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オジサン?は異世界で、思うが儘に生きて行く!  作者: ベルベットなあきのり


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44話目 会議

スターさんとローリィさんと話した翌日、俺はクラウンを連れて島に戻って来た。


【利を示せ】

この島の利。

まぁ間違いなく果物と魚介だ。

だが、これを公表するのは論外。世界中から狙われる。後は砂糖を始めとした、前世の知識を活用した料理。

うん。弱い。

アーンド釣具。

もっと弱いな。


そもそもこの世界の知識が少なすぎて、求めらている物が解らないのが1番ダメな気がする。


…ということで会議だ。


メンバーはウィル、ネロ、ジャック。

マーメイドさんやハーピィさんは長い事人間に係わって無いので解らないって辞退された。


「今回集まって貰ったのは、俺がこの世界の人間がどんな生活をしているか、全く知らないので教えて欲しいって事だ。」


「リョータさん、例えばリョータさんが知ってる事ってどんなんスか?」


おお、良いぞネロ。最初から素が出ているな。


「料理が微妙!酒が不味い。パンが堅い!本が高い!」


「全部愚痴じゃないッスか!酒不味いッスか?」


「ああ、そーいえばディニクの宿屋で飲んだ酒は美味かったな。後はワインは少しマシだな。ウチでも酒を造るか?」


「そもそも何でこんな話しになってるんスかね?」


「人間相手に商売を始める為だ。このまま獣人達が世界から切り離された状態を俺は健全だと思ってない。この世界に獣人の存在価値を認めさせる。その為の商売であり、商売する為に人間を知らなければならないと俺は考えているんだ。」


「リョータさん、よろしいですか?」

俯いたままウィルは話しを続ける。


「申し訳ありませんが、私は反対です。確かに今の我々は世界から切り離された状態かも知れません。しかし、獣人の価値が上がれば、また人間に攻められ、この地すら奪われてしまうかも知れない。」


「ネロとジャックはどうだ?」


「自分も同じ考えッス。やっと安心して暮らせるようになったのに、わざわざ危険な目に遭いに行くのは嫌ッス。」


「私も同じです。今の我々は明るい明日だけを見て生活出来ています。それを失うかも知れないと思うと…正直怖いです。」




「そうか、解った。俺は少し焦っていたのかも知れないな。だが、近い将来国中の亜人と呼ばれる種族が此処に集まってくる。全員を受け入れるのは難しいだろう。海岸線の森に住まないとならない者たちも出てくる。此処に籠ったままじゃ居られなくなる時が来る事を理解しておいてくれ。」


「「わかりました。」」「わかったッス」


「じゃあ解散!」






ダンジョンを出て、岩場で釣りをする。


そーだよねぇ…不安のが勝るよねぇ…

白狼族だって此処で暮らすようになってまだ1ヶ月も経ってない。やっと見つけた安息、失いたくないのも当然か。

そろそろあの3人以外にも島の果実を食べさせる事を考えないとな。



「引いてますよ。」

海からコレットが顔を出していた。


「おっと、ボーッとしてた。」


「珍しいですね。いつもはすっごい集中してるのに。何かあったんですか?」


「そーなんだよぉ。」

ウィル達との会議の結果をコレットに伝える。


「なるほど、そ~なった時は白狼族から追い出すんですか?」


「言い方!でも力の無い者たちを森に置くより、ウィル達みたいに強化されたヤツのが安全だろう?これからは白狼族全員に果実を食わせた方が良いかな?って思ってるよ。」


「ダメですよ。力を持ったウチの長老衆が何したか忘れました?今まで通り、信頼出来る方、復讐に走らないと確信出来る方で、少しづつ増やして行けば良いんです。外に住む方だって部族ごとじゃ無くてもいいんですよ。女性や子供を優先してこちらに、戦う力のある方達に森で暮らして頂いたって良いんですから。それに、私達も居ますし、レイさん達だって居るじゃないですか。」


「あ…レイ達完全に忘れてたわ…それに海岸沿いならマーメイドさん達無敵じゃん。ハーピィさん達に助けて貰っても良いし。なんだが全然余裕な気がして来た。安心したら腹減ったな。イカの天ぷらでもするかな。コレットさんも一緒にどう?」


「イカですか…今回は遠慮させて貰います。」

そう言ってちゃぷんと海に潜って行った。

「まだ食わず嫌いしてんだ。」


俺はダンジョンの自室に戻り調理を開始する。と言っても天ぷらを揚げるだけで、他は作り置きで済ませちゃうけどね。


イカを捌いて皮を剥く、薄皮が有るので

鹿の子包丁で切っていく。やらないと油が跳ねるからね。

次に冷水に卵を入れて撹拌、ざっくり小麦粉を混ぜる。

小麦粉を叩いたイカの切り身に衣を付けて揚げる。序にエビや野菜も揚げておこう。

最後に分けておいたイカの肝、これは鮮度が良くないと食べられない釣り人の特権だ。


イカの1部は刺身で食べて見よう。

醤油が無いのでごま油に塩を少々。

よし、完成だ!


「いただきます!」


うん、美味い!天ぷらはサクサクの衣に、イカの弾力。しかし少し歯を立てればサックリ歯が通る。やっぱり新鮮なイカは良い。続いて肝天、独特の風味があるが、旨味が濃厚!あ〜これは日本酒だ。刺身もイカの甘みが強く感じられて、こっちはコリコリの食感が小気味いい!オークションが終わったら米の生産地に行こう。日本酒飲みたい。




食事を終えた俺は貰った領地の森に来ていた。

うん。ジャングル。

人の侵入を、拒むが如く生い茂っている。入って少し奥に行っただけでうんざり程の草木。お散歩気分で来たが、森を甘く見ていたようだ。


どうしよう。力任せに引っこ抜くか?いや、流石にこの数を引き抜くのは時間が掛かりすぎるな。魔法でどうにか出来るか?


試しに地面に魔力を流し、木の根を押し出す様に操作する。

「おわっ!っと!」

危ない、こっちに倒れてきた…でもこれで何とか成りそうだな。


砂浜まで戻り、そこから森の広範囲に魔力を流して行く。

今度は土を柔らかくするイメージも加えて一気に根っこを押し出す。


おおう…凄い音。魔力を流した範囲の全ての草木は倒れていた。

倒れた物を一気に空間収納!直径200の半円状の空き地が出来た。

空き地にはサルやリス、ジャガー的な魔物、他にもヘビにトカゲ、見た事無い動物もチラホラ…うん、ゴメン。一帯に再生の魔法を掛けると、皆散り散りに逃げて行った。多分巻き込まれて死んでしまった者たちは空間収納に収まって居るんだろう。


出来た空き地に収納に入れた物を吐き出す。木は水魔法を使ってカラカラに、動物の死体は地中深くに埋めた。木は…どうしようかな…土魔法が有るから建材は必要ないし。この辺は温かいから暖房用の薪もいらない。バーベキュー様に炭でも作るか?でもあれって1晩中火を見てないとダメじゃ無かったか?まあ良いか。試しにやってみよう。

後は紙、植物紙も作りたい。少し残しておいて後でこっちもやってみよう。


広場に階段状の釜を作り、奥から木を並べて行く。これを蒸し焼きにすれば炭が作れる筈だ。1番下の段には枯れ葉や草を置いて着火。後は煙突の煙が透明になるまで火をたいて、透明になったら消す。その間火を絶やさない様にする。 うん、もう後悔。面倒くさい。

並べきれなかった薪を放り込んで、砂浜で釣りをしよう。



いかんいかん、釣りに集中し過ぎた。

窯を見に行こう。

まだまだモックモクだな…

薪を追加して釣りをしよう。


しかしこっちの世界の海は魚影が濃いなぁ。マゴチやヒラメ、ハゼやキスをでっかくしたようなヤツが釣れる釣れる。


帰る前に再度薪を追加して王都へ転移。

寝る前にもう一回やって明日の朝見に来よう。

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