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オジサン?は異世界で、思うが儘に生きて行く!  作者: ベルベットなあきのり


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38話目 プレゼント

ギルベルトの街の北門の外に200騎の騎馬隊を連れて転移した。何頭か棹立ちになる馬もいたが、流石王都を守る騎士団、すぐに落ち着かせていた。

街壁の上から誰何されたが、デュランさんが第1騎士団の騎馬隊だと返すと、街から4騎の騎馬が出てくる。ギルド前で話した隊長見たいな人も居るな。


「どうも、一昨日ぶりですね。衛兵さん達は侯爵から奴隷解散の王命は聞いていない、って事で間違い無いですよね?」


「はっ!聞かされておりませんでした。この地は王都に近く、獣人達も近づかない為、奴隷は少なく、侯爵邸に10人程居るのが全てです。その為、我々迄降りて来なかった可能性も有ります。」


「ありがとう。これから侯爵邸に調査に入ります。あなた達には侯爵邸の包囲を手伝っていただきます、良いですね?」


「はっ!」


衛兵達はブレナンさん、騎士団はデュランさんの指揮の下、侯爵邸を包囲して行く。


「サワダ殿、先程の巨石についてお話しを伺っても?確かあの場所には冒険者ギルドが有ったと記憶しておりますが…」


「……その話は後で詳しく話しますので。」


「やはりサワダ殿の仕業ですか。解りました、侯爵捕縛が済みましたら、お話し頂きます。」


どうやら侯爵は大した抵抗も無く捕縛されたようだ。

屋敷から侯爵1家と見られる豪華な服装の1団、続いて保護された獣人達が出てくる

ブレナンさんを見付けた侯爵がこちらに声を上げる。


「ブレナン!貴様の仕業だな!?奴隷解散など聞いておらんぞ!この件、陛下にもしっかり報告させて貰う!このままで済むと思わん事だな!」


「卿の言い分はこれからしっかり聞いてやる。そうだな、陛下にも立ち合って頂こう。それで文句有るまい?連行しろ。」

ブレナンさんは事務的に告げ、続いてデュランさんが指示をだす。

「第1騎士団は50名を残して帰還する。マーク隊、衛兵と連携して屋敷の調査、治安維持に努めよ。使用人からの聞き取りもだ。残りの者は北門を出て待機だ。」




どうもギルベルト侯爵が嘘を言っている様には思えない。奴隷達も、簡素だが侯爵に仕える者として相応しい衣服を着用しているし、肉付きも悪くない。酷い扱いを受けていた訳では無さそうだ。

本当に知らされて無かった?

だが、王都から馬で2日の距離の侯爵領に伝わらない。そんな事があり得るのだろうか?


疑問を感じながらも王都に転移。

ブレナンさんに着いて、応接室に戻る。


「サワダ殿、ギルベルトの冒険者ギルドで何が有ったかお話しいただけますな?」


ギルドでの事を話し、職員の服装や態度から、冒険者に対して詐欺、搾取が行わていたのでは無いか?と伝え、更に疑問に思った事を話す。


「巨石を退ければ、瓦礫の山から証拠となるものも出てくるかもね。それよりもギルベルト侯爵が更迭されて1番喜ぶの誰かな?」


「南のナファソ侯爵、東のシュバルゴ伯爵辺りかと。どちらも王都への交易路はギルベルト侯爵領を通らなければならず、商人は関税がかかり、北に軍を動かすにも侯爵領に蓋をされている形になりますからな。リョータ殿はどちらかが裏で工作を行ったと?」


「実際ナファソには反王族派が集まりかけてたよ。国を落とす前段階として、蓋を外したかったのかもね。」


「………これは私の失態ですな。ディニクの街からの帰路、ケイト侯爵夫人にディニクでの事を話したのです。距離的にもリョータ殿が次に向かう街はあそこでしたので、速やかな対応と周辺貴族の取りまとめを依頼した。」


「でも、失敗に終わってると思うよ。」

ナファソでの事を伝えると、ブレナンさんは怒った様な困った様な複雑な表情だ。


「今代の魔王様は、武力、魔力だけでなく、策謀にも長けているようだ…ああ、マリー嬢から聞きましたぞ。今更驚きもせんがね。」


「まぁ、そんな訳で侯爵への聞き取りは慎重にお願いします。それよりオークションに出したい物が有るんだけど、口利きしてくれません?」


「構いませんよ。しかし、サワダ殿の出品ですか?興味を惹かれますな。どの様な品を出品なさるので?」


2個のグラスをテーブルに並べる。


「なっ…これは素晴らしい!白金貨50、いや、100枚出しましょう!是非このブレナンにお譲り下さい。いや、陛下に献上なさいませ。子爵位は間違い無い。恐らくは伯爵位叙爵も十分有り得ますぞ!」


「献上?下賜じゃ無くて?って面倒が出てくるからオークションに出そうと思ってるんだ。対等にありたいからね。」


「確かに…沢田殿が献上してもメリットが無く、王も流石に下賜と言われては受け取れない。互いの関係を悪くするだけですか……しかし、この品が出品される事は王にも伝えさせて頂きます。後でグチグチと嫌味を言われるのも嫌ですからね。」


「じゃあ、国土を一部貰ったお礼に幾つかプレゼントしようか?王様って子供は居るの?」


「誠ですか!?王妃が2人と王子2人、王女1人の6名になりますが、引退した前国王夫妻に王弟等も含めますと11名となりますが…」


「じゃあ、12個も有ればいいかな?デザインが違うとケンカになるかな?」


「そんなに頂けるのですか!?デザインに関しては一度王にお渡ししてから、王の判断に任せれば良いかと。」


「まぁ、その気になれば何時でも作れるしね。この中から王様が気に入りそうなヤツを選んでくれる?」


腕輪から適当に選んでグラスを並べて行く。

「王自身に選んで頂く訳にはいかないか?私には判断しかねるのだが…」


「ダメ!此処で選んで!王様に会うなんてめんどくさい。決められないならあげないからね?」


グッと息を呑むと、ブレナンさんはブツブツと誰かの好みを呟きながら選んでいった。




「では、此方の12点でお願いします。」


「長いよ!40分は待たされたぞ。」


「しょうがないでしょう!王族全員の好みなんて把握してないし、私の判断で決めただけでも褒めてもらいたいくらいですよ。」


「おう、そうか。なんか…すまんな。」


「いえ、では、オークションの手続きはこちらでしておきますので。5日後の夕方迎えを送りますがどちらの宿にお泊りです?」


「オークション迄はへステア館って所にお世話になるので、何か有れば使いを寄越して。場所は門番さんが知ってる。あと、王都に入るのにずいぶん時間が掛かったけど、あれって毎度の事なの?」


「へステア館ですな、わかりました。沢田殿は特級職人に認定された、とディニクの街より報告が有りましたが使われなかったのですか?貴族用の門から入れば、さほど時間は掛かりませんよ。」


「そんなの有ったか?誰も使ってないから気付かなかった…まぁそんなんが有るなら気軽に出入り出来るな。」

明日は黒王号(仮)を連れて近隣を回って見よう。集落からこっち、運動不足気味になっているからな。


ブレナンさんとの話しを終え、王城を後にする。既に日は大きく傾いている。へステア館に戻り、料理長改め店主の料理に舌鼓を打つ。


やはり娘さんは俺からパン作りを学ぶのを躊躇っているとの事だ。明日は店主にパン作りの教える約束をし、部屋で休む事にした。

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