7話目 竹
入り江を出て行く皆を、オレとマリンで見送る。
「あの…主様、私は何をお手伝いしたら良いですか?」
「マリンにはコレを集めて欲しいんだ!」
そう言って、石灰化した珊瑚を見せる。
「これは珊瑚ですか?でしたら海の中にたくさんありましたが…」
「枯れて白くなったヤツを集めて欲しいんだ。」
「…わ、わかりました、探してみます。」
なぜ?っと思ったのだろう。不思議そうな顔をしたが、直ぐに頷いてくれた。
「あと、力持ちって言ってたけど、チャカが倒した木って運べそう?こっちに運んでおいて欲しいんだ。」
「はい、大丈夫です。」
「よろしくね、オレは島を探索してくるから。休憩しながらで良いからね?」
「は、はい。お気をつけて。」
入り江に流れ込む川の少し上流に向かい、点在する岩を伝って向こう岸に渡る。
(さて、果物も気になるが、先ずは島全体の把握だな。なぁにそんなに大きく無いし、2、3日で終わるだろ。)
そんな事を考えながら島の北側へと歩いていく。
30分もしないうちに、竹林が見えてきた。
(やっぱり竹だったか。これは色々と作れそうだ。
竿に魚籠、罠、普通に竹籠も必要になるだろう。)
近くまで歩いて行くと、折れている竹が目に入る。
こちらは山と違って密集して生えており、かなり荒れてしまっていた。
(丁度いい、竹で何か作ってみるか。)
竹林に入り、折れた竹を手にする。
(折れてからだいぶ時間が経っているようだ。
こんなのでも使えるのかな?)
倒れている竹を引きずり出し、魔力切れに備え海岸へと向かう。
(大きな竹だが、ずいぶんと軽いな…
強度はどーなんだろ?まずは籠から作るか。
洗濯籠見たいのが良いかな。ついでに竹串も作っておこう!)
「道具生成、籠と串!」
竹がうっすら光を纏い、その光が小さな球体になる。
光が収まると、そこには籠が2つと、結構な数の串が出来上がっていた。
(良し、思った通り!
あっ、小さい熊手見たいの作っといたら潮干狩りが出来たなぁ…まぁ無くても出来るか。
そー言えば魔力をあんまり使った気がしない。)
頭痛はもちろん、目眩も倦怠感も無いのだ。
(構造が単純だからか?単一の素材で出来たからなのか?帰ったら神界図書で調べて見るか…)
そんな事を考えながら、竹林を左に見ながら砂浜を北へと進んでいく。
山からは見えなかったが、ここにも小さな川が流れており、流れ込む砂浜はゴロタ岩に替わっていた。
(このまま海岸沿いを南端まで行って、帰りに草原を見て回るか。だがその前に……)
ゴロタ場の手前の砂浜、波打ち際を掘り返していく。
暫く続けると拳よりも一回り大きな貝を見つける。
1つ見つけると、その周辺を念入りに掘り返す。
太陽が頂点に達する頃には2つの籠に半分つづ位の量が採れていた。
貝が水に浸かる様に籠を沈め、砂浜に目印として竹串を刺す。
竹林に戻り、適当な薪を探す。ただ、湿り、腐ってしまっている物が多く、やっぱり竹を引きずって海岸に戻る事になった。
「よし、道具生成、竹炭!」
(お〜。結構な量出来たな。浜焼き浜焼き♪)
ゴロタ場の石で竈を作り、竹炭を並べて雷魔法で電気を通す。
炭が赤くなった所で電気を止め、貝をその上に置く。
開いた貝から、竹串を使って身を取り出す。
(あっはぁ〜っ、これは美味い!はまぐり何かよりも旨味は強いし、部位によってコリコリだったりシャキシャキだったり。酒蒸ししたいなぁ…酒造りは無理だよなぁ…)
そんな事を考えながら、次々と竈に貝を入れていく。
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「ねぇ〜レイ〜。」
青い髪の少女は鋭い視線を向けながら大男に話しかける。
「どーしたカスミ?」
「ずいぶん慕ってるみたいだけど、あたしらの役割わかってんの?入れ込んでも後で辛くなるだけだよ?」
「わかっておる!ただ、ワシは前世で主殿に負けておるからな。その分だ。」
「まぁいいけどね。余計な事は話さないように!あたし達はフォローするだけ。先導しちゃダメだからね!」
「わかっておるって。それよりほれ!情報収集、情報収集!」
「それも今更なんだよなぁ……」




