62話目 ハヤテとナギ
俺はブラッディホーンブルそっちのけで子猫?の面倒を見ている。
草で猫じゃらし的な物を作って遊んだり、ボールを作って遊んだり。
近くでクラウンが呆れている気がするが気にしない。
だいぶ懐いてくれて、足に身体をすりすりしてくる様になった。
胡座をかいてお昼を食べていたら膝に乗ってきたり、背中を登ったり。
よし、この子達はウチのコにします。
宿に連れて行くのは不味いよな?
てか、この子達がどんな魔獣なのか調べないと。
冒険者ギルドで見てもらうか?従魔登録とかあるのかな?魔獣連れてる冒険者見たこと無いけど…
ちょっと不安だな。
こんな時はディニクの冒険者ギルドに行こう。きっと何とかしてくれる筈だ。
2頭を抱えてクラウンに跨り、ディニク近くに転移。
クラウンを預けたらギルドに直行。
食堂の方は気が引けるので、受付でミリーちゃんを探す。2頭は俺の腕の中で眠ってしまった様だ。
「リョータさんじゃないですか。お久しぶりですね。私達の新居は…って、何を抱えてるんです?」
「コルテア平原を探索していた時に保護したんだ。親とはぐれてしまった様でな。で、何て言う魔獣なのか聞きに来た。」
「何でウチなんですか!コルテア平原ならアルベール支部のが詳しいですって!」
「ほら、ここなら皆が俺の事知ってるし、魔獣連れてきても騒ぎにならないかな?って。ほらほら、可愛いだろぅ。なんて魔獣なんだ?」
「確かに…可愛いですね。ちょっと待ってて下さい。マスター呼んできますから。」
バタバタとカウンターを出て食堂の方に走っていった。
「ナァー」
お〜起こしちゃったな。
ごめんごめん、ここはうるさいから2階に行ってようなぁ。
この時間なら2階の待機部屋は誰も居ないだろうから、と階段を登っているとギルマスから声を掛けられた。
「おいおい、何処に行くつもりだ?まぁいい、こっちだ。」
俺を追い越して2階にあがり、左にある部屋へ案内される。
中には執務机と応接用のソファーセット。
ギルマスの部屋かな?
「で、それが保護したって魔獣か?幼すぎてはっきりとは言えんが、コルテア平原ならゲイルサーバルじゃないのか?親はどんな見た目をしてた?」
「遠くから見ただけだからな。細かい事は判らん。ゲイルサーバルってどんな魔獣なんだ?」
「平原では小型の魔獣だな。大きくなっても体高は5、60センチ、体長は1メートルちょい、簡単な風魔法を使うようになる筈だ。」
「風魔法か、名前はどうするかな?この子達の性別は判るか?」
「そんなもん付いてるもんが付いてればオスだよ。自分で確認しろ。」
なるほど……うん、この子がオスでこっちの子はメスと。
性別がわかった所で名前を付けてやらないとな。
「よし、お前はハヤテでお前はナギな。」
2頭から、急に何言ってんの?的な目で見られた。
まぁ呼んでる内に理解してくれたらいいさ。
「で、従魔登録的な奴はあったりするのか?」
「そんな制度は無いぞ。物好きな貴族が魔獣をペットにする事があるが、小型で大人しい種類だからな。戦う力がある魔獣を飼うなんて普通は無理なんだよ。」
「そっか、じゃあ街中で連れて歩いてたら不味いか。ウチの領土内にしておこう。」
「そうだな、それが賢明だ。魔獣だし、街中にいたら殺されたって文句は言えん。」
「はぁ?この子ら殺されたら文句言うに決まってるだろ!そんな物騒な町、滅ぼしてやるわ!」
「落ち着かんか!どっちが物騒だよ!魔獣なんだぞ?間違っても街中で放すなよ!衛兵が飛んで来て退治されるぞ。」
むむ、まぁ大きくなったら危ないかもしれないな、もしかしたら。
「まぁ、いい。種族もわかったし、今日は帰るか。そ~言えばワイバーンの子供ももうすぐ孵るって言ってたな。じゃあな、ギルマス。またな!」
「ちょっとまて!ワイバーン?お前なにやってんだ!」
なんか言ってたけど知らん!
ワイバーンの赤ちゃん生まれたかな?早く会いたい。
ハヤテとナギも皆に紹介したいし、一旦島に戻るかな。
島に戻り、ダンジョン街まで2頭とおさんぽ。
俺に気づいて子供達もやってきたので一緒に遊ぶ。ワイバーンはもう孵ったそうだが、ずっとハルが抱っこしているためなかなか会えず、やきもきしていた所にハヤテとナギ。
うん、大人気だ。
子供達にも慣れてくれたし、奥様達にも可愛がって貰っている。ダンジョン内なら放し飼いでも大丈夫だろう。
後で狩りの仕方とかも教えてあげないとな。果物を食べるなら、島の果物を与えてもいいかも知れん。
今日はダンジョンに泊まってウィルやガル、マルシアさんにも2頭を紹介して、焼肉を食べてから寝た。
もちろん買い込んだお酒やお肉も渡しておいたよ。
「リョータさん、ワイバーンの内臓も食べられると思いますか?」
とウィルに言われて震えたね。次からは内臓も取っておいて貰おう。
翌朝、ハルを探してワイバーンの赤ちゃんにも会いたかったが、会いたい時には会えない物である。きっとあっちの島で子育てに夢中なのであろう。
諦めてクラウンを連れ、コルテア平原へ転移!
走り回ってやっと見つけましたよ。ブラッディホーンブル!
想像してたより倍デカい!ちょっとした家くらいのサイズだった。
真っ赤な鋭い角に赤黒いボディが悍ましいね。あんまり美味しく無さそうだ。
せっかくお手入れしてもらったので、太刀を使って倒して行く。
近くに転移して、首を刎ねるだけの簡単なお仕事。午前中だけで12頭の討伐に成功。見つけた群を全滅させただけなんだけどね。
ギルドの受付で狩りの成果を話すと、解体所を案内されたよ。丁寧な対応は有難いが、受付嬢さんの声が若干震えてる。俺ってそんなに怖いですか?
解体所に着くと昨日のおっちゃんがいた。ブラッディホーンブル12頭を渡し、2頭の解体を頼み、残りは売却する旨を伝える。
えっ?内臓を食える状態で取り出すのは無理?やったこと無いのね?
冒険者ギルドは素材を取るのがメインで、肉の扱いは肉屋には敵わないとの事だ。じゃあ2頭はビルの所に持って行って解体して貰おう。
10頭を納品して金貨50枚、Aランクの魔獣だけあって高く売れた。肉も美味しいらしいので期待だな。
お昼にはまだ早いし、ビルの肉屋に行ってみよう。




