13話目 霧
翌朝?真っ白な世界で目が覚めた。
一瞬また死んでしまったかと思ったが、身体は船の中に有る様だ。
光る白い霧の中に居て、辺りの様子は解らない。
遠くに波の音が聞こえる。優しい白い光の中、いつの間にか意識を手放していた。
『…じ殿ぉー!主殿ぉ!無事ですかー!どちらに居られますかー!』
『よぉレイ。オレなら大丈夫だぞ。今は山の上に避難してるよ。他のみんなも大丈夫だったか?』
『はい。全員無事です。それよりも報告したい事がございます。西側に島を、北東側に大陸と思われる陸地が現れたそうです。』
それを聞いてすぐに船から這い出し、北側を確認する。
確かに大きな陸地が見える。奥には頂上付近が白くなった山脈もだ。北側と東側の陸地までは10キロほどだろうか…北東方向は大地が河に沿って削れているため、陸地までの距離は少し有りそうだな。
西側は更に近い。3キロ無い位の距離にこの島の数倍は大きいだろう島がある。
どちらもここから村などは確認できないが、昨晩の地震で出来たとは考え難い。森が有るし、あんな物が一晩で出来たらこの島は津波で沈んでる。
『主殿?どー致しました?主殿ぉ?』
『おーすまんすまん。ここからでも確認できたよ。あそこって人は住んでるのかねぇ?』
『誰か確認に出しますか?』
『ん〜…いやぁ良いよ。近くに住んでる人がいたら、向こうから来るでしょ?きっと!来たら教えてね。』
『かしこまりました。注視しておきます。』
島ごと転移したのか?片足裸足の神様の意図が分からんぞ。
アイツの事だから間違えて転移させて、今になって気付いたから、正しい所に転移し直したって事もあり得るな。
まぁ考えても答えは出ないだろう。暫くは様子見だな。留守の間に誰か来ても困るし、誰か来てから対応するって事にしよう。
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「急遽集まって貰ってすまないな。気付いていると思うが、昨晩の地揺れと北の海に現れた光の柱について、皆の考えを聞いておこうと思ってな。」
「王よ、すでに神殿勢力は神がこの地に舞い降りただの、神が天使を遣わしただのと騒いでおります。放おっておいても彼等から報告が入るのでは?」
「そうも行くまい。神殿に都合の良い様に改竄された情報を掴まされるぞ。調査は我々騎士によって行われるべきだ。」
「騎士団が何を調査するのだ?剣では何も解決出来まいて!王よ、調査は我々、王立魔導院へ御命令頂ますよう。」
「ふん!魔導士等、現場に着くのに年が明けるわ。他国も動き出すだろう、我々にお任せを!」
「はぁ~…ではカストール騎士団長、200騎連れて現場へ向かえ。神殿勢力、他国の者を現場へ近付けるな。
ジルバ魔導士長、光、聖の属性魔道士を同道させろ。魔法的な調査はそちらに任せたぞ。」
「「はっ」」
二人の礼を受け、王は何時もの執務室へと戻る。その後ろをこの国の宰相を務める男が付いて行く。
「良かったのか?神殿側が黙ってないぞ?」
宰相を務めるこの男はリカルド、幼い時から私に仕える優秀な臣下であり、唯一の友である。
「わかっているさ。長くは持たんだろうな。それでも危険が無いと解るまでは時間稼ぎも出来よう。
今回の件、お前はどう見る?」
「解らん。似たような伝承も無い。デカい海洋魔獣の縄張り争いかも知れんし、魔王復活の前兆か、神の降臨か……」
「そー言えば東側の国々では神殿が争い合っているとか?」
「ああ、女神の盲信者、いや狂信者だな…一部では酷い事になっているらしい…………」
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「同士諸君!諸君らは導きの光を見たか!」
「「「おおおぉぉぉ!」」」
「女神は我々の求めし者を、彼の地に遣わしたに違いない。」
「「「おおおぉぉぉ!!」」」
「彼の地には自由と、新たな秩序が有る筈だ!さぁ遅れるな!共に奇跡の体現者になろうぞ!!」
「「「おおおぉぉぉ!!!」」」
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「昨日の光はなんだったんだろうね?」
「ねぇ?びっくりしたねぇ。」
「でもでも、優しくて暖かい光だった。」
「海神様が産まれたのかな?」
「なんか小さい島が出来てたって!」
「行ってきたの?」
「なんか、こわい気配して逃げてきちゃったの!」
「こわい気配?」
「こわい気配!」
「「「こわ〜い!」」」




