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オジサン?は異世界で、思うが儘に生きて行く!  作者: ベルベットなあきのり


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65話目 ナファソダンジョン

ギルマスの話しを聞いて、ナファソ領を訪れる事にした。

獣人さん達の集まり具合の確認だ。

近くに転移して、貴族用の門に並ぶ。


「おい、そっちは貴族様専用門だぞ。こっちに並べ!」

「どこの田舎もんだ?村の防壁とは違うんだぞ?」などとこちらを笑っている冒険者がいるな。

バカにしてるのか、教えてくれているのか判断に困る。


「聞いてんのか!お前に言ってんだよ! なに無視してんだテメェ。」


おっバカにしてる方だったみたいだな。しかし、もし俺が貴族だったらどうするつもりなんだ?謝っても許してくれないと思うぞ?

「気遣い感謝するが、こっちで間違いない。」

そう言うと自分達のやらかしに気付いたのか、揃って顔を青褪めさせる。

「いや、申し訳ねえ。いえ、申し訳ありませんでした。」


「俺は気にしてないよ。ただ、相手によっては投獄されてもおかしくないぞ?冒険者は時と場合を考えて行動しないと、すぐに死ぬ事になるぞ。」


「「はい、すいませんでした!」」


「サワダ様、どう致しました?」

呼ばれて振り返ると、そこには騎士姿のブルートさん。なんか鎧が豪華になってないか?


「ああ、ブルートさん。なんでもありませんよ。彼等に並ぶ列を教えて貰っていただけです。」


まったく信じていないブルートさんからの胡乱げな視線に、冒険者達の顔色は青から白に変わっていく。

ホントに気にして無いから勘弁してあげてね。冒険者に礼儀や知性を求めるのは間違ってるから。


「ブルートさん、ナファソ領の奴隷解放がもうすぐだって聞いて来たんですけど、詳しく教えて貰っても良いですか?」


「ええ、ナファソ領の各地より既に集まってきていますね。500まではいないですが、それに近い人数になるそうです。」


「そうですか。思っていたより多いですね。いつ頃解放されるか分かりますか?」


「それは侯爵に確認してみないと何とも…そ~言えば今回はケイト ナファソ夫人に会われます?」


「会わざるをえないと思っているよ。どんな人なの?」


「基本、旦那様であるロレンソ侯爵を1番に考える控えめな女性です。ただ、良い意味でも、悪い意味でも生粋のヨークデリア貴族ですね。」


「面倒くさい事になりそうだね。まぁ会ってみてから考えるよ。流石に蟄居を命じられたばかりだし、変な事にはならないでしょ?」


「では、侯爵にサワダ様がいらしている事を伝えておきますね。宿はお決まりですか?よろしければまた手配致しますよ?」


「今回もあの宿に泊まろうと思うが、流石に毎回世話になる訳にも行かないよ。ちゃんと自分で支払うさ。」


「そうですか…サワダ様のおかげで爵位も賜る事になりましたし、私としては恩返しが足りていないと思うのですが…」


おお、爵位賜っちゃいましたか!ケイト夫人に売られて、下位の貴族が幾つか取り潰されたって言ってたし、丁度良かったんだろうな。ただ、潰された家からすると、ケイト夫人の告発で潰されて、後釜がナファソ領の領兵。一悶着有りそうだね。


俺は疑問をそのままブルートさんに問いかけた。


「ええ、きっとそう言う事もあるでしょう。ナファソ侯爵様からも同僚や部下を連れて行っても構わないと言われています。ですが、私は1人で行こうと思ってます。落ち着いたら家族も呼ぶつもりですが、最初はまず、私と言う人間を知って貰う事で領民の不安を取り除きたい。今までの領主は善政を敷いていたとは言い難いとの事ですので。」


「そうですか。では、後でどの辺りの領地になるのか教えて下さいね。何かお祝いの品でも持って挨拶に行きますよ。」


「ありがとう御座います…ホントに…頂いてばかりで不甲斐ないです。」


後半は聞き取れないほどの小声になっていたが、まぁ気にしない。これから頑張れとしか言えないし。


「では、何か有りましたら宿までお願いします。」


以前紹介された南門に近い宿屋に泊まる。1泊2食付きでお値段銀貨5枚。


何となくだか、宿の値段は門に近い所、貴族街に近い所は高くて、へステア館みたいにスラムが近いと安くなる。と言う法則を見つけた…気がする。


そしてこの世界では移動は危険を伴う。

そのため基本宿屋の客は商人や冒険者。連中は野営にも慣れている為、あんまり高いと街の外で野営する。商売にならなくなるらしい。



前回来た時は、衛兵の詰め所と大通りを少し歩いただけだったし、ちょっと観光してみたい。

侯爵家の評判なんかも聞いておきたいし、夜は外で食べた。


侯爵である、ロレンソ ナファソは優秀な善人である。


コレが色々と聞き込みをして判断した、侯爵に対する街の評価だ。


もちろん貴族として、平民のそれとは比べ物にならない生活をしているが、侯爵家としては考えられない程に質素なレベル。

無駄な贅沢をするぐらいなら、森の開墾や街道の補修に予算を割き、領民の生活も、彼の代になってからは向上しており民から人気も高い。


うん、まともだ!。


ケイト夫人もそんな夫の素晴らしい人格に惚れ込み、彼こそ王になるべきだと、今回暴走してしまったとの見方で、1部の領民も同じ考えだったとか…。


なるほど…でも嫁や領民を抑えきれていない分、そこまで優秀って訳じゃないんだろう…が、悪い人でもなさそうかな?

これからの付き合い方は会ってから決める、で良いだろう。




ナファソの街をふらふらする中、近くにダンジョンがある事を聞いた。

早速ギルドで確認だ。


《ナファソ2級ダンジョン》

現在地下42層まで攻略されており、5層毎に転移陣、10層毎にボスモンスターが確認されている、比較的良心的なダンジョン。

しかし階層が深く、未攻略の為、暫定で2級ダンジョンに指定されているとか。


42層まで潜った冒険者パーティーは既に引退、20年以上更新されていない。

現役では30層を超えて攻略を進めているパーティーは居らず、20層を超えた辺りで安定して稼ぐ事に満足しているらしい…

まぁ冒険者と言っても職業だ。命懸けの冒険なんて誰も好んでやらないだろう。


1〜15層はゴブリンやコボルト、オーク。深くなると上位種が混ざるが基本はこの3種。ドロップは魔石のみで、たまにオークが肉を落とす位。

宝箱は稀に見つかるが、良くて上位のポーション系や生活がちょっと便利になる程度の魔導具とあまり魅力を感じない。


16〜30層はオーガ、ウェアウルフ、トロール。20層を越え、たまに上位種が混ざる位の階層で魔石や角、牙、毛皮で稼ぐのがナファソ冒険者にとって普通の事となっているんだとか。

特に22層は銀鉱石が採れるポイントもあり、人気スポットになっている。

ここでは宝箱から宝石や武器、防具の類が出るらしいが俺には必要無いな。


そして31層より先だか、情報が公開はされていなかった。

攻略を希望するパーティーには開示されるが、情報が古く、信憑性も今ひとつ、参考程度に伝えるだけになっている。



新人は低階層でゴブリンやコボルトを倒しながら薬草採集、中級になったらオーガやウェアウルフを倒しながら鉱石採掘。

安全とは言えなくとも、安定して生活出来るナファソダンジョンでは、誰も無駄なリスクを負うことはしない。


稀に現れると言う宝箱やレアモンスターとの遭遇に期待しながら、ナファソの冒険者は淡々と冒険を熟す。冒険者ギルドに入った個人事業主といった所か…実に面白みの無い生活をしていた。

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