29話目 アマンダさんとケリーさん
ホープと別れ、魚も欲しいなぁ…
と言う事で暫く釣りをする。
眷属達に頼めばアッと言う間だが、それはそれ。
暫く釣りが出来るか解らないので、様々な釣りを満喫するつもりだ。
「リョータさん、何してるんです?」
岩場からコレットが顔を出す。
「暫くヨークデリアに行く事になったからな。その前に魚釣りをしとこうと思ってな。」
「え〜!出掛けちゃうんですか?」
コレットにブレナンさんとの事を話す。
「そこまでリョウタさんが気にする事無いと思います。私達を下に見て、奴隷として使い、楽をしてきた報いを受けたら良いんですよ!」
コレットさんはご立腹だ。口を尖らせてそっぽを向く。400歳を超えているとは思えない可愛らしい素振りを見せる。
「ちょっとリョータさん!今何考えてます!?」
「いやいや…。コレットが怒るなんて珍しいなぁ〜と思ってね。それに、これは王国の為だけにやる訳じゃ無いんだよ。」
「? どーゆーコトですか?」
「今回ヨークデリア王国は、奴隷解放を素直に約束してくれた。ただ、突然すべての奴隷を失った事により、国内の生産性も戦力も大きく落ち込むだろう。治安の悪化くらいならまだ良いが、他国から侵略され、国が滅んだら約束は果たされないよね?そうならない為にも暫く様子を見てみようと思ってね。」
「……わかりました。リョータさんの留守中は我々とハーピィ達で島を守ります!」
「あっ、それなんだけど、コレットから見て白狼族の人達はどう?一応忠誠を誓ってくれてる訳だし、これから人が増えた時に警備隊みたいな事も頼みたいんだね?その為にも島の果物を食べさせても大丈夫かな?」
「少し考えさせて下さい。悪い人達では無いと思いますが、まだ信用するには早いかと思います。全員では無く一部、と言う事なら良いと思いますが…。」
「そっか、じゃあ判断はコレットに任せるよ。何か有ったらレイやマリンに言ってくれたらすぐ戻るから。」
「わ、私ですか?そんな…ムリですよぉ。」
「数人に少量だけ、とかでも良いから。じゃ、行って来るね!」
そう告げるとすぐに転移を発動させる。コレットが何か言っていたが、別に全員に食べさせても、食べさせ無くても良いと思ってるので気にしない。
獣人は強者を敬うので、圧倒的な力を見せてやれば人が増えてもどうにかなるだろうと思っている。
ただ、それをやると力によるカーストが出来そうなので、なるべくならやりたく無いが…。
街から少し離れた所に転移する。
のんびり歩いて30分、街壁に辿り着いて気付く。オレ身分証持って無いな…冒険者証で行けるかな?
ドキドキしながら冒険者証を見せるとB級という事で大層驚かれた。まぁ強そうに見えないもんね。手ブラにTシャツにジーパンだし…
無事に街に入れたので、先ずはギルドに向かう。元奴隷の集まり具合や国内の影響を聞ければ良いのだが…
ギルドに向かう途中、見知らぬ男に声を掛けられる。
「あんたリョータさんで間違いないか?あんたを探してる人が居るんだ、一緒に来てくれないか?もちろん礼はする。」
「いえ、人違いだと思います。私の名前はキースですので。」
突然だったので思わず他人の振りをしてしまった。
「黒髪に黒目それに、あんたを探してるヤツがキースだよ。良いから来てくれ。頼むって!」
「わかったわかった!悪かった。でも急に言われたら他人の振りするのが普通だろう?まぁキースの呼び出しなら大体用件も解るしな。」
「ああ、あんたの想像通りだよ。あんたを連れ行くとオレもご相伴に預かれるって訳だ。」
まだそんなに経って無いのに…あいつ必死だなぁ〜…
男に案内され、港の近くの飲み屋に通される。カウンターに座っていたキースは、オレを見るとパァ〜っと笑顔になる。
「ノニ、でかした!さぁリョータさん、早速行こう!」
「先ずは軽く飲もう。素面ではちょっと行きづらい。」
この前、変顔で誤魔化そうとして失敗してるしね。
近くの酒場でその話しをして盛り上がり、気持ちよくなった所で娼館へ。キースはマリーダというお気に入りを、ノニは待合室の様な所にいる女性と話しをしている。
オレはというと、娼館に入るなり2階に案内され、アマンダさんの部屋に通された。
よし!オレも全力で楽しむとしよう。
翌日、昼前まで寝ていた為、今回もキース達は先に店を出ていると言われた。オレも帰ろうとした所で別の部屋に通される。
前回アマンダさんと一緒に相手をしてくれたケリーさんの部屋だ。
「リョウタさん、おはよぉ。」
そう言うと熱い抱擁をされる。
「あっ、オハヨウゴザイマス…」
まさかの娼館2連泊。まぁ楽しませて貰ったから良いんだけどね。なんかギルド行きづらいなぁ〜…
白い目に囲まれた過去が思い出される。
ギルドの無骨なドアを開け、受付には向かわず食堂のカウンターに座る。
ギルドマスターに魚セットとワインとツマミを頼み話しをする。前回は肉だったからね!
「よう魔王様、今日も昼からお酒ですか?」
「うむ、苦しゅうない。お前も飲むが良い。」
「そ~したいのは山々だがな。まだまだ仕事中なもんでな。で、酒を飲みに来た訳じゃ無いんだろ?」
「まぁね。奴隷解放の進捗状況とか、それに伴う国内情勢とか解ったら教えて欲しいなと…。」
「奴隷解放はまだ先になりそうだなぁ…ゴネてる貴族が大勢いる。まぁ当然なんだがな。奴隷は資産でも有る。急に手放せと言われて、ハイ解りました!とはならんさ。」
「因みに奴隷の価値ってどれぐらいなんだ?下等種扱いなんだし、人間の奴隷より安いのか?」
「まぁ人間の奴隷よりは安いが、それでも若い女なんかは金貨2、3枚は掛かる。珍しい種族だと白金貨もあり得るな。」
「なんだ。そんなもんか。」
小さなガラスコップで何人も買えるな。薩摩切子見たいのを20も作れば行けるんじゃないか?
「そんなもんって金貨だぞ!それに何人居ると思ってんだ?10や20じゃきかないんだぞ?」
「まぁ金策には心当たりが有ってね。後は買う側が金持ってるかだな。」




