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オジサン?は異世界で、思うが儘に生きて行く!  作者: ベルベットなあきのり


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69話目 ナファソ邸へ

さて、今日はナファソ侯爵邸にお邪魔する日だ。


あんまり気にして無かったが、貴族の家に行くのにこの格好でも良いのだろうか?一応毎日浄化を掛けてるし、その辺では買えない程の高性能な生地なんだが…如何せんデザインがな…刺繍も装飾も無いし。


まぁそんな服を着る気も無いのだが…


王城もアルベール邸もコレで行ったし今更か。気にしない様にしよう。


そんな益体もない事を考えている内にお迎えが来た様だ。


「こんにちは、ブルートさんがお迎えに来てくれるとは思いませんでした。」


「いえいえ、この役目は他に譲る訳にはいきません。最初はケイト夫人が行くと言われたのですが、蟄居中ですので。侯爵にお願いして、私に任せて貰いました。」


「それはありがとうございます。流石に侯爵夫人が迎えに来られては対応に困ってしまう所でしたね。」


うん、ホントに良かった。

ブルートさんナイス!


それからも色々な話しをしていると、あっと言う間に侯爵邸に着いてしまった。

まだ心の準備が出来てないぞ。



緊張したまま馬車は侯爵邸の玄関前に止まる。先にブルートさんが降りて扉の脇に控える。

おぉ~凄い様になってるな。如何にも騎士って感じのキレの有る動きが格好良い。だが、今は辞めて欲しいぜ。後に続く俺が緊張するじゃないか!


緊張もあってぎこちない動作で馬車を降りる。するとそこにはナファソ侯爵夫妻と、その後ろに綺麗に整列して頭を下げる使用人達。

ホントに勘弁してくれ。

なるべく自然を装って挨拶する。


「始めまして、リョータ、サワダです。侯爵夫妻揃ってのお出迎え、感謝致します。」


「お初にお目にかかります。陛下より侯爵位を賜っております、ロレンソ ナファソと申します。以後お見知りおき頂けましたら幸いです。」


「お初にお目にかかります。ロレンソの妻、ケイトと申します。お会い出来て嬉しいですわ。さぁ、食事の準備をさせておりますのよ。」


そう言うとケイト夫人が先頭になって、屋敷の中へ案内する。


ナファソ夫妻は20代後半から30代前半だろうか?

夫のロレンソ ナファソ侯爵は金髪をふんわりと右目の上辺りで分けている。翠の瞳は眼尻が少し垂れて優しそうな印象を与えるが、その身体はしっかりと鍛えられ、引き締まっている。

妻のケイト ナファソ夫人は白に近い金髪。胸まであるプラチナブロンドは緩くウェーブがかかり、光を反射してとても美しい。夫のロレンソ侯爵とさほど変わらない身長が、彼女の細さを際立たせている。


屋敷の中は噂に聞いた通り、派手な装飾はなく、しかしながら質素に見えない様に、品良く装飾が施されていた。


何処かサワダ城に似た雰囲気があるため、緊張も薄らいでいく。


うん、良い感じに落ち着くね。


案内された先は丸テーブルが鎮座する食堂。8人程が掛けられるテーブルに椅子は4つだけ。今回はブルートさんも同席するようだ。

上座の無い丸テーブルなのは侯爵の気遣いかな?


他愛もない会話をしながら食事は進む。食事はコース料理で、ちょいちょい給仕さんの説明が入る。

材料は全てナファソ領産の物で作られて居るんだとか。

その辺が貴族のもてなし方なんだろうな。

驚いたのはデザートだ。なんとプリンが出てきた。


「驚かれましたか?サワダ様が王都で広めたと聞いて直ぐにレシピを取り寄せましたの。残念ながら、柔らかいパンの方は間に合いませんでしたが。」


ケイト夫人が微笑みながら話しかける。


「ええ、驚きました。侯爵家にもなりますとあちこちに情報源があるみたいですね。」

王都でプリンを広めて、まだそんなに時間は経ってない。そう言えばブレナンさんも王様の返事を持って来るのが異様に早かったな。転移魔法を使える者が居るのか、何か転移に似た情報伝達方法があるに違いない。

考えている事を読まれたのか、夫人が話を続ける。


「王国各地に転移の石碑が有りますのよ。もちろんナファソにも。とは言っても古代の遺跡に有るものを使っているだけで、新たに創り出すことは出来ていないんですけどね。」


「なるほど、それでダンジョンの石碑の研究をしているんですね。ウチの森にも遺跡があったら便利ですね。今度探して見る事にします。」

アルベール領にもきっとある筈だな。じゃないとオークションに間に合わない筈だし。ウチにあるとしたら川沿いか海岸沿かな?ハーピィさん達に探して貰おう。


「その時は是非教えて下さいね。サワダ様の領地は面白い物が沢山ありそうですもの。」


「獣人達の移動も楽になりそうですしね。必ずお伝えします。」


丁度獣人の話しになったので、そこからは事務的な話しをナファソ侯爵との話す事になった。ちょっと夫人が不満顔だが気にしたら負けだ。何が狙いか解らないから怖いんだよね。


既に獣人達には通達済みで、500名弱の獣人がこの街に集まりつつある。後2日もすれば準備出来るとのことなので、また3日後にお邪魔させて貰う事にして会合は終わった。

ブルートさんは獣人の引き渡しが終わったらナファソ領を出て、自分が治める事になった街に行くらしい。



はぁ~…なんか凄い疲れた。

今日は宿に戻ってダラダラしよう。


そこから2日はダンジョンに入る気にもなれず、島に戻ってクラウンやハヤテ、ナギに癒されたり、のんびり釣りをした。


「なぁ兄ちゃん。兄ちゃんが使ってる道具、オレにも作ってくれないかな?」


「ん?ホープも釣りに興味があるのか?」


「だって兄ちゃん釣りしてる時すっごい楽しそうなんだもん。」


ほう、釣り仲間を作るチャンスじゃないか。普通ならサビキを進める所だが、餌の問題が有るからな…となると胴付き仕掛けがいいかな?


サビキとは1本の糸に5つから8つ、餌を模した針を結び、餌を撒いて魚を集めて釣る仕掛けだが、ここには撒く餌がない。

胴付きとは1本の糸を二股になるように結び、1方におもり、もう片方に餌を付けた針、と言う仕掛けだ。多分こっちの方がここでの釣りに合っているだろう。


「よし、まずは餌を探すぞ。と言ってもその辺に沈めてある罠を上げれば、餌になるものが入ってる筈だ。無ければ岩場のカニや、貝の中身でも大丈夫。浜辺を掘れば貝は沢山いるからな。」


罠を上げると丁度良いサイズのエビが10匹程入っていた。


尻尾から針を通してお腹にだす。この時、エビが真っすぐになるように付ける事。リールの使い方を教えて沖に向かって投げる。

糸フケを回収したら後は待つだけ。

魚のアタリが有っても直ぐに合わせちゃダメだぞ。ちゃんと魚が餌を食べてから合わせないと餌だけ取られちゃうからな。


ホープは真面目に説明を聞いてくれたので、直ぐに使い方を覚えてくれた。


「兄ちゃん、これ!釣れてる?釣れてるよね?」


「もう掛かってるっぽいな。よし、巻け巻け!」


「わかった!お、重い!巻けないよ。」


「頑張れ頑張れ。少しすれば魚も疲れて上がってくる。」


「わかった!この〜!」


暫く格闘するとサワラ見たいな牙の魚が上がってきた。80センチはあるだろう

魚を誇らしげに掲げてウィルに報告に走る。


ホープのおかげでいい気分転換になったな。



この数日後、ホープが爪牙術を覚えた。

あぁ魔法だけじゃ無いんかい!

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