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オジサン?は異世界で、思うが儘に生きて行く!  作者: ベルベットなあきのり


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76話目 トーア店長

リールの前で話しかけてきたのは、トーア雑貨店の店長、トーアさんその人だった。なんであんなに大きなリールを仕入れたのか聞いてみた所、小型のリールは5倍くらいの値段が付いていたんだって。

え?この大きなリールが大銀貨1枚と銀貨2枚の値札付いてたよね?まぁ店の利益を考えると安く見積もって仕入れは銀貨8〜9枚。小型はその5倍?誰が買うの?貴族?


「ありがとう御座います。これで何とか販売出来るかと思います。いやー釣りの事舐めてましたよ。まさかこんなにも奥が深いとは…」


「幾つ仕入れたんですか?」


「…そのぉ……工房の人がべた褒めするもので…50台ほど。」


マジかよ…これは…なんか申し訳無くなってきたな。


「この近くに大物が潜んでいる川や広い湖ってあります?」


「東に行けば川、西に行けば湖が有ります。ただ…どちらも距離が有りますし、西の湖は迷いの森がすぐ近くに有るので人は寄り付きませんが…」


ダメじゃん!

「皆さんは普段どのくらいのサイズの魚を狙っているのでしょうか?」


「お客様に聞いた話しだと、1番大きいかったのがこれくらいと…」

トーア店長は両手を肩幅よりやや広げて大きさを示すが、俺は知っている。実際はそれより一回り小さかったはずだ。

と考えると、ターゲットは大きくても50〜60センチほど。こんな20000番サイズのリール(マグロとかカジキ用)は必要ない。3000番(スズキやブラックバスがこの辺)で丁度良いだろう。


「ちなみに竿はどうしました?」


「え?えっと竿は既にお客様がお持ちですので…」


はぁ…これはダメだ。


あーもう!しょうがないなぁ!


「わかりました。私が実演販売をしましょう。トーアさんは明後日の昼、お客さんを集めておいて下さい。

あっ、このリールですが、このままだと恐らく売れません。作り直しますので暫くこのお部屋借りますね。」


「しかしそれだと値段が…それにリョータさんに支払う報酬も有りますし…」


「リールには専用の竿が必要になります。私はそれを販売しますので報酬は結構です。が、1つお願いを聞いて頂けたらと思います。」


「私で出来る事ならば…それでどのような事でしょうか?」


「ん〜すぐには思い浮かばないので、それは後ほど。安心して下さい。そんなに無茶なお願いはしませんよ。では、作業に取り掛かりますので。」


それからすぐにリールの分解に取り掛かる。俺の知識をそのままに作ってしまうと、この世界の技術ではあり得ない物が出来上がってしまう為、なるべく元のリール性能に近づけないとね。あれ?グリースが付いて無い。いや、この精度だと多少のガタは元々有るから仕方ないのか?


仕方ないか?これだと安っすい中華リールより酷いことになりそうだが…

それに実演する事を考えるとこれは無いな。ストレス無く使えるレベルまでは改良しよう。お客さんには俺カスタムの特別仕様とでも言っておけば良いや。

グリースが無いのが気になるなぁ。油と、後はその辺にある奴で出来る筈なんだよね。俺のリールにはグリース乗ってたし。


よし、やってみるか。

道具生成っと!


机の上のリールが光り、それが収まると3回りほど小さくなったリールが50台。

ただ…減った大きなリールは10台と少し?

あれ?

そっか、大きなリールを素材にしたから、かなり余ったな。

良いや、全部使っちゃえ。余ったら島の獣人達に配れば良いし。続いて竿は…ちょっと素材が足りないかな?


「トーアさん。ちょっと竿の素材が足りないので出てきますね。あと、釣り用の糸も、皆さんがいつも使ってるやつよりちょっと強い糸を用意しておいて下さい。なるべく長いやつを大量に!」


叫ぶように伝えると、人気の無い路地に入り込み転移魔法を発動!

対岸の森、炭焼き窯の側に転移して腕輪から素材を出していく。高価な素材は避けるが、何が最適かは分からないので、出汁に使おうと思っていたグラスバッファローやブラッディホーンブルの骨、ワイバーンは…流石に辞めておこう。その他にも竹や炭、木材、白くなったサンゴなんかも出して行く。ガイド用に鉄鉱石などの鉱物類も。

使えるルアーの重さで3パターン、長さで2パターンの6種類をそれぞれ40本の240本。流石にちょっとクラッと来たね。ちょっと海浸かって行こ。


リール200個、竿240本。余ったら皆で釣り大会でもやろうかな。

膝まで海に入り、遠くに見える島を観ながらそんな事を考える。


きっとハルはじっとしてられなくて釣れないだろうな。

コレットさんは真面目だから、釣りも上手く成りそうだけど…まぁ泳いで捕まえてきた方が早いか。



今回の旅が終わったら暫く島でのんびりしようかな。ミーシャにお願いした通信の魔導具が出来たら、ブレナンさんに渡しておけば何かあったら呼び出されるだろ。

きっと困った事にはならないはずだ。


本腰入れてお酒造りもしたいし、ビルさんの牧場から牛買ってきてウチでも牧場やっても良いし、温泉でのんびりするのも良さそうだな。



おっと、念の為竿とリールの使い心地でも確かめますか。流石道具生成。ちゃんと竿に適合ルアーウェイトと長さが書いてある。


リールはまぁ…こんなもんか。

竿は良いな。かなり感度も良いし、軽い。キャストの後の収束も思った通り。

これなら実演販売で恥を書くことも無さそうだな。

ちょっとキャストの練習もしておこう。





良し良し、今日も大漁!完全に日も落ちて夕マズメ終了。今日はこのぐらいにしておいてやろう。




しかし…釣り人のラスト1投ほど信用ならないもんは無いよな?

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