14話目 異世界初の友達
あの夜から5日経った。何やら島の方からこちらを観察している者たちが居る。
得に敵意も無いため、こちらも観察するに留めているが…
まぁ、双眼鏡を作ったので、どんな相手か解っている。
ハーピィさんとマーメイドさんだ。
この二種だが、どちらも女性しか居ないみたい。
そしてお歌がとっても上手だ。おじさん仲良くなりたい。
この5日でだいぶ近くまで来るようになったが、まだまだ距離が有るし、こちらから近付くと逃げていってしまう。
さてどうした物かと考える。共通の話題は無いものか?オレも大きな声で歌ってみるか?流石に恥ずかしいな。スルーされたら死ねる気がする。
そー言えば彼女達が楽器を使ってる所を見てないな。よし、作ってみるか!
先ずはマラカス。簡単だ。くり抜いた木に小石を入れたら膠で接着!
畜産を始めたからな。膠も作れる!
次は木琴。道具精製は楽器も行けた。密度をガッツリ上げて鉄琴見たいな音のバージョンも作った。
お次はギター!アコースティックなギターだ。弦は碧い鉱石から作った。ちなみにモノクルで確認した所ミスリルってヤツだった。弦の細さを変えたり、チューニングが大変だった。
そしてギターが出来たら一曲弾きたい。
アコースティックギターの定番。
〘真実の愛〙
はずさぁ〜♫
パチパチパチパチパチパチ
うんうん、ありがとうな、レイ、マリン。
マーメイドさんはだいぶ近くまで来たな。
ハーピーさんは距離は有るがこっちの島に上がってるし、もう少しだろう。
次は…
〘そばに居て欲しい〙
バイミィ〜♫
パチパチパチパチパチパチ
今度はマーメイドさんからも拍手頂けたぞ。
そこでオレはマーメイドさんに近づきギターを渡す。
マーメイドさんはおろおろとギターとオレを見た後、肚を決めたのか真っ直ぐ俺を見て微笑んでくれた。
「オレはリョータだ。良かったら弾いてみるか?」
「コレットです。綺麗な音がするのね。良かったら教えてくれる?」
コレットは長い金髪で、濡れた長髪を片方の方に纏めている。大きな青い瞳に長い睫毛、整った鼻筋に薄い唇。
とても美人さんだ。下半身は魚だけども。
ギターを渡し、弾き方を教えていく。が…ここで問題が…水掻きの付いている手だと幾つかのコードが弾けない。
と言う事で木琴を教えて行く事にした。
暫く教えているとハーピーさんもやってきた。
名前はハル。
華奢で身長もオレの胸辺りまでしかない。
肘から肩にかけてオレンジの羽毛があり、足は猛禽のそれだ。背中には大きな羽根もある。髪も羽毛と同じオレンジで、短いが頭頂部にクリンと飾り羽の様なくせ毛がある。
コレット同様に楽器に興味があるみたいだ。
ただ……あんまり頭がよろしくない。
考えるのが面倒な様で好きにギターを掻き鳴らしては歌っている。
ただ、歌声はとても美しい。
そんなハルを眺めているとコレットが話し掛けてきた。
「リョータさんは此処で暮してるのよね?この島は何処から来たの?」
「ああ…それなんだが、俺にも解らないんだ。夜中に島が霧に包まれて、大きな地震があって。夜が明けたら周りの景色が変わってた。」
「こっちでは海が荒れだしたと思ったら、光の柱が現れて、朝には島が現れてたわね。きっと大きな騒ぎになるわ。」
「お腹空いたの。そろそろ帰る。」
ギターに飽きたのかハル近付いて来た。
「ギターはもう良いのか?」
「これ難しいよ。思った音出ないね。」
「そっか。ハル達はあっちの島で暮らしてるんだろ?街とかあるかな?」
ギターを受け取りながら尋ねてみる。
「街?村だよ。コレット達は海。ハル達は森で暮らしてるの。」
「そっか。人間は居ないのか?」
「人間イジワルだから居ないの。ハル人間好きじゃないよ。」
俺も人間なんだけどな……
「リョータさん、人間は私達を魔物と人間の間の存在と考えているのです。良くて迫害や従属、最悪の場合は殺されてしまう事も有ります。」
いや、俺も人間………
「あの島の周りは海流が複雑で、暗礁も多いので安全だったのですが…」
「あっ、この島が出来たせいか…」
「はい。今の所は大丈夫ですがいずれは…」
「マジかぁ〜なんかすまん。何か困った事が有ったら頼ってくれ。まぁ何が出来るかは分からんが……」
「お腹空いたよ。もう帰ろう?」
「ああ、悪かったな。ほら、お土産持ってけ。」
腕輪から果物を籠ごと渡す。
「良いのぉ?リョータ友達!また来てもいい?」
「もちろん。何時でもおいで。」
「ありがとう。じゃ〜ねぇ!」
そう言うと籠を抱えて飛んで行ってしまった。
「もう、あの子ったら。リョータさん、ありがとうございます…えっと…空間魔法が使えるのですか?」
「それも使えるけど、さっきのはこの腕輪だよ。マジックアイテムって言うんだろ?島のダンジョンで見つけたんだ。こっちだと鮮度そのままで保存出来るんだ。」
「時間停止の…空間魔法も!?そ、うですか、素晴らしい魔導師様なのですね。何か有りましたら相談させて頂きますね。では、私も今日はこれで失礼致します。」
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島に戻ると私はすぐにみんなを集めた。
「コレット、どんな様子だったんだい?」
「リョータという一人の人間が住んでたわ。友好的だし、私達に悪い感情は持っていなさそう…ただ、ただの人間じゃ無いわね。マジックアイテム持ちで空間魔法も使えるみたい。」
「空間魔法!?本当かい!?」
「マリーダ、落ち着いて。私も見たわけじゃないの。何も無い所からハルにお土産だって果物渡して、空間魔法使えるか聞いたら、使えるけど、今のはマジックアイテムだって。」
「収納のマジックアイテムに空間魔法か…関わらない方が良いんじゃないかい?」
「でも島が現れて海流も変わってしまったわ。此処も何時まで安全か分からない。出来れば味方になって欲しいわね。」
「あー、そっちもあったね。で、ハルは何処に行ったんだい?ハルゥ〜お土産貰ったって?」
「うん!美味しかったよ!」




