太刀の斬れ味
Gift 3 「太刀の斬れ味」
『じゃあ後は頼んだぜ!』
え……、
怪物みたいな奴にそう言われると、僕の意識は現実に戻ってきた。
ゆっくり瞼を開けてみると、そこには興味津々に覗き込むあの男の姿があった。
やっぱり怖い…
「あっ!やっと目を開けたねぇ!」
犯罪者が意気揚々にそう言うと、銃口をこちらに向ける。
「さぁ、君ならどうするぅ?」
「うぅ、やっぱり僕には……」
僕が震えた声でそう答えると、男はがっかりしたような目で弾丸を放った。
『希望を捨てるな!』
なぜかこの言葉が僕の脳裏に浮かび上がってくる。
「もう変えられない!」
「太刀!」
僕がその言葉を口から放つと、瞬時に僕の手に『あの怪物』が作ってくれた太刀が召喚された。
実際に持ってみると意外と重い。
例えるなら、2リットルのペットボトルを持っているようなものだ。
そうこうしている内に、放たれた弾丸は僕のすぐ近くまで来る。
僕は咄嗟に刀を弾丸に向けて振ってしまった。
すると、
スッと弾丸を真っ二つにしてしまった。
斬った感覚が無かった。
「君面白いねぇ!」
犯罪者はものすごい笑みを浮かべていた。
「こんな奴初めてだよぉ!」
「あなたは一体、今まで何人殺して来たんですか!」
僕がそう言うと、彼は少し考えるようなそぶりをしてからこう言った。
「うーん、」
「わっかんない!」
「でも多分50人以上は殺してるかな!」
「なんでそんなに人殺しをするんですか!」
「ひ ま つ ぶ し ♡」
犯罪者はニコニコしながら確かにそう言った。
「僕はそういう奴が1番嫌いなんですよ。」
さっきまで僕の中にあった『怖い』という感情よりも、暇つぶしで殺人をしているあの犯罪者への『怒り』が勝っていた。
その勢いで僕は斬りかかる。
犯罪者はナイフで軽く止めた。
そう見えたのも束の間、
僕の太刀はナイフの刃を貫いていた。
「なぜだぁ!なぜ俺はお前の心の中は読めないんだぁ!」
「それは僕にも分からない…」
「でも、僕にとってはそれだけ好都合ってことだ!」
僕は犯罪者の持っている拳銃を斬ろうとする。
バンッ、
どこからともなく銃声が聞こえる。
そして、その音のすぐ後にゴンッと鈍い音が聞こえる。
犯罪者が僕のすぐ近くを歩いていた人を殺したあの時と全く同じ音がした。
僕は急いで犯罪者の方を向くと、
次の瞬間、犯罪者が倒れた。
さっきの銃声は僕の後ろから聞こえた。
後ろを振り返ると、謎の男がそこには居た。




