロギ: 私が外に出て助ける!
ロギはバリアの外へ出ようとしてみるが、出られないことに気づく。
ロギ: ダビ?どうやって出るの??
ダビ: 俺が手を下ろさなきゃいけないんだけど... そうするとバリアが解除される......
ヨナ: ポカーが頭の上に降り注ぐな...
かすかにエリの声が聞こえる。「助けて~~~~!」
ヨナ: ダメだ!エリ!!
モンド: イト様... 行かねばなりません...
イト: モンド...
ヨナ: あっ!エリが!! 光ってる...
エティ: 光ってるって?なんで?
ヨナ: 分からない... あっ!?
エティ: !!?
ヨナ: エリが... 消えた... なんだ?
ダビ: 戻ったんじゃない?
ヨナ: 戻ったってどこに?
ダビ: 家に〜
パイ: どうやって?... イト、どうなってるの?
イト: どういうことだ..... 物語終了は最少人数が満たされなきゃいけないのに...
ヨナ: もしかして..... 物語の持ち主なら?????
イト: 違う... そうだ!!!!... 安全装置がある....
イト: お前たちがあまりにも危険な状況に陥ったら
-強制的に「物語」の外へ弾き出されるようになってる.... [トラウマ防止機能]
パイ: じゃあ良かったね.... エリは安全なんだよね?
ダビ: 良かった...
イト: 違う... 良くない.... 状況が悪い...
イト: もしエリが外でまた物語を始めたら、皆が最初の開始地点へ戻ることになる。
パイ: なんでそんな意地悪な機能があるの!!
イト: それが不利益の一つだ... ここは自由に出入りできないようになってる...
ヨナ: ....... エリが... 物語を始めようとするだろう..
パイ: モンドはどうする....
その瞬間、ドームを覆っていたポカーの一部がキャンディになって消える。
レオが遅れて戻ってきたのだ。
レオがバリアにもたれて、はぁはぁと息をする。
レオ: 「はぁはぁ... みんなこれ何?俺も入りたい〜」
(ヨナの顔が紅潮する。)
ヨナ: 「レオだ!! 〜レオ!君が入ろうとしたらバリアを解除しなきゃいけない」
ヨナ: 「そうしたらポカーを防げなくなる!」
レオもここに到着するとパイの力によって〜体力が徐々に回復していく最中だ。
呼吸が落ち着いていくレオは会話の最中にも、続けてポカーを退ける。
レオ: 「じゃあそのままでいいよ〜〜」
レオのポカーを処理する速度が徐々に速くなっている。
レオ: なんか力が湧いてくる〜アジャ!
ダビ: お!反撃だ。結局俺たちが勝つんじゃない?
レオ: アジャ!俺はキャンディ持ちだ〜!!
レオに突っ込んでいたポカーたちは、速度と力が増していくレオに驚き、距離を取っていき始める。
ヨナ: レオ!エリが物語の外へ弾き出された〜
レオ: それどういう意味?
ヨナ: 説明してる時間がない〜俺たち全員、開始地点へ戻ることになる〜
ヨナ: そうしたらモンドがポカーの中に一人残される〜
レオ: え?
ヨナ: だからさ... 俺たちはこのまま開始地点の位置へ移動しなきゃいけない!!
ヨナ: できるだけ近くまででも行かなきゃ!
ヨナ: 強化あと何分残ってる!
レオ: 今全部使ったから7分待たなきゃ...
ヨナ: ぐあ、やばい... どうしよう。
パイ: 待とう。7分後にレオが道を開いて。
ダビ: みんな〜〜俺が動いたらバリア解除されるけど?
パイ: ひいっ!..... どうする...
ヨナ: 動かなければいいね〜イト、後ろからダビを持ってゆっくり移動してみて〜
イト: そうしてバリアが消えたら?
ヨナ: 悩んでる間にエリが物語を始めるだろ?...
イトはすぐにダビを抱えて動かしてみる。幸いバリアはそのまま維持されている。
皆が大きく安堵の息をつく。[モンド含む]
パイ: ほら〜モンド、怖い?
モンド: はい?
パイ: 私たちが守ってあげる〜心配しないで!
子供たちの行動を見て、何かを決意したモンドは何も言わなかった。
パイ: レオ〜頑張って、あなたは私たちの希望だよ!〜
ヨナ: ダビ〜すごいな、この力はいつまた買ったんだ〜
ダビ: そうだな〜俺が思ってもほんとよく買っておいた!ククク
ヨナ: 今日は俺、ほんとバカだった〜[店がすごく惜しい]
パイ: もう少し待ってみよう、希望が見えてきた気がする〜
ダビ: うん!
ところが数分後、エティの行動がおかしい。
暗い表情で黙ったままモンドに近づく。
そしてモンドの手をぎゅっと握る。
エティ: ごめん〜モンド... ごめんね[涙ぐむ]
モンド: はい?
ヨナ: どうしたの、エティ〜
エティ: できるだけ早く戻ってくる... 少しだけ耐えて。[涙がぽろぽろ落ちる]
-ごめん....
驚いたパイがレオを見ると、レオの体が光り始める。
パイ: 始まったんだね... 物語
ヨナ: ...違う!! レオが強化を使うと体が光るじゃん〜違うはずだ
エティ: [首を横に振りながら]ヨナお兄ちゃん〜... 手...
ヨナは右手を持ち上げてみて、自分も光っていることに気づいた。
ヨナ: ダメだ... お願いだからエリ... [うつむく]
ヨナ: モンド... ごめんね
パイは黙ってモンドを抱きしめる。
モンド: 勇者様たちは本当に温かいんですね... 忘れません。
続いてパイとエティの体も光り始める
パイ: すぐ走ってくるから... すぐ...
モンド: そうしてくださらなくても大丈夫です[微笑む]
モンドの言葉が終わると、光っていたレオが先に消えた。
レオが消えて沈んだのに、かなり時間が経っても子供たちの体に光があるだけで消えない
疑問が湧いた。だがこれといった答えを見つけられないまま、数分後苦しんでいたヨナが消える。
そしてこの状況を疑っていたエティが悩んだ末に口を開いた。
エティ: おかしいよね?物語をやり直したなら一緒に移動しなきゃ.. そうじゃない?
イト: そうだな?
パイ: そうだなって何よ、管理者!
エティ: 僕の考えだとこれはどうやら...
話していたエティが消えた。
パイ: ......
パイ: イト.. どうなってるの?
イト: うーん... なんで一人ずつ消えてるんだ?うん?
パイ: なんでそれを私に聞くの!
イト: いや.. おかしいだろ..
パイがしばらくイトを責め立てているうちに、光の粉を残して消える。
イト: ......
イト: ダビ、できるだけ早く来てくれ... 俺ができる限りモンドを見守る...
ダビ: イト... お前.....
イト: 俺は管理者だ。ここに残れる!!
モンド: イト様...
イト: 俺の心配はするな...俺は... 分かるよな?
モンド: 光ってますけど??
モンドの言葉と同時に光っていたイトは光の粉を残して消えた。
ダビ: あれは何の恥さらしだよ...
パイが消えたせいで、だんだんダビの腕が重くなり、きつくなる。
だからモンドがダビの腕を掴んで支えるのを手伝う。
「ありがとう、モンド〜パイがいないと罰として立ってるみたいだ〜」
モンドはダビに頼みたいことがある。
「勇者様、お願いがあります... 絶対にここへ戻って来... ないでください...」
「なぜなら僕はもういないでしょうから.... 代わりに....」
「ウグをお願いします... それだけしてくださるなら... 僕は心安らかに旅立てます...」
ダビはモンドの言葉に胸がとても痛む。
「.....分かった..... ウグを守る....」モンドは微笑みながら〜言う
「本当にありがとうございます。」
ダビの目には涙が溜まる。
...




