18話目 変なの釣れた
あれ?コレット?
「おーいコレット!大丈夫か?」
「あぁ…ごめんなさい。理解が追い付かなくて…私にもプラス補正が付いてるのかしら?それに土魔法?」
「ああ、ハル程じゃ無いけどな…あいつお土産の果物ほとんど一人で食べたんじゃないか?他に貝も食べた見たいだし…」
「ふふっ、あの子らしいわね。そんなにいきなり強くなって不具合は無いのかしら?」
「そ~だなぁ…俺の場合は上限が上がったって感じかな?昔の感覚で動く分には問題無いし、力を込められる量が上がったって感じ?」
「そう…ですか。後でハルにも聞いて見ますわ。それに私も、これからはなるべくこの島の恵みを頂かないと。」
「そーだな。俺もまだこの島で暮らして半年くらいだし、三食食べてれば直ぐに誰にも負けないくらいになるさ。」
「そうね。でも…なるべく偏りが出ないようにしながら食べさせて行くわ。仇を取りに行くなんて言い出されたら困るもの。」
「そうだよなぁ〜。やっぱり人間を恨んでるヤツは多いのか?」
「もちろんよ。ハーピー達は代替わりしているけど、マーメイドは直接迫害を受けた人達も多いんだから。」
「そっか…長寿ってどれくらいなんだ?」
「そうね…3千年から4千年かしら。集落の半数以上は当事者よ。中には腕を切り落とされた者も何人かいるわ。」
「そうか… そうだ!直せるかも知れないぞ。ほら再生魔法で!やったコト無いから分からんけど…。」
「どうかしら…一応聞いてみるわ。ただ、彼女達が人間を受け入れるかしら。」
「じゃぁコレットがやってみるか?確かカニを食べたら覚える筈だぞ。」
「カニ?人間はあれを食べるの?硬いし食べれる所なんて殆ど無いじゃない。」
「あぁ美味いぞ。因みにイカやタコ、ウニなんかも食べるな。」
「…………そう。」
「まぁ見た目はあれだよな…そうだ!人間と言えば、南の海に船が来てるんだが、あれが何処から来たのか解るかな?」
「この後見に行って見るわ。軍船や大きな商会の船なら所属を示す紋章が有る筈だから。」
「すまない、助かるよ。」
コレットと別れた後、東の海岸にあるゴロタ場に向かう。船を放ったらかしにして出掛ける訳にも行かず、時間が出来たので釣りに来た。
サーフ(砂浜)でのルアーフィッシングだ。
リールはミスリル製のスピニング、鉱石の状態から見て多分ミスリルは錆びない。
リールは自分で分解、清掃をしていた事もあってかなり望む性能の物が出来た。
ちなみにドラグ機構はつけてない。切れない糸でパワー勝負だ。
ラインは綿花から、ルアーも金属製から木製、浮力を考慮したハイブリッド等。
色は鉱石を砕いて油と混ぜてそれっぽくしているが、クリアが無いので直ぐに落ちてしまうのが難点だ。
ここは20メートルも投げるとその先から深くなっている。スキル「遠投」を使うまでもない。
スキルを使うと500メートル位投げられるが、そんなに糸巻いていないし、回収が大変なのだ。
40メートル程投げてルアーが沈むのを待つ。
着底と同時に大きく5回程しゃくり竿先を下ろしながら2秒待つ、またしゃくっては待つ。
コレを繰り返す。
アタリが無ければ移動して繰り返す。
ルアーを変えては繰り返す。
ちょっと動かし方に変化を付けたりして繰り返す。
魚の気持ちになって繰り返す。
何度も何度も繰り返す。
日が傾きかけた頃、しゃくりを入れたタイミングで竿に負荷がかかり大きく曲がる。
(かかった!)
手応えを感じながら、竿を立て過ぎないようゆっくりと寄せて来る。
波打ち際をバシャバシャと魚が上がってくる。
「なんだコレ!?」
上がって来たのはワニの様なサメ?サメの様なワニ?恐竜?と言った見た目でをしており、はっきり言って怖い。
さてどうしたものか。大きさは90センチ程だが、口は大きく鋭い歯が並んでいる。素手で針を外すのは躊躇われる。
フィシュグリップ等も作ってないしな…先に締めてしまおう。
腕輪から太刀を取り出し、頭の付け根辺りを斬りつける。硬そうな見た目だがあっさりと刃が入り、背骨を断ち切る。
すると皮、肉、石?を残して魚体が消えた。
「おっ、ドロップアイテムって事はあの魚は魔物なんだな。ってコトはこの石は魔石なのかな?」
ピンポン玉位の大きさで濁った青い石。
なんとなく太陽に透かしてみる。
モノクルで鑑定してみると、やはり魔石だった。城の書庫で読んだ本には、魔石は魔導具を作った時の電池の様な役割が有るらしい。ちなみにダンジョンハウスの魔道具は直接魔力を込めて使う方式だ。何処かに魔石が有ってそれを介しているかも知れないが、使う上で困ってないので調べてない。
今の所使う予定も無いので、腕輪に収納だな。
肉はカツオに近いのだろうか?
塩茹でして乾燥させてみるか…カビが無いのが問題だな。
塩茹で、乾燥、燻製でもそこそこの物は出来る筈だ。
鰹節に付いてるカビってどんな物なんだろう?
昆布や干し椎茸なんかも欲しいなぁ。




