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オジサン?は異世界で、思うが儘に生きて行く!  作者: ベルベットなあきのり


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50話目 挨拶

翌朝、昨日行けなかったディニクに来ている。朝の市場はとても賑やかだ。思えばディニクに泊まる時は昼過ぎまで寝てる事が多いからな。


お米を卸すにしても、炊き方を教える約束をしたのでもう少し落ち着いてからの方が良いだろう。1度冒険者ギルドに行って暇潰ししよう。


「リョータさん!」

ギルドに入るとミリーちゃんが声を掛けて来た。けど、受付中で動けないらしい。カウンターの中で手を振っている。軽く手を振り返し、俺は反対側に歩いて食堂のカウンターに腰掛ける。


「ようマスター、ワインとツマミを適当に貰えるかい?」

銀貨を渡しながら注文する。


「何だ?酒飲みに来たのか?たまには依頼を受けて見たらどうだ?」


「面白そうなのがあれば受けても良いが、今日はパスだな。この後ナファソ領に行こうかと思ってね。」


「ナファソ領?なんだかきな臭い噂を聞くが大丈夫なのか?」

ワインと刻んだ干し肉を出しながらギルマスが言う。


「大丈夫だよ。もう落ち着いている頃だろ。行きに世話になった人がいるから挨拶しとこうと思ってね。」


「挨拶ねぇ…あんまり騒ぎを起こすなよ?そう言えばオークションはどうだったんだ?」


「お陰さまで上々だな。思ったより高く売れたよ。」


「かぁ〜、羨ましいねぇ。まっ、オレがそんな大金持ってたら、落ち着かなくて夜も眠れなくなりそうだがよ。

気が向いたら依頼受けてくれよ。」

ギルマスは仕事に戻って行った。どうやらギルマスとしての仕事もちゃんとやっているようだ。


話し相手が居なくなってしまったな。などと思っていると、隣にミリーちゃんがやって来た。


「お久しぶりです。王都はどうでした?」

王都は、と聞いているが内心ではオークションがどうだったか聞きたいのがバレバレだ。なので態とプリンや釣りの話しをする。


「へステア館ですか。次に王都に行った時はそこに泊まってみます。…で、リョータさん、腕輪にそのプリン言うの入ってます?入ってますよね?」

しょうがない…出すか。


結構長く話していたので、市場に行くにもいい頃合いだろう。残りのワインを飲み干し、カウンターにプリンを置いてギルドを出た。

後ろからミリーちゃんの奇声が聞こえたがきっと気のせいだろう。



市場で米の炊き方を教え、更に玄米を仕入れてから、ナファソ領へ転移。

盗賊を連れて転移した辺りに飛んだ。

特級証明を使って門をくぐるとブルートさんが待っていた。

流石だな。オレが現れた事を察知していたようだ。

「ようこそ、リョータさん。その節はお世話になりました。お陰さまでナファソ領は安全に成りました。」


「いえいえ、私が居なくてもブルートさんなら、なんだかんだ解決していたと思いますよ。」


「いえいえ、リョータさんのお陰で穏便に…」

その後も「いえいえ」を2ターン程繰り返してから本題に入る。



「ケイト ナファソ侯爵夫人がリョータさんが見えたら案内をするように仰ってますがお会いになられますか?夫人もリョータさんがよろしければ、との事なので断って頂いても構いません。」


「えぇ~どうしようかな…夫人の狙いが分からないなぁ。何か言ってました?」


「いえ、お会いしたいとしか聞いておりません。辞めておきますか?」


「そうだね。今回はパスで。あの後は夫人に何か動きはあった?」


「何もありませんね。王家に素直に従っています。計画に参加した他家の事も全てお話しされた事で、厳しい処分を免れたと聞いています。」


「なら尚更会う理由が無いな。今日はブルートさんに挨拶に来ただけで、また後日伺いますって言っといて下さい。」


その後、国から報奨があるかも、等の雑談をしてナファソ領を後にした。

湖の集落で里長にリールが販売されるかもしれないよ。と教え、ギルベルトの街の兵士長とも話し、大岩を消し去り王都でお買い物をしたら帰宅。


部屋に戻るとコレットさんに頼んでおいた貝殻がリビングに置かれていた。

後でお礼を言わないとな。



翌日、貝殻と幾つかの鉱石を持って森へ向かう。炭窯の奥へ100メートル程進み、ゆっくりと結界魔法を広げていく。これで動物を巻き込む事は無いだろう。住処を追われるのは申し訳ないが、いずれこの辺りに街を作るので早いか遅いかの違いだ。勘弁してくれ。

結界を広げたまま、更に土魔法で草木を倒す。ちゃんとオレを中心に外側に倒れる様に調整。


腕輪から貝殻、鉱石、王都で買った布類を取り出し、完成品をイメージして『道具生成』。

オレを中心に10メートル位光が広がり、それが収まると目の前には精巧な細工がキラキラと光を反射している。

良し、イメージ通りだ。


菊と蝶の螺鈿細工。

オークションに出した菊繋ぎのグラスに合わせたグラスケースだ。漆を塗ったような艷やかな黒も美しい。

良かった。漆の代わりになる様な植物があったみたいだ。

出来上がりに満足したオレは、倒れた木を腕輪に仕舞い、犠牲者が居ないことを確認。


さて、この後はどうするか…ガルやマルシアさんの同胞も探さねばだし、奴隷のマーメイドさんも早めに解放してあげたい。

ただ、順番によっては不和が生じる可能性も有るなぁ…


奴隷の解放が先か?ただ森の中も安全とは言えないよな?




……よし、全部いっぺんにやってしまおう!

島に戻ると、主だった者を集める。

アルベール領はオレが、残りは島の皆に任せる。対岸への人員の輸送はマーメイドさん達、隠れている獣人の探索は空からハーピィさん達、地上はガルとマルシアさんにネロとジャックを護衛に付ける。何かあった時はハーピィさんにも助けて貰える様にお願いをする。


ガル達は西側を探索するので途中まで俺も付いて行っても良いだろう。


問題は船が小さく、5人も乗ったらいっぱいって所だが、マーメイドさん達に頑張って往復して貰おう。


ウィルは受け入れの準備だな。


これからの予定を話していると、コレットさんから提案があった。


「レイさんやマリンさんに移動の手伝いをお願いしてもよろしいですか?ウィルさん達を回収した時は1度に10人を乗せて来たと聞きました。」


「あっ!対岸に広場を作って有るから、そこに集まったらレイに言ってくれ。念話が届けばオレが迎えに行く。ダメだった時は皆で協力して島まで運んでくれ。」


どうも眷属達を忘れがちだなぁ。

基本海中に居るってのがいけないんだ。でも今更ダンジョンで暮らせ!とも言えないしな。

こんな時でもない限り出番は無いし、何より獣人達に色々と気を遣わせそうだ。


明日は探索の準備に使うとして、明後日の朝から出発する事にした。

オレじゃ無くて獣人達の準備だ。オレは常に腕輪の中に色々と入れてあるからね。

レイ達にも説明しておかないと。

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