MORITARIN 29
...
Episode -8 A
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パピが帰った後、子どもたちは疲れ切っているように見える。
「いや〜 本当に拗ね国の大魔王だな」 ダビが舌を巻いた。
子どもたちは、ほどなくしてパピのことを忘れてしまった。
ダビは自分が買った剣と盾が気に入ったのか、何度もいじっている。
鞘は小さかったが、剣を抜いた瞬間に望む大きさへ大きくなった。盾も手首に装着した時、大きさが自由に変わった。
そしてキャンディ10個を追加で使い、力の書をもう一つ買った。だがなぜか、みんなには秘密にすることにした。
エリは戦闘型砲撃スーツを買うのにキャンディ30個を全部使い切ってしまった。
キャンディが足りず、今すぐには様々な機能を追加で搭載できないのがとても残念だったが、
これから望む機能を追加できるという期待と、自分だけの戦闘スーツを手に入れたという事実がとても嬉しい。
スーツには様々なオプションがあり、エリは取扱説明書を見ながら使い方を研究して、時間が経つのも忘れていた。
レオは「超人強化」という力の書を買った。
いつもスーパーヒーローを夢見ていたレオは、この力の書を見た瞬間、全身が凍りつくような震えを感じた。
この能力はレオも驚くほど、速度と力を爆発的に引き上げてくれる。
同時に疲れた体力と小さな傷を素早く回復させてくれる、と書かれている。
ただし最大使用時間は7分、そして再使用のためには7分待たなければならないという制約がある。
もちろん使用中はチャージされない。だが時間を秒単位に分けて使うことも可能だ。
この点がレオにはむしろ、より大きな意味として感じられた。
もちろんこの能力も、今後さまざまなオプションを追加できる。
パイは自分の周囲(半径約3m)で疲れたり傷ついた者を持続的に回復させる、
力の書をキャンディ3個で買った。
実はこれよりもっと気に入った力の書を見つけたが、キャンディがかなり足りなかった。
パイはキャンディをたくさん集めようと決意する。
小さな兵士を選んだエティ。だがそれは、気に入ったからではなかった。
数時間前、エティは自分を守ってくれる格好いい騎士様を見つけ、迷いなく購入の意思を示した。
だが—
その想像もしなかった値札は、エティが口から泡を吹きそうになるほどだった。
しかも説明欄には「小さな兵士を購入した後でなければ騎士様を購入できない」という一文が書かれていて。
エティは挫折し絶望した。今や希望さえ消えた。
小さな兵士はキャンディ30個、泣く泣く買わなければならない。
そして心から気に入ったその騎士様は、これから本当に買えるのかどうかすら分からない。
だからエティは今の購入方式も、自分が置かれたこの状況もひどく気に入らない。
そのせいで—買いはしたが、小さな兵士の説明欄はわざと読まなかった。
そしてヨナは悩んだ末、考えが深くなって何も買わないと決めた。
このすべての状況に続いて、何より重要な問題が発生した。それは
子どもたちの注目を集める強烈なそれ! そう、ロギのほうきだ。
子どもたちは密かにほうきが羨ましくなり始めた。エティがロギへ不満そうな顔で近づく。
エティ: お姉ちゃん、あれ一回だけ乗ってみたい。
ロギ: あ?… うん、乗ってみて〜 (笑)
エティ: ありがとう! (口角が耳にかかる。)
エティはロギのほうきにまたがる。そしてロギに尋ねる。
「どうやるの?」 (つんとした感じ)
ロギがほうきに言う。
「タキオン、エティの望む通りにしてあげて。」
その瞬間、エティが乗ったほうきタキオンが揺れる。
エティは高揚した顔でほうきを呼ぶ。
「タキオン、飛んでみて。」
続いてエティが乗ったほうきがゆっくりと、周囲の巨大な木々よりもさらに高く浮かび上がる。
その時だった。突然エティの悲鳴が聞こえる。
「きゃああああっ! お姉ちゃん〜〜」 みんながエティを見る。エティは怯え切っている。
ロギはエティが高く上がり過ぎて怖がって叫んでいるのだと思った。
それでタキオンを呼んで降りさせようとした。
だが理由はそれではなかった。エティは遠くの何かを見て怯えていたのだ。
「エティ、降りて!」 ロギが呼ぶとエティが叫んだ。
「怪物だ! 怪物!」
それと同時にエティは素早くロギのそばへ降りてきた。子どもたちは一斉に、エティが見ていた方向を見る。
たくさんの森の動物たちが素早く走って来るが、その後ろで巨大な怪物が動物たちを追っていた。
パイ: レオ! 動物たちが危ない! (レオを見る。)
レオ: 分かった! 「超人強化!」 (瞬間、レオの体が光る。)
かなり遠い距離だったが、レオの速度はとんでもなかった。
それに負けじとダビがロギのほうきに乗りながら言った。
ダビ: ロギ、ちょっと借りるよ〜 タキオン!
ダビ: 飛べ!
ロギ: うん! 行ってきて!
続いてエリは自分の戦闘スーツを使って、ゆっくり空中へ浮かび上がる。
エリのスーツは遅いが飛行できた。
飛行中、エリがスーツの通常モードを砲撃モードに切り替える。
するとエリの頭に遠距離を観測できる望遠装置が被せられた。
エリ: お〜 とんでもない怪物だ!
パイ: 見える? 何あれ〜
エリ: 分からない! ただの巨大な虫みたいだ。
ロギ: 虫が巨大に?
エティ: こわすぎる!
エリの「虫」という言葉に、イトは一瞬ぴたりと止まる。
「…………虫?」
エリはレオとダビが「怪物の虫」に到着する前に動物たちを守るため、正確に「怪物の虫」の頭を狙って
エネルギー砲を連続で三回使う。
「ドゥン〜〜 ドゥンドゥン」
エネルギー砲の音にイトは仰天して叫ぶ。
「やめろ! 中止! 射撃中止!」 それにエリが驚く。
エリ: イト、どうしたの?
イト: やめろ! 撃っちゃだめだ!
エリ: なんで?
イトは飛んでいくエネルギー弾を見ながら、じたばたする。
ひどく不安がるイトを見てパイとロギは首をかしげる。
「イト、どうしたの?」 ロギの問いにイトは何も答えない。
イトは極度の不安に包まれている。
不安そうに見守る中、予想外のことが起きた。
遠くへ飛んでいったエネルギー弾が、ダビとレオによって消滅させられたのだ。
エリ: え? あいつらなんでああなるんだ?
パイ: エリ、何が起きたの?
エリ: ダビとレオがエネルギー弾を体で止めた。
パイ: え? どういうこと?
イト: …バラクだ…
ロギ: バラク?
イトは何も答えずレオとダビの方へ向かう。
つられて子どもたちもイトの後を追うが、反対側からはダビとレオがほうきに乗って動物たちと一緒に戻ってくる。
エティ: どういうこと?
パイ: だよね、何なのこれ?
ほうきに乗って素早く戻ったダビが言う。
「怪物たちが子どもの動物を抱えてる… どういうことだ?」
ほうきからぽんと飛び降りるレオ。
「怪物じゃないのかも。」
「近づいたら〜 動物たちを覆って守ろうとしてたんだ?!」
ダビも頷きながら「そう。動物たちの方がむしろ怪物のそばに隠れた」
続いてパイがイトを見て尋ねる。
「バラクって合ってる? バラクって何?」
イトが頷いて答える。
「バラクは怪物じゃない… それなりに自然の守護者たちだ」
「川筋を分けて池を作ったりもするし、森を管理して動物を守る。」
「草のない場所に森を作っていく、とんでもない奴らだ」
イトは近づいてくる動物たちとバラクへ向かって歩く。
走ってきたバラクが子どもたちを目にすると一瞬止まり、様子をうかがう。
そして子どもたちからそろそろと距離を取って逃げようとするような動きを見せる。
動物たちもバラクにぴったりくっつき、一緒に用心深くついて動く。
バラクへ向かってイトが叫ぶ。
「お前たち、ここで何してるんだ?」 するとバラクの中で一番大きい奴がイトに気づき、警戒する。
「ウグ〜 ウグ ウグ〜」
その瞬間イトは目を丸くして。「お前か! 『ウグ』だな! こいつらみんな同じ見た目で分からなかった」
イトがウグへずかずか近づくと、むしろ動物たちがウグを覆って守ろうとする。
そんなことはお構いなしに、指でバラクを指して言う。
「お前、モンドはどこへ行った? ここで何してるんだ?」
…「ウグ〜 ウグ!」
イトはため息をついて。「はぁ〜 お前に言っても無駄か… くそっ、何言ってるのか……」
ここでパイがウグに近づく。そしてウグの言葉を通訳してくれるパイ〜
「こんなことしてる場合じゃないんだって〜 お願いだから私たちを行かせてって言ってるよ?」
ヨナが驚いて尋ねる。
「さすがパイ! ……えっ? どうして虫とも会話できるの?」
その時だった。森のどこかで悲鳴が聞こえる。
だが正確な位置は掴めない。茂みを掻き分け、ウグより小さいバラクたちが必死に走ってくる。
彼らも胸に小さな動物たちを抱えている。何かから逃げているように見える。
ウグ: …ウグ!
パイ: 危ない? 何が?
走ってきたバラクのうち、遅れていた個体が途中で倒れ始める。ひどい負傷を負っているようだ。
彼らは倒れて動けない状況でも、抱えていた動物たちを押しやる… 逃げてほしいのだ。
その倒れたバラクを踏みつけて、何かが飛び出してくる。
まさに怪物、それらは巨大な爪で先頭を走っていたバラクたちの背を狙う。だがバラクは
小さな動物たちを抱いているせいで、避けることもできず、そのまま身を縮めて悲鳴を上げる。
いつの間にか飛んできたダビがほうきから飛び降り、怪物の恐ろしい爪を受け止める。
それと同時にレオの強烈な拳が怪物の顎を砕く。
レオに吹き飛ばされた怪物は、後ろから来た別の怪物と一緒に転げ回るが、いつの間にか怪物の数は増えていっていた。
怪物たちもレオの怪力を見て、軽々しく近づけず、ダビとレオを睨みつける。
ダビ: レオ〜 強化すごいな! 怪物が一発で倒れたぞ?
レオ: 焦ってて『強化』を使うの忘れてた……。
ダビ: え?
「ドゥン〜 ドゥン〜 ドゥンドゥンドゥンドゥン〜」 ダビの背後から聞こえるエリの砲撃音!
その瞬間、怪物たちが粉々になると、その中から光るキャンディの形が現れる。
そしてまっすぐエリの方へ飛んでいき、かすかに消える。
遠くからエリの歓声が聞こえる。
エリ: 「よっしゃ!〜〜 キャンディだ〜〜」
ダビ: 「キャンディだ!」 (レオを見る。)
レオ: 「………あっ!」 (ダビを見る。)
ダビとレオはあまりにも勇ましく怪物たちへ突っ込んで叫ぶ。
「キャンディ、キャンディ、俺のだ〜」
その瞬間、ロギの呼ぶ声に応える… 「タキオン〜」
ロギがほうきに乗って怪物たちへ矢のように突っ込む。
同時に凄まじい速度で杖を振り回し、『ファイア・ピストル』を乱射する。
キャンディが継続的にロギとエリへ向かっていく。
怯えた怪物たちは必死に逃げようとするが、エリのエネルギー弾が怪物たちを砕く。
レオとダビは… エリの超効率な遠距離攻撃とロギの凄まじい移動速度の前で、何もできず呆然と立っている。
ダビ: レオ…… お前、速く移動できるだろ?
レオ: あ! そうだ、忘れてた……。
しばらくして、エリのエネルギー弾を避けて逃げた怪物たちをロギが簡単に片付け、堂々と戻ってきた。
「うわ! 怪物を倒すとキャンディが手に入るんだね〜」 ロギは興奮している。
エリも気分が高い。「ロギ〜 すごく速いな〜 さすが高いのは違う〜」
ダビとレオはしょんぼりして戻ってくる。
「キャンディ一つも取れなかった〜〜」
それを遠くで見ていたヨナは、何だか複雑な気持ちだ。
「僕も店で…… 何か一つでも買っておけば……」
エティが近づいてヨナを慰める。
「お兄ちゃん、次に買えばいいよ〜」
パイは何も言わず、負傷したバラクたちのところへ駆け寄る。
動く力もなかったバラクたちがパイが近づくと〜 呼吸が安定していく。
切ない気持ちでパイはバラクの傷に手を当ててみる。だが特に何も起きなかった。
ただゆっくり、傷と体力が回復していく途中だ。
パイは店で買うのをためらって、持ち上げては置くのを繰り返していたものがあった。
今この瞬間、それがあまりにも惜しくて切実だ。
そんな中、一匹のバラクが子どもたちの活躍を目撃して、口をぽかんと開けたまま立ち尽くしている。
彼はバラクの群れのリーダーだ。
驚いた彼がぼうっと子どもたちを見つめていると、静かに近づいたイトが後ろから彼をつんつん突く。
イト: おい〜 モンド!
モンド: ??………ぐっ! 赤い鶏〜 (素早くぺたんと伏せる。)
イト: …ここで何してるんだ?
<驚いたパイが急いで駆けてくる…>
パイ: イト! 弱い動物たちをいじめちゃだめ!
イト: 何? ……弱いって、バラクは……
パイ: …え?…… なんで途中で止めるの?……
その瞬間イトは、バラクたちが恐れていたあの頃の自分を思い出して… 言葉を失った。
イト: いや〜 その… バラクがなんで動物なんだよ… 虫だろ〜
パイ: 私と会話ができるなら〜 動物みたいだけど?
イト: どうしてあれが動物なんだ。見た目からして…… 昆虫っぽいだろ?
パイは動物なのか虫なのかで悩み、本来イトを探しに来た目的を忘れてしまう。
「起きろ、モンド。」
イトはモンドに近づき、いったい何が起きているのか尋ねようとした。
だがそれより先に、モンドがイトへ近づいた。
「本当にお久しぶりですね、イト様……。」
イトは目を細め、むっとした表情をした。
「そうか…… 数ヶ月ぶりではあるが。ここはどこだ?」
するとモンドは両手を振りながら激しく首を横に振った。
「違います! セラノア時間では約27年ぶりです、イト様〜 お元気でしたか〜?」
イトは少し驚いたが、そこまで動揺はしなかった。
ポルンから時間の差が生じるという話を、だいたい聞いたことがあったからだ。
モンドとの会話が続くほど、イトの表情は暗くなっていった。
自分がセラノアを離れている間に『アェリクス』という新興勢力が現れ、
バラクが彼らと長い戦争の最中だという衝撃的な話を聞いたからだ。
イトは顎に手を当て、深い悩みに沈んだ。
「アェリクス? ……初めて聞くな。」
モンドは今アェリクスに占領された惑星を回り、動物たちを安全な場所へ移住させる仕事を任されていた。
彼は今日もまた任務の途中で、アェリクスの追撃隊『ポーカー』に見つかって命を落としかけたと言い、
イトと子どもたちに何度も頭を下げて感謝を述べる。
「本当にありがとうございます。死んだと思いました。」 それにパイが近づき、モンドの手をぎゅっと握って言う。
「怖かったでしょう〜 けがはしてない?」 パイの温かさにモンドは明るい表情で感謝する。
「へへっ〜」
その時ロギも近づいて言った。
「イトにとってバラクは森と動物を守る自然の守護者だって聞いたよ〜」 ロギの言葉にモンドははっとする。
パイがさらに言葉を添える。
「さっきも〜 みんながけがしないかってイトがすごく〜 心配してたんですよ。」
モンドが驚いてイトを見る中、ロギの最後の一言がモンドの心を崩した。
「すごく仲が良かったみたいですね〜」
モンドはバラクがイトにしたひどい行いを思い出し、口を開けずに頭を下げる。
一方イトは、バラクが自分を極度に恐れていた過去を思い出して背を向ける。
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