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MORITARIN 22

...

Episode -6 A

♦ ♦ ♢ ♦ ♦


ベッドの上の赤い髪の少女は、もはや完全に理性を失っていた。


少女は抱えていた枕を投げ捨てると、まっすぐドレッサーへと移動する。


そして正体不明の装置を頭に押し当てながら命令する。


「MB! 空間接続!」


するとヘルメットから音声が聞こえる。


MB: 「空間接続は使用できません〜」


MB: 「空間接続は相手の同意がある場合にのみ使用可能です。」


怒った少女は憤怒して叫ぶ。


少女: 「繋げって言ったら繋げて〜 あんた誰が作ったのよ!」


MB: 「私は天才科学者イナ様が直々に製作されました。」


少女: 「じゃあ言われた通りにして〜 早く繋げて!」


MB : 「はい、それでは直ちに空間を接続します。」


ニアの周囲に青い光が放たれ、静電気が四方へ弾け飛ぶ。


ニアが製作した空間接続装置は、実際に空間を接続する装置ではない。


それぞれMBマシンを装着した使用者同士で『空間接続』を要求すると、使用者の周囲を仮想的に形成し


互いが一つの空間の中にいるかのように感じさせる装置である。


[『空間接続』は接続を要求した使用者の空間へ優先的に接続される。]


♦ ♦ ♦ ♦ ♦


動揺して落ち着かないイトの周囲にMB装置が発動し、強制的に空間を複製する。


イトを閉じ込めるかのように、彼の周囲を覆う小さな球体が形成されていく。


その球体の内部は、ゆっくりとイナの部屋の姿を形作り始めた。


MBの空間接続の驚くべき点は、使用者が仮想ではなく実際の別の空間にいるかのように感じられるよう


温もり、香り、物体の触感までも表現する機能を備えているということだ。


もちろん、それに必要な装備を装着した者に限られるが。


しばらくしてイトは、イナの部屋の一角の〜 本棚の前に立っていた。


あまりの驚きに緊張が解けると、少しずつ動けるようになった。


本棚の前には、イナが大切にしていた巨大な枕が転がっている。


「おっ これは? …なぜここにあるんだ?」


かつてイナが使っていた部屋の姿が、驚くほど完璧に再現されている。


「この温もり… 香り… まさかまさか…」 イトは本棚の人形の中から丸くて平たい人形を手に取る。


そしてその人形を胸に抱きしめる。


イトはまだ呆然としている。ただ驚くばかりだ。


「ニアの部屋… ニアの部屋だ どうしてこんなことが! ニア…」


[ニアはイナの愛称であり、イトだけがその愛称を使う]


呟くイトの背後から、彼を恐れながら見つめる誰かの視線…


「機械のエラーなのか? ……エラーでもすごくありがたい、本当に… 本当にありがとう…」


♦ ♦ ♢ ♦ ♦


イナは空間を接続し、相手の位置を確認しようとしていた。


しかし焦るあまり、自分の位置に空間を形成してしまうという拙いミスを犯してしまった。


しかもイナの部屋の中に現れた空間接続の対象者は、イナが知る彼ではなかった。


「だ… 誰ですか! 誰なの!」


イナの声に、その得体の知れない存在がゆっくりと振り向き始める。


振り向いていた疑問の存在は一瞬のうちに、叫び声を上げながらイナへ駆け寄る。


「ニ〜ア!!!」


慌てたイナは悲鳴を上げながらドレッサーの上に置かれていた、空間接続用の手袋を残りも装着する。


[手袋装着は相手との物理的接触を可能にする。]


そして聞こえてくるイナの悲鳴


「きゃああああ〜!」


♦ ♦ ♦ ♦ ♦


イナの部屋へ接続された赤い鶏、その背後から過去のニアの声が聞こえてくる。


それにイトは驚きと懐かしさが入り混じった息で振り向く。


ニアだ! 目の前にニアが生きて息づいている。


今や驚きよりも大きな、あまりにも恋しかった切実な想いが、彼を彼女の元へ走らせる。


「ニ〜ア!!!」


それに悲鳴を上げて仰天する少女!


しばらくして


赤い髪の少女にあっという間に制圧されてしまう。


そのか弱い少女の右腕にぶら下がる赤い鶏!


それでもなお手を伸ばしながら叫ぶ。いくらもがいても少女の手から抜け出せない。


「ニア! ニア! ニア!」


♦ ♦ ♢ ♦ ♦


「ニア? ニアはバカなイトが私を呼ぶ時に使うあだ名なのに!」


「何よ! あんた誰なの?!」


イナはこの小さな存在を知らない。誰だろう? なぜ私を『ニア』と呼ぶのだろう?


『ニア』はイトが最初イナの名前を間違えて覚えた後、いつもイナを呼んでいたあだ名、あるいは愛称だ。


イト以外でイナを『ニア』と呼ぶ者はただ一人もいなかった。


「ニア! ニア〜!」


イナは涙ぐみながら、ひたすら『ニア』だけを繰り返すこの小さな存在が、不思議と見知らぬ感じがしない。


今の驚いた気持ちが収まらないのはイナも同じだ。


そんな理由で、この小さな生命体を落ち着かせることができず困っている。


しばらくして、イナはできるだけ呼吸を整えて尋ねた。


「あなた誰? どうしてここにいるの? どうして私を『ニア』って呼ぶの?」 質問がめちゃくちゃだ。とても落ち着けない。


ぶら下がっていた小さな生命体が泣き始める。


イナはその涙に突然胸が締めつけられ、喉が詰まる。あの得体の知れない感情は…


正体不明の小さな生命体を引き寄せて抱きしめさせた。


「何だろう? どうして私が悲しいの…?」


「あなたは誰? 私はあなたを初めて見るのに…」


イナはそれをぎゅっと抱きしめた。


「どうして… 私、あなたを知ってる…?」


「私があなたを知ってる。あなたは…」


-6 A END

...

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