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オジサン?は異世界で、思うが儘に生きて行く!  作者: ベルベットなあきのり


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22話目 貨幣ゲット

「ただいまぁ~!」

俺は白狼族を引き連れ、ダンジョンへと降りていく。

手前の部屋にウィル達が詰めている。

「あれ?街の方に行ってて良かったのに。」


「それよりリョータ様、後ろの者達は…」


「あぁ、船の乗員と交換で解放して貰ってきた。他にもヨーグデリアで獣人の奴隷は解放する様に交渉して来たよ。その内解放されると思うよ。」


「おとーちゃん!おとーちゃんだ!」


「ホープ!大きくなったな!元気にしてたか?」


「うん!元気にしてたし、良い子にしてたよ!」


「そうか……そうか!」


ウィルが息子と思われる子供を抱きしめる。その目には光るものがあった。


周りを見ると、そこかしこで同じ様に抱き合う親子や夫婦の姿があった。この光景を見れただけで動いて良かったと思わせてくれる。


「ほらほら、皆奥へ入って。これからの事を話し合わないとだよ。」


「なぁ兄ちゃん!兄ちゃんがおとーちゃん達を助けてくれたんだろ!おれ、この恩は絶対忘れないかな!」


「ん?あぁ、気にするな。あの船の奴らが気に入らなかったってのもあるしな。」


「ううん!忘れない!ありがとう!」


そう言うと通路の奥、田園地帯へと駆け出して行った。それに続く様に白狼族と共に俺も奥へ向かう。


「リョウタ様、我が一族を救って下さりありがとうございます。我ら白狼族、リョウタ様に忠誠を誓います。」


「いや、だからそーゆーの良いって!良いから行こう。ほら、あそこを抜けると街があるから。」

こいつら…何かあるとすぐに忠誠を誓おうとするな…


「こっこれは……」


「ここはダンジョン中みたいなんだ。見つけた時からこんな感じだから俺にも良くわからん。城門は普通に開くから適当に暮らしてくれ。因みに作物は3日もすれば元通りになるぞ。」

入口で固まっている白狼族に伝える。


「なんと……」


「ずっとここに居てもいいし、元居た集落に戻ってもいいし、あっ、出来たら畜産をやってくれると助かるな。」


「リョータ様はあの城にお住まいなのですか?」


「いいや、さっきの通路の所の部屋で寝泊まりしてる。最近じゃ風呂入りに行くくらいだな。なんなら城に住んでも構わないぞ。」


「そんな…恐れ多いです!」


そんな話しをしながら城門へと歩いていく。周りの田園地帯を見ては、驚いているようだ。


狼の獣人だけど野菜食べるのかな?なんて考えていると、大根?の様な野菜が埋まっている。気になったの抜いてみるとカブよりも少し細長い、大根とカブの間の様な形。

俺はコレを知っている。甜菜だ。砂糖大根とも呼ばれていた。湿度に弱いが、寒冷地や痩せた土地でも栽培可能な便利野菜。効率もそんなに悪くなかった筈。これで砂糖が作れる。


人間の街での砂糖の流通を聞いたが誰も知らなかった。甘味はほぼ無く、偶に見つけた蜂の巣から蜂蜜が採れるくらいだそうだ。

奴隷であった彼等は蜂に刺されながら蜂蜜採集をやらされる事も有ったとか…ひどいな。




「すげぇ!こんな立派な街に住んで良いのかい?」


「中を見てみろ!テーブルもベットも立派なのがあるぜ!オレ等の集落とは比べもんにならねぇ!」


「綺麗な食器、これは何?キャァ水が出てきたわ!」


「こっちは何に使うのかしら?変な形の椅子が有るだけなの?」


城門を潜り、好きな家に住んで良いと伝えると、あちこちの家から声が聞こえて来る。

キッチンや風呂、トイレなんかは説明が必要そうだ。

しかし、どんな原理で動いて居るのかは俺にも分からないので、使い方だけ説明していく。

こんなの貴族の屋敷にも無いと大絶賛している。

俺の住む部屋はもっと家電が充実してるけど内緒だ。


さて、そろそろ夕飯時、獣人達にはダンジョン内の作物を食べて貰うとして、今日は何を食べようか。

そーいえば人間の街に行ける様になったんだよな。でも金持って無いし…なんたらって魔導師はまだ居るかな?



俺は港に転移し、近くに居た船乗りに話しかける。


「ちょっといいかい?昼間の魔導師さんはまだ街に居るのかな?」


「オワッ!?ビックリしたぁ!あんた何時からそこにいたんだ?ブレナン様なら慌てて王都に帰ったよ。」


「そっか。飯でも奢って貰おうと思ったんだけどな。この辺りの通貨持って無いんだよ~。そーだ!こんなの買い取ってくれるトコ知らないかな?」

腕輪からガラスのコップを取り出す。デザイン性の無い、瓶ビールを頼むと付いてくるヤツだ。


船乗りはしげしげとコップを眺め、目を輝かせる。

「あんたコレ、何処で手に入れたんだい?透明でこんなに薄いガラスは初めて見たぜ。こりゃ〜出すトコ出しゃぁ一財産だ。ウ~ンそうだな。この1本向こうの道を左に行ったコトに薔薇が巻き付いた三日月の看板がある。そこなら買い取ってくれる筈だ。キースの紹介だって言っといてくれ。」


「三日月に薔薇ね。行ってみるよ。サンキュー!」


「さん?ん?ちゃんとキースからの紹介だって言ってくれよ!」


後ろ手に手を振り言われた店へと向かう。

左に曲がり、暫く歩くと言われた看板が目に入る。通りでも一番の大店だ。


「いらっしゃいませ。ようこそクレセントローズへ。」

扉を開くと年配の男性が落ち着いた声で挨拶をしてくれる。


「この店ならコレを買い取れるって、港でキースに聞いたんだがどうだろう?」

腕輪からガラスを出すと、店員が息を飲んだのがわかる。


「これは素晴らしい。ここまで曇りの無いグラスは始めです。それにこの薄さ!こちらはお客様が作られたので?」


「ああ…買い取りはお願い出来るか?」


「えぇえぇ、もちろん。こちらは1点限りなのですか?もし今後も作られるなら是非当店へお持ち下さい。」


「それは今回の買取金額次第だな。」


「では、今後のお付き合いも考えまして、金貨25枚で買い取らせて頂きますが、いかがでしょうか?」


金貨の価値が解らないな…まぁ良いんじゃないか?金貨1 枚で1万円位の価値は有るだろう。コップ1つで25万。貰い過ぎだ。


「ああ、それでお願いするよ。次に出来た時は20枚で良いかい?」


「はい、それでお願いいたします。では身分証をお願いします。」


「あ〜…身分証は無いんだよなぁ。無いとダメか?」


「そうですね…しかし身分証を持たずにどの様に街に入ったのです?」


「いやぁ~………転移で?」


「……なるほど、昼間に港にいらしてた、確かサワダ様でしたかな?」


「おお、耳が早いな。さすが商人といった所か。」


「解りました。こちらから領主にはお話ししておきます。次回見える時までにこちらで御用意させて頂きます。ではこちらが代金になります。」


「世話になる。」

渡された袋から金貨を2枚、店員に渡す。一瞬驚いた顔をしたが、直ぐに恭しく受け取った。



さて、軍資金は手に入った。港の前の道が賑わって居たので、一旦来た道を戻る。すると港から出てくる男が居た。キースだ。


「よう!さっきは助かったよ。おかげで無事買い取って貰えた。」


「そいつは良かった。あれなら高く売れたんじゃないのか?羨ましいぜ。」


「ちなみに金貨ってどれくらいの価値なんだ?」


「はぁ?あーそういえばあんた、この辺の金が無ぇって言ってたよな?どっから来たんだい?」


「ずっと遠い所さ。この大陸とは違う所から来たんだ。良かったらこの辺のコトを教えてくれないか?飯奢るぜ。」


「乗った!美味い海老を食わせる店が有るんだ。そこで良いな?」


キースと2人、港近くの店に入って行く。

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