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オジサン?は異世界で、思うが儘に生きて行く!  作者: ベルベットなあきのり


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75話目 辺境の街ファーマス

昨日の冒険者ギルドでの話し合いの続きを、ギルドの資料室でシンシアとしている。

ここファーマスは辺境伯が治めており、兵は全体で8000程と他の貴族に比べるとかなり多め。この街に常駐しているのはその内の2000。

領主は武に傾倒しており、経済にはあまり明るくなく、街に3つ有る大きな商会からのアドバイスを重用しているとか。


3つの商会は

マーラ武具商会、トーア雑貨店、ベルリック百貨店。


マーラ武具商会はその名の通り、武器や防具、戦闘用の魔導具を扱っており、ファーマス辺境伯の信頼も1番厚い。

商会長はマルグリット。歳は50を過ぎた所で、経営方針は利益最優先。

最も妨害をしてきそうな商会で、ここのせいで獣人は武器の類を持つことが出来無くなっている。


トーア雑貨店は3つの商会の中で1番若く、店長は20代前半。経営方針は薄利多売。客のニーズに合わせて商品開発なども行なっており、話しの持っていき方次第ではこちらに引き込めるかも知れないとの事だ。


ベルリック百貨店はベルとリックの兄妹経営。2人とも30代で未婚。妹のリックがやり手で、リックの手掛ける女性向けの衣類、化粧品が人気。辺境伯夫人とも懇意にしているそうだ。その分兄のベルが妹に負けまいと色々とグレーな商売に手を出しがちだとか。


「ここらでダブつきがちの商品って何があるかな?」


「そうねぇ〜詳しくは分からないけど、鉱石は良く採れるみたいよ。でもあんまり質はよろしく無いみたい。後は何かしら?穀物もそうだけど、それはリョータが買うんでしょ?」


「うん。鉱石かぁ…たぶん銅とか錫だよね?この国だと鉄鉱石ってあんまり見ないし。ミスリルとかアダマントは出ないんでしょ?」


「出ないんじゃない?そんなのが採れたらここはきっと戦場になるもん。」


それもそうか…う〜ん何も思いつかないな。


「リョータの武器ってミスリルよね?それで剣でも作ったら?」


「それが1番簡単なんだけどね。ただ武器はなぁ…何に使われるか分からないし、出来れば避けたいなぁ。」


「使えないくらい大っきな剣とか?」


「いやいや、鋳潰されて終わりでしょ?あっ、でも使えない剣ってのは良いかもね!こーゆう事出来る冒険者って見たことあるかな?」


ミスリルの太刀に魔力を流して薄っすらと光らせる。


「何それ何それ?ミスリルの魔法剣?」


「ただ魔力を纏わせてるだけだよ。それでも鉄剣くらいならスッパリ切れるけどね。」


「えぇ~!?そんなの聞いたことも無いよ!」

シンシアは目を丸くしている。

この分なら真似される事は無いかな。それでも念の為、純ミスリルにはせずに少し他の鉱物も混ぜておくとしよう。


「リョータさん、ファーマス辺境伯とアポイント取れたぞ。明日の夜、辺境伯邸で晩餐だ。」

辺境伯へのプレゼントが決まったタイミングでタツミさんが資料室に入って来た。


「明日の夜ね。タツミさんも一緒?」


「ああ、オレも同席させて貰う。辺境伯も魔王様リョータ サワダの話しは聞いてるだろうし、変な事にはならないと思うが失礼の無いように気を付けてくれよ。」


「分かってるよ(スマン嘘だ)。とりあえず今日は商会を見に行こうか?マーラ武具商会以外の2カ所で良いかな?」


「マルグリットの所は良いのか?あそこが1番気になる所なんだが?」


「武器も防具も俺は必要無いからね。何しに来たんだ?って言われちゃうよ。」




2人と別れて先ずは厩に向かう。クラウンを島に帰しておこう。

その後はトーア雑貨店に。

一応大通りに面した大きな店だが、他の2店舗に比べると中心より少し離れた場所にある。

食料品や調理器具、前に王都で見かけた冒険者用の便利グッツやら、オリジナルブレンドのスパイス。

そして醤油発見!これは買いだな!

それにしても種類が多く、しかもどれも王都で見た物より割安だしお客さんの入りも良い。


しかし…これはいただけないな。

店内には釣具コーナーも有りリールも置かれていたのだが、マグロでも釣るのか?ってくらいデカい。これじゃ重くてすぐに疲れてしまうし、細かいコントロールをつけるのも難しいだろう。。


「いらっしゃいませ。そちらは最近王都の工房から発売された最新の釣具でリールと言う商品になります。これさえあれば今まで届かなかった所まで仕掛けを届かせる事が出来ます。お客様の釣りが全く新しいものに変わると、自信を持っておすすめ出来る商品ですよ。」


残念リールを見ていたら店員さんに激推しされた。


「こんな大きなリールで狙う魚は何ですか?それに重いですね。取り回しが悪いし、初めて使う方にはあまりおすすめ出来ませんよ?」


そう言うと店員さんは言葉に詰まる。

さては…やって無えな?


「お、お客様、随分と詳しい様ですが、王都の工房の関係者ですか?」

と小声で聞いてきた。つられて俺も小声になる。


「いえ、このリールの開発者です。店員さんは釣りはされないのですか?」


「なっ、ちょっと奥でお話し聞かせて貰ってもよろしいですか?どうぞこちらです。お茶飲みます?飲みましょう!お茶菓子もほら!おーい!ちょっとお店見ててくれぇ!」


こちらの返事も待たずにグイグイと店の奥に引っ張って行こうとするので、大人しくついて行った。


「すいません!このリールの使い方を教えて下さい!」


部屋に入るなり頭を下げられる。

何でも釣り好きのお客に言われて仕入れたが、その人が思っているより大きく重い上に使い方も分からなくて困っていたらしい。


「丸い所に糸を巻くとの事なんですが、縛っても滑ってしまって巻けないし、滑らない様に巻くと力が掛かった時に絡まってしまうし…」


「あ〜失念していました。そうですよねぇ~。」

それだけじゃない。ルアーフィッシングに必要な糸の結びノットが何一つこの世界には伝わって無いのだ。紙に結び方を書いて上手く伝われば良いんだが…おっ?凄く分かりやすく書けたんじゃないか?意外な才能発けっ!

スキルの模写か!初めて役に立ったなこのスキル!

電車結びからFGノットまで良く使うノットを用途別に書いて渡しておこう。これは王都の工房にも伝えてリールと一緒に渡して貰わないとだな!

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