MORITARIN 31
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Episode -8 C
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イナは誰にも知られていない地下バンカーに入り、荷物をほどいた。
そこには数か月分の食料と水、ノートパソコンが一台、そして壁面には各種の書籍がぎっしりと並べられている。
イナは数日間、何もしなかった。ただ腹が減れば食べ、眠くなれば眠ることを繰り返した。
もちろん頭の中は複雑で、考えから休むことはできなかった。
そんなある日、イナはペンを取った。そしてその日の記憶を紙に書き始めた。
できる限り、できるだけ詳しく書こうと努めた。
その日着ていた服と食べたものが何だったか思い出してみる。
「何食べたっけ?」
天気も思い出し、その日の体の状態も書き留める。
そして未来のイトと向き合った瞬間を思い出しながら、紙に書き連ねていった。
......................
しばらくペンを置いて、再びベッドに横になる。
目を閉じて、もしかして取りこぼした記憶はないか考えてみる。
するとふと浮かぶ、その日の記憶!
「あ... そうだ!」
イナは再び起き上がって机へ向かう。もう一度ペンを取り、その日イトが取り留めなく言っていた言葉をメモする。
記憶がぼんやりしているが、それでも思い出せるものを書き出していく。
「ポル... ルン... 治療薬... 裏切り... 審判... 種... 飲み込む...」
イナは紙に単語を一つ一つ書き、壁面に貼ってみる。
そしてその組み合わせから何かを推測しようとするが、情報があまりにも足りない。
「分からない... 何かおかしい...」と呟くイナ。急に腹が減る。どこかへ走っていき、パンを一つがぶりと掴み取る。
そしてパンの間にハムと野菜を挟み、ソースをかけると、すぐに一口かじりつく。
「もぐもぐ」口では一生懸命噛みながら、深い思考に沈む。
目がぱっと開くイナ!慌ててノートパソコンへ駆けていく。そしてまず、パンをもう二口かじる。
「もぐもぐ。」
自分の個人情報が保存された記録保管庫に入る。そしてその日の記録を確認してみる。
そこには空間接続装置を作動させた瞬間からの記録が保存されている。
「そう、これだ!これだよ!」
もう一度パンを二口かじり、カップの水を一口飲んだ後、その日の映像を再生する。
非常に真剣な表情で、何度も何度も映像を繰り返して見るイナ。
.......................
数日間、一つの映像だけに取りつかれているというのは、見るだけでも精神と肉体を削るには十分だった
ある日、映像を見ている途中で、無作為に席を立ち、バンカーの中をただひたすら歩き回る。
するとふと、イトが消えた後に途切れてしまった映像で続く暗転が思い浮かぶ。
思い出して、思い出すほど疑わしくなった。
「なんで3分も映像記録が残ってないの?」
その日は特にボリュームをさらに上げてみたが、ノイズしか聞こえない。気分が変におかしい。なぜだろう?
このノイズがあまりにも怪しい。説明できないこの不安感..
またどこかへ慌てて走るイナ。
大きなヘッドホンを探してきて頭に押し当て、もう一度ボリュームを上げてみる。
3分間のノイズを聴く。
動きもせず、全ての感覚を聴覚に集中させる。
ついに2分27秒あたりで—ノイズに混じったごく微かな音を検知する。
イナはこの3分間の暗転を分析したくて、この部分だけ別に編集し、「秘密の同志」に分析依頼を送る。
そして残りのパンを口に押し込み、もぐもぐする。
しばらくして静寂を破るように、返信を知らせる音が鳴り響く。
「マミ〜」
内容を確認したイナは、どこか不満げな表情で呟く。
「こんな........ こんなので二時間も待てって〜」
少し悩んだイナは仕方なく〜壁に掛かったタオルを一枚首にかけ、シャワー室へ入った。
どれだけの時間が流れたか、頭にタオルを巻いたイナがシャワー室から出てくる。
そして真っ直ぐ冷蔵庫へ歩いていき、チョコ牛乳を一本取り出してごくごく飲む。
「くあ〜〜〜最高だ。」
ベッドへ向かって歩くイナ、時計を見る。
「うえーいぐ〜 たった50分しか経ってないじゃん〜〜〜やば。」
イナは壁にタオルを掛けて。髪も乾かさないまま台所へ向かう。
そして「トントン トントン」..とても騒がしい。何か作っているようだ。
イナは大きな皿に麺料理をどっさり盛って、ノートパソコンの前へ戻ってきた。
そして映画を一本流し、麺料理を食べ始める。
「あお!ほんと美味いな〜」(イナは料理が上手い。)
「マミ〜」
メッセージが来た。イナは急いで分析完了した音声ファイルを用意し、再びヘッドホンを頭に押し当てる。
そして聴く前に麺を大きく一口、口に含んでもぐもぐしながらファイルを実行する。
「チチチ… … お願い…」
「繋いでくれ… チチチ……」
「鱗…」
「… ニア……」
「イ… ナ…」
もぐもぐしていた口が止まった。
イトの絶叫がイナの胸を深くえぐる。
イナは目を閉じ、拳をぎゅっと握ったまま震える心を落ち着かせる。
決意の宿ったような眼差し。イナはゆっくりヘッドホンを外し、ペンを取って何かを書き始める。
そして、席を立つ。
両手で口を覆い、額へ、そして髪の後ろへゆっくりとかき上げる。
指先はうなじを通り、顎の下で止まる。
イナは天井を見上げる。
「…鱗?」
...




