61話目 ナーとかミャーとか
ここがアルベールの冒険者ギルドか。
なんかテラスとかあってちょっとオシャだな。海辺の街だし、陽キャが多いのか
?
スイングドアをバーンと開けて入場!
おっ、めっちゃガンつけてくるじゃん。ちょっとワクワクすっぞ!
さて、依頼の掲示板は何処かな?
アレンジが加わってるけど、基本的な作りはここも同じだな。正面に掲示板発見!
そう言えば俺ってB級だったな。
上下1つ違いの依頼が受けられるんだったっけ?
おっ、A級にワイバーンの討伐があるじゃん。値段は1体金貨15枚?
え?1500万円相当?
イヤ待て!これが高いのか安いのか判断がつかない。エルフ達が困るくらいには強い魔獣の筈だし、俺が持っているのは最小限の傷しかなく、獣人達が緊張しながら解体するレベルだ。ここで安易に出すべきじゃ無い気がする。
受付で確認するべきだ。
「ちょっといいか?ワイバーン討伐の依頼が出ているが、ホントに金貨15枚なのか?サイズや状態で上がったりするのか?」
「いえ、状態、サイズ問わず15枚になります。あれは東の山に住み着いたワイバーンの討伐依頼になりますので。もしワイバーンを持ち込めるなら、別途素材の買い取り料が支払われます。」
なるほど、あくまで討伐の報酬なんだな。ワイバーンはでっかいから持ち込みも難しいのだろう。
「ああ、それなら50体ほど倒したぞ。何体かは解体して食べてしまったが、残りの分の報酬は貰えるのだろうか?」
ハルの分も腕輪に入ってるから、46体ある。
「は?そのような悪質な虚偽報告は処罰の対象になります。今なら聞かなかった事にしますのでお引取り下さい。」
「魔導具に46体ほど入ってるから、見せる事も可能だが?」
「ワイバーンに間違いないですか?では修練場でお待ち下さい。」
おいおい受付嬢さん、信じてないね?まぁワイバーンを並べてやれば信じるか。大人しく修練場で待つ事にしよう。
「ワイバーンを50体討伐したって謳ってるのはお前か?面白い冗談だな、ここに並べろ。グレイバットなんか出して見ろ。虚偽報告でギルドから追放してやるからな!」
何だコイツ?随分な態度だな。まぁここでムカついたからって出さないでいたら、もっと調子に乗るだろうから大人しく並べて行くか。
「コレで46体だな。一応魔石なら後3つあるぞ。1体は森湯の里のエルフにあげちゃったから、報酬も49体分で構わないぞ?」
「……」
「おい!聞いてるか?魔石だけじゃダメってんなら46体分でも構わないぞ?」
「………ほ、ホントに、これ全部お前が倒したのか?」
「俺ともう1人で。少し焦げてるヤツは、そのもう1人がやった分だな。」
「わ、わかりました。もう大丈夫です。閉まって下さい。東の山のワイバーンは全て討伐された、と言う事でよろしいでしょうか?」
おおう…敬語に変わったな。
「全てかは判らんが、ゆっくり温泉に浸かっていても現れ無かったから多分そうじゃないかな?」
そう言うと何やらメモを取り出した。
「解りました。確認が必要な為、え〜4日後に再度お越し願えますか?その時にこちらを受付にお渡し下さい。」
書いていたメモを渡された。
「確認は構わないが、あそこのエルフには手を出すなよ?森に入る事は許すが、余計な事をしたらこのギルドは無くなると思えよ?」
「…はい?」
あれ?あの山って俺の領地になったの知らないのかな?
「あ〜あの山がリョータ サワダの領地になった事は知らないのか?俺がそのリョータ サワダなんだが?
あれ?もしかして俺の領地のワイバーン倒しても俺はお金貰えないのか?」
「いえ、ワイバーン討伐は辺境伯より正式に依頼が出されていますので、報酬は問題なく支払われます。が…貴方があの?」
「ん〜…でもなんかちょっと詐欺っぽくない?ごめん、やっぱいいや。報酬は辞退しますね。」
流石になんか違う気がするし、実績作りに都合が良いかなと思っただけで、辺境伯からお金が出てるなら、貰う訳には行かない気がしてきた。
別にお金に困っている訳じゃ無いし。
もっと別の依頼を受けよう。
お騒がせしました〜って修練場を後にして、再度丁度いい依頼がないか確認する。
他の冒険者達から距離を取られているが、気にしたら負けだ。
ブラッディホーンブルにロックエイプ、ブルーリザードか…基本魔獣に避けられている俺としては、遠距離から倒せる魔獣のが良いよね。
ブラッディホーンブルが草原に居るらしいから、コイツかな?
コルテア平原て何処だろ?資料室で調べて明日にでも行ってみるか。
宿に戻ると女将さんが、辺境伯の使いが来た事を知らせてくれた。
預かった招待状には、3日後の午後にお迎えにあがりますんで、辺境伯邸迄お越し下さいと書いてある。
コルテア平原は北に馬車で1日の距離なので、ブラッディホーンブルの討伐をしてからでも余裕だな。
女将さんに屋上の使用許可は貰っているので、今日は天ぷらを作る事にした。
せっかくナスやカボチャを見つけたからね。
天ぷらを楽しんでいると、マーメイドさん登場!
コレットさんより少し歳上かな?
澄んだ声で陽気な歌を3曲披露して帰って行った。
もうね、すっごい盛り上がって大人気だったよ。あそこまで盛り上がると歌ってて気持ちいいだろうなぁ。
マーメイドさんも気持ちよさそうだったし。あんなに盛り上がるなら俺もあそこで歌いたいくらいだよ。
マーメイドさんの歌を聴いたら、無理矢理歌わされてるって事は無いって確信出来た。楽しそうだったもん。
さて、翌日。
クラウンを放ったらかしにしていた為、島に転移して連れてきた。
コルテア平原まで2時間ちょっとで着いたよ。砂煙を上げながら、正しく爆走だった。ちょっとクラウンのステータスを見るのが怖いよ。
平原に着いてからは、ゆっくりと獲物を探しながら進む。クラウンに乗っているので目線は高く、かなり遠くまで見渡せるがブラッディホーンブルは見つからない。
ん?あれは何だ?
遠くで土埃を上げて移動する集団が見えるな。シルエット的に4足歩行の魔獣だと思うが、土埃ではっきりとは見えないな。ちょっと確認に行ってみるか。
クラウンに跨ったまま土埃の手前に向かって転移する。
おお、もうあんな所に。流石魔獣と言った所か、走るのめっちゃ速いな。
ん?
「どうした?お前達は逃げ遅れて置いて行かれてしまったのか?」
何だろ、大っきい猫?ピンとした耳が可愛いな。
シャーッて威嚇してるけど、ふわふわもこもこの毛並みも、大きなお目々も愛らしい。
「よ〜しよしよし。、おいで。お腹空いてないか?ほれ、お食べ。」
腕輪からグラスバッファローの肉を出して見せる。
あんまり好きじゃないんだもん、フワ。
水も飲むかな?
土魔法でお皿を2つ作り、そこにフワを置き、水も出してやる。
少し離れてやるともしゃもしゃと食べ始めた。
めっちゃかわいい!2頭でナーとかミャーとか言ってる。うわ〜連れて帰りたい。
どうしよう。もう親がいるだろう群は遥か彼方だ。このままお別れしてもこの子達が生き延びるのは難しいだれう。
イヤ、きっと無理だ。
そう自分に言い聞かせる事にした。




