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オジサン?は異世界で、思うが儘に生きて行く!  作者: ベルベットなあきのり


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64話目 飯はまだかい?

「そう言えばサワダ様、東の山に住むワイバーンを討伐して下さったとお聞きしました。」


「ええ、成り行きで。こちらに来るのに邪魔だったので退治しておきました。」


「邪魔だった、ですか…流石ですね。時折降りてきては家畜を襲うので、討伐依頼を出しておいたのですが、先日ギルドから討伐されたと報告と共にサワダ様がいらしている事を知らされました。報酬は辞退されたと伺ってますがよろしいのですか?」


「ええ、我が領地の魔獣がご迷惑掛けていたようで、他にも何かありましたら相談して下さい。」


「いえいえ、魔獣の被害は我がアルベール領の守りが弱かった為に起こった事、サワダ様に非はありませんよ。何かお礼をさせて頂けたらと思うのですが、コレと言って思い浮かばないのですよ。」


「それでしたら、実は我が領地に移り住みたいと言うドワーフがおりまして、その許可を頂ければ幸いに思います。」


「ドワーフが?その者の名前をお聞きしてもよろしいですか?領軍の武器を任せている者もおります。流石にその者が他家に行ってしまうのは承服しかねますので。」


「構いませんよ。ミーシャと言う女性です。武器や防具よりも魔導武具や魔導具を造る事に興味があるとの事で、私の持つ書物に興味があるとか。」


「ミーシャさんですか…」


「不味いですか?」


「…そうですね。本人と話をしてから決める、と言う事でよろしいでしょうか?」


「もちろんです。ああ、忘れる所でした。手土産を用意してたんですよ。グラスを落札して頂いたお礼と、今後の友好を願って、どうぞこちらを。」

腕輪から螺鈿らでん細工のグラス入れを出し、辺境伯の前へと差し出す。


辺境伯がゴクリと喉を鳴らす。

「こ、これは素晴らしい。なんと美しい!この輝きは一体何が…それにこの艶、何の素材を…」


「落札頂いたグラスをしまうのに丁度いい物をと思い、作ってみました。お喜び頂けた様で何よりです。」


「失礼、しかし…サワダ様、よろしいのですか?」


「ええ、友好の証しと、ヨークデリアに降りながらも、獣人達を無碍に扱わなかった貴方の人柄に尊敬の念を込めて、こちらを贈らせて頂きます。」


「はは…父の教えを今日ほど感謝した日は有りませんよ。これからもアルベール領は獣人を始めとした、様々な種族と共に有ります。」


ミーシャの結果を後日確認に来る事を伝えて辺境伯邸を後にした。



よし、色々寄り道したが、アルベール領に囚われたマーメイドの問題は解決したと考えて良いだろう。

帰ってコレットさんに報告だな。あと、ミーシャの受け入れについても相談しないとね。


おっと、その前にビルの肉屋だな。危ない危ない、忘れる所だった。

お肉を受け取り、宿を引き払ったら島に戻ろう。と思ったんだが…女将さんの要望で焼肉以外のホルモンを使ったレシピを教える事になった。

レバーパテやトリッパの様な煮込み、細かく刻んでソーセージに。とにかく下処理をしっかりする事、美味しい脂と臭い脂が有るので注意する事を伝える。

味つけは好みも有るので知らん!

ちゃんと下処理すればそれなりに食える筈だ。

タンシチューも作って貰いたいが、あれを教えるのは無理だ。後で時間がある時にでもコンソメスープと共に伝授しよう。

どちらもちゃんと作ると3日掛かるからね。



女将さんをやっつけてやっと島に帰宅。結構いい時間になってしまったな。レシピを教えつつちょいちょい摘んでいたのでお腹は減ってない。ただ口をさっぱりさせたいので果物食べよう。

浜辺でコレットさんに報告を済ませ、アルベール領の件はこれで一旦終了でいいかな?

さて、今後としてはやはり北にあるという米の産地に行きたい。

大豆が手に入ったので、味噌や醤油作りも始めたい所だな。醤油や味噌に必要な麹カビは確か稲穂や稲藁なんかに居るって聞いた事があるし、もしかしたらそこに行けば作っているかも知れない。


うん。次の目的地は決まったな。


翌日、まずは砂浜でガラスのコップを作る事にした。

タンブラーグラス、ロックグラスにフルートグラス、ワイングラスも作った。

かなりの数を作ったが、魔力が減った気がしないな。

きっとレベルも上がったのだろう。

順調に成長出来ている様で何よりだ。


ディニクに飛んだら、まずはクレセントローズへ。今回は領主さんへお土産を預けるだけで販売はしない。

何気にここの領主さんには、特級職人証とかでお世話になっている事に気がついたんだよね。

王家と同じ物は流石に渡せないので、フルートグラスやワイングラスのセットを渡して貰う様に頼んだ。

形の違いについて質問されたが、ワイングラスは空気に触れらせる為だっけ?フルートグラスは炭酸長持ちで、泡が綺麗に見えるんだったかな?

なんかそのような事をそれっぽく伝えておいた。領主さんはワインが好きなので、きっとお喜びになるってさ。


次に向かうのは冒険者ギルド。

解放奴隷の状況を確認しないとね。


「ようマスター、一昨日はありがとね。今日は魚セットにワインを頼むよ。」

そう言ってカウンターに大銅貨を6枚置く。

「おい、ワイバーンの赤ん坊ってどう言う事だ。詳しく話して貰うぞ。」


干し肉をつまみにワインを飲みながら、森湯の里のワイバーン退治の話しをする。そろそろお腹空いたんだけど、食事はまだですか?


「ワイバーンはマズイだろ…アイツラは結構行動範囲が広いし、並の冒険者じゃ一溜りもねぇ。街には絶対近寄らせるなよ?その1匹だけなんだよな?繁殖させるつもりは無いんだよな?」


「面倒見てるのは俺じゃないからな。俺もまだ会えて無いし。一応伝えておくよ。それより獣人達の奴隷解放ってどうなってるんだ?」


「ああ、それがな…リョータがオークションに出したグラスがあるだろ?王家にも渡したヤツ。奴隷解放するからグラス寄越せって言ってる連中が出てきてるらしいぞ。」


「奴隷解放は王命だろう?随分と命知らずだな。大体そう言う事を言い出す奴はロクなもんじゃ無いだろう。王家にとったら取り潰しのいい口実じゃないか。」


「まぁ簡単に潰されるような貴族は言わないわな。だから面倒なんだよなぁ…おかげで他の貴族も様子見決め込んでて進んで無えってよ!」


「なるほど、引っぱたいて言う事聞かすか!」


「おいおい、勘弁してくれ!相手は大貴族だぞ?国が傾くわ!」


「しょうがないな…。王都に行ってブレナンさんからも聞き取りしてみるか。ここの領主さんは大丈夫なんだろ?」


「ああ、ここを治めてるのは伯爵だが、そこまで馬鹿じゃ無いよ。それにここらの獣人は既に解放済みだしな。ナファソ領もそろそろ手続きが済む頃だから問題なし。リョータの話しじゃアルベール領とギルベルト領も問題無さそうだし、ヨークデリア南部はスムーズに進んでいるな。」


「この国の1/4くらいは終わったと考えて良いのかな?」


「王領も入れると面積的には1/3くらいか?ただ、基本獣人が少ない地域が多いからな。数はまだ1/10にも届いて無いと思うぞ。」


「そっか、まだまだこれからって事だな!」

それでも思ったより少ないな。この国だけなら、ダンジョン街だけでも何とかなりそうだな。

やっと出てきた食事を済ませ、ギルドを後にした。

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