表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
27/38

MORITARIN 27

...

Episode -7 B

♢ ♢ ♢ ♢ ♢


窓の隙間から差し込む暖かな日差しが眩しい朝だ。


日差しが一人の子どもの顔の上に降り注いでいるのに、子どもはさっぱり目を覚ます気配がない。


窓枠にしばらく座ってさえずっていた小鳥たちさえ待ちくたびれて飛んでいってしまった時間、


部屋の外からは弟エティの騒がしい音だけが聞こえてきた。


部屋の床には様々な本とおもちゃの電子機器、何かを直そうとしていた道具が好き勝手に散らばっている。


そうだ。ここはまだ世に知られていない宝石であり、生のままの光を宿した原石。


明晰な頭脳を持つ子ども、エリの部屋だ。


まだ深い眠りに落ちているエリのもとへ、妹エティが慌てて駆け込み、兄の体を乱暴に揺さぶった。


「お兄ちゃん、早く起きて! 朝だってば!」


用件だけ済ませたエティは返事も聞かず、またリビングへと急いで走っていった。


目をこすりながらようやく体を起こしたエリ。


半分寝ぼけていた彼は何かが閃いたように突然目を丸くすると、素早く動き始めた。


「ううう! ぞくぞく、ぞくぞく! ついに今日だ!」


エリは急いで顔を洗い歯を磨いた後、クローゼットから服を取り出した。


ごそごそ服を着ながらエティを呼んでみたが、何の気配もない。


エティはもう先に勉強部屋へ向かったようだ。


だがエリは寂しくも、悔しくもなかった。


兄妹なんて元々そんなものだから。


叔父さんが家にいない様子を見ると、もう出勤したようだ。


今エリとエティは事情があって叔父さんの家で暮らしている。


リビングの食卓の上には、特に子どもが食べられそうな食べ物は置かれていない。


ここでは子どもたちが勉強部屋へ行って朝食を食べるのが、あまりにも自然な日常だからだ。


エリはかばんを背負い髪を梳かしてから、急いで家を出た。


道を歩いて出会う村の大人たちには欠かさず丁寧に挨拶する。


狭い路地を抜けて見通しの良い大通りへ出たエリは、


村を歩き回る犬たちにも優しく手を振ってやった。


そしてエリが着いたここは勉強部屋!ではなく、ヨナの家の前だ〜。


ちょうどドアが開いてヨナが出てくる。


「おばあちゃん、行ってきます。」


続いてヨナのおばあちゃんの声も聞こえる。 「ヨナや、気をつけて行っておいで。」


ヨナはドアを閉め、まっすぐ勉強部屋へ向かった。遠くからエリの声が聞こえる。


エリ: よ!


ヨナ: あ、チーズバーガー。 (チーズバーガーはエリのID)


ヨナに近づいたエリはあまりにも自然に、ヨナのかばんを代わりに持ってやる。


ヨナ: ありがとう。


エリ: よ!… 今日だ。


ヨナ: くくく。うん!


エリ: パイの話が… あの日で終わるなんて。


ヨナ: そう! うまく終わったよね。


エリ: 長編なのに、なんであの日で終わったんだ?


ヨナ: 単なる探検だったからそうなった気がする。目標を決めてなかったから?


エリ: うーん… もしかしてパイは機嫌悪いかも?


ヨナ: 違うよ。私に話を直そうって言った。今は続けたくないんだって。


エリ: なんで?


ヨナ: うん。君たちが別で遊んだから。


エリ: ぐっ… 悪かったな…


ヨナ: パイも悪いって言ってた。自分だけのための話を作ったのが恥ずかしいって。


エリ: えっ… 俺もだけど…


ヨナ: くくく。


勉強部屋の先生は忙しそうに朝食を準備中だ。


今勉強部屋にはエティ、ロギ、パイ、レオがすでに着いて朝ごはんの準備をしている。


やがてドアが開き、ヨナとエリが到着する。


「先生、おはようございます。」 先生は子どもたちを嬉しそうに迎えてくれる。


「よく来たね、ごはん食べよう。」


しばらくして食卓にこぢんまり集まった子どもたちの手が忙しく動き、皿の上をさらっていく…


ヨナが言う。「先生、おいしいです。」


「先生、もっとください。」 レオはまだ始まったばかりのようだ。


朝食が終わると、子どもたちはそれぞれ食べた場所を片付け、勉強部屋まできれいに整えておく。


それでようやく先生は少し息をつける。 そして掃除が始まった頃、ダビが到着する。


ダビは普通、特別なことがない限り家で朝食を済ませてから勉強部屋へ向かう。いつもそうしてきた。


到着したダビはまず掃除を手伝い、片付けが終わると先生と授業が始まる。


これがドトリ村の勉強部屋の毎朝の風景だ。


かなり時間が経って授業が終わり、子どもたちが一人また一人と先生に挨拶して勉強部屋を出ていく。


最後にエリが靴を履きながら先生に言った。


「先生、今日は僕の話が始まる日です。」


先生はエリの鼻をつんと突いて笑う。


「そうだったのね! だから今日エリは機嫌が良かったんだね!」


「はい! すごく楽しみです。」


先生は微笑みながら言う。「お話の冒険、楽しんでおいで」


手を振りながら遠ざかる子どもたちを見つめ、先生は静かに囁いた。


「本当に不思議な子たちだわ。」


今日は特別にダビの部屋に集まることにした。


エリが自分の話をそこで始めたいと望んだからだ。


しばらくして—


ドアが開き、子どもたちが一人また一人と集まっているここはダビの部屋だ。


片隅にはダビが敷いて掛けて寝る布団がきちんと畳まれており、窓辺には正体不明の巨大な機械が鎮座している。


それはダビのハッチ(おじいちゃん)が贈ってくれたプレゼントだ。


外側には『天体望遠鏡』という文字が刻まれているが、どう見てもそれは天体望遠鏡ではない。


子どもたちは数日間その機械に興味を示したが、すぐに関心を失った。


時間が過ぎ、子どもたちが全員揃った。


今日はエリの『宇宙艦長(Starship Captain)』の物語の始まりだ。


エリは期待で胸がいっぱいで、すっかり浮かれている。


子どもたちはそんなエリの意外な姿が面白くも不思議だ。


「みんな、期待して! とんでもない冒険が僕らを待ってるぞ!」 エリが叫ぶ。


ヨナもつられてテンションが上がっている。


「そうだよ、すごくドキドキする!」


エリとヨナのはしゃいだ様子に、友だちも一人また一人と気分が盛り上がり始める。


「早く、早く!」 エティがせがんで急かす。


するとダビが静かに言った。


「じゃあ、始める。」


子どもたちは手を一つに重ね合わせて叫ぶ。


「ドリ トリ トリス!」


その瞬間、ダビの部屋が暗くなり、やがてゆっくり明るくなり始める。


「行くぞ! 宇宙艦長!」


エリが叫ぶ。声に力がこもっている。


そして…


子どもたちはいつの間にか、左右に木立がびっしり茂った広い森道の上に立っている。


エリ: 「宇宙艦…?」


ヨナ: 「はぁ… 艦… 長…」 (動揺したように言葉が続かない)


やがてどこからかイトが歩いてくる。 「やあ。」


エリ: イト、これ… いったいどういうことだ? 宇宙艦長は?


ヨナ: うーん… まさか! パイの話が続くの?


パイ: えっ? なんで? 嫌なんだけど?


きょとんとしている子どもたちのところへ近づいてきたイトには、みんなに伝えるべきお知らせがある。


エリ: お知らせだって?


イト: いくつかルールが追加された。説明を聞いて少し教育する時間を取る。心配するな、すぐ終わるから。


ヨナ: あ…


イト: これからお前たちはお話遊びで状況に応じて報酬金を得ることになるが、


その報酬金で欲しいものを買えるようになった。


ロギ: お金をくれるの?


イト: お金じゃなくて、通貨単位は『キャンディ』だ。実際に食べるキャンディじゃない。キャンディを貯めて欲しいものを買えるようになる。


ダビ: 購入はイトにするの?


イト: 違う〜 お話が始まる前にだけ一度、店が開く!


イト: そこで買えるが、冒険中に特定の地域では店を開ける機会を得られることもある。


エティ: なんで急に? …意図は何? (疑いの眼差し)


イト: 意図? うーん… お前たちの安全のためでもあるし、あとズル防止?


エティ: ズル防止? 私たちがいつズルしたっていうの!


イト: もう俺にむやみに装備を要求できないぞ! 各自キャンディで買って使うんだ。


ヨナ: 物語で与えられる力は?


イト: それはそのまま維持される。でもその力も必要なら購入できるし、望むならもっと強くもできる。


レオ: うーん… 見てみないと分からない。今は分からないな。


イト: ちなみに、キャンディを生成する力や店を開く力を物語に入れることはできない。


ダビ: ひぃっ!


エリ: ひぃっ!


イトが大きく腕を上げて円を描くと、光る扉が開き、妙な店が現れる。


色とりどりだ。まるで移動式屋台のように見える。


そこには巨大な剣と盾も見え、銃や弓も見える。


それに〜 釣り竿と水筒、コマ… などがこの店をちょっとした文房具屋みたいにも見せている。


そしてその小さな店の中には、謎の店主が子どもたちを待っていた。


「えっ! あなた誰?」 ダビは謎の店主を指差して叫んだ。


「あなたとは! 私は黒いカラスのパピと申します。」 (微笑む) とても余裕がありそうだ。


子どもたちはパピを少し警戒したかと思うと、店先に並ぶ商品を眺めるのに夢中だ。


自己紹介を一生懸命準備していたパピは予想外のこの状況に少し戸惑う。


黙って座っていたパピがそっとイトを見る。


だがイトは草の上に寝転んで背を向けたまま深い考えに沈んでいる。パピに関心を向けない。


しばらくして、店を見て回っていたレオとエティは黙ってイトのそばへ来て、ぴったり座り込む。


イト: え? もう見終わったのか? もっと見ればいいのに。


レオ: 俺は後でエリに聞こうと思って。


エティ: 私もゆっくり考えてみて。

https://www.alphapolis.co.jp/manga/101733435/627037849

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ