#1-21 ジャストガード 襲来!!
【22/5/23】
数日休んでしまいました。1日休むと無限に休んでしまうのは自分の悪い癖です。今日から頑張って習慣を復帰しますのでよろしくお願い致します。
そうだ、ヴリドラさんの威圧が凄くてすっかり忘れていたけど、あれが存在しているのか検証してみるか。
忘れていた事は【防御】関連について。盾を構えれば【防御】扱いになり、ダメージを抑える事が出来る。軽減量は感覚だけど、半分くらい。少なくとも、完全に防げるという訳ではない事は解っている。それなら【防御】ではなく、【回避】の方が全体的に愛用される。【回避】のほうが安易であり、ダメージもゼロだからである。また、【防御】は逆利きが動けば直ぐに発動できるので、【回避】が出来ない直面の緊急用として使用されるが多い。
しかしながら、アクションRPGの【防御】には上級者用の技術のあれがある。ヴリドラさんの威圧や、ここが現実のせいですっかり薄れていたけど、もし、それが出来るなら検証対象にしなくてはいけない。
『ギャオオオおおおおおお!!!(何回お前に殺されなくちゃいけねぇんだよおおお!!!)』
ヴリドラさんと対面すると、自分に【押しつぶし】をしようと巨大な右手を上げる。
ひええ、このデカさ……これは力入っちゃうな。
リアルで攻撃されるとなると、ゲーム通りにはいかない。人間的な本能で思わず力が入ってしまう。
もし、失敗して無防備状態で攻撃されても、ヴリドラの攻撃力では一撃で死ぬ事は無い。だから、やるしかない。
全身の力を抜いて、ヴリドラさんの攻撃が当たるのを待つ。やはり、この状態で力を抜くのは非常に難しい。
まだだ……まだ。
遂にヴリドラさんの巨大な拳が自身の顔面付近まで距離が迫る。
ここだ!
自分は全身に力を入れ、攻撃が当たるギリギリのタイミングで防御体制になる。
ガッチーンッ!!!
お?
いつもと違う手応えだ。通常の【防御】よりも今良い方面で。
ーーーーーーーーーーーーーーー
松本直人
HP:109/110
ーーーーーーーーーーーーーーー
ダメージは……ある、1ダメージだけ。通常の【防御】でのダメージは4~5程なのでかなり軽減されている。
他に違いを感じたのは効果音だろう。通常の【防御】は『ガンッ!』だったが、今回は『ガッチーンッ!!!』。滅茶苦茶【防御】した時のSEが強調されている。まるで、意図的に発した音ではないようにきこえた。
この【防御】をした直後にヴリドラから異変が発生した。殴った右手から全身に向かって後方に弾かれ、大きく身体が揺らいだのだ。
これは非常に大きな隙になった。その間に檜の棒で殴る。
バコーンッ!!!
『ギャオオオおおおおおお!!!(もう喋ることねぇよ畜生ーっ!!!)』
バターン!!!
お、クリティカルだ。
クリティカルが出れば、自分でもヴリドラさん相手なら一撃で倒せる。クリティカルか出たかどうなのかも、音で把握出来る。
「師匠……今の何? 何か凄い音が鳴ったんだけど。」
谷口さんが意味不可解な【防御】でおもわずこっちに駆け付けて来る。
「多分【ジャストガード】。」
「じゃ、じゃすとがーど?」
「略して【ジャスガ】。攻撃されたタイミングと同じタイミングで【防御】すると発生する。通常の【防御】よりも強い。」
「そんなのあるんだ。何かカッコいいね、それ。」
「自分もまさかあるとは思っていなかった。ここは現実、【ジャスガ】なんてゲームだけの概念だと思っていたけど出来てしまった。宇宙人は物理法則を変える力を持っているのかもね。」
現実の物理法則を考えると、タイミングよく【防御】してもダメージを軽減できるわけない。それでも、もしかしたら出来るかもと思って思いっきりやってみたけど、普通に出来ちゃった。何でもやって見るものだな。
【ジャスガ】は大きくダメージを軽減出来るだけでは無い。相手に休み効果を与え、カウンターをする事が出来る。【ジャスガ】はアクションRPGにおいて、自分が最も得意とする分野だ。
【ジャスガ】は強力な分、その分難易度もとてつもなく高い。敵の攻撃と同時に防御する、これを狙ってやるのが非常に難しい。失敗のリスクが大きい事から【ジャスガ】より【回避】の方がガチ勢には愛用されている。
あの龍君ですら【ジャスガ】は殆ど狙っていない。【回避】の方がずっと楽だからそっちの道を選んでいる。狙って狙える物では無いのだ。自分が様々なアクションRPGや格ゲーでずっと鍛錬を続けて、ようやく安定して出せるようになったくらいだし。そのくらい【ジャスガ】は難しい。
では、なぜ自分は【回避】よりも【ジャスガ】の道を選んだんだって? そんなの見た目がカッコイイからに決まってるでしょ。
自分は別にRPGが好きだから15000時間やっていただけで、強さを求めてあらゆる物を犠牲にしているわけではない。ガチ勢とエンジョイ勢、どちらかと言われると、エンジョイ勢寄りだ。ロマンは求めるし、多少強さを犠牲にしてでもやりたい事はやってる。そうやって、今までRPGというジャンルを楽しんで来たから。
という事で、【ジャスガ】をもっと知りたい、純粋に得意分野として。ヴリドラさんを通して、【ジャスガ】の試行錯誤をする。
ガンッ。
あ、失敗したか。これでタイミング早いのか。
ドゴンッ!
痛たたた……これで遅すぎなのか。かなりタイミングシビアだな。
ガッチーンッ!!!
お、出来た。
バッコーン!!!
スタンを与え、再びクリティカルが炸裂する。あれ、こんなにクリティカルって出せたっけ?
ガッコーンッ!!!
ザシュ!
ガッコーンッ!!!
ドガーンッ!!!
岩石が跳んでくる【アースボール】、地面を揺らす【地割れ】は中・遠距離攻撃の為、敵のスタンは無いものの【ジャスガ】を入れる事が出来た。【アースボール】に至っては『反射』というオマケ付き。跳んできた岩石がヴリドラに跳ね返り、ダメージを与えることが出来た。ダメージ自体は大した事なかったけど。
ガッコーンッ!!!
バッコーン!!!
【押し潰し】の【ジャスガ】が成功する度に、全部クリティカルが出せる。もしかしてスタン中って確定クリティカル?
ガッコーンッ!!!
バッコーン!!!
うん、また出た。クリティカル確定で良さそうかな? だったら、滅茶苦茶強いな。カウンターとしては最強候補だ。その分、本来の【ジャスガ】よりも発動難易度が遥かに高い。これは自分でも相当練習しないと10割出せない。【ジャスガ】メインで闘ってきた自分も現在8割って所か。
「あちちちちち……!」
特にこれが厄介。ヴリドラさんの【灼熱のブレス】。まだ【ジャスガ】が一度も成功していない。【ジャスガ】が入るタイミングが全然分からないのだ。それに失敗した時のダメージが30を超え、非常に厄介。ポーションで回復出来るが、1個1000ドスコイ。あんまり無駄遣いしたくない。
ブレスが直撃してから、ダメージを喰らうまでには若干時間が掛かる。【ジャスガ】が発動するタイミングは『ダメージが喰らう直前』なので、非常にタイミングが見極めにくい。
ヴリドラさんが【灼熱のブレス】を吐き出し、自分がもろに喰らう。ダメージはまだ無い為、全身を抜いて待機する。
「……」
……ここら辺?
ガッコーンッ!!!
おっしゃー! ブレスもちゃんと【ジャスガ】入ります!
ダメージは3。スゲェ軽減されている。無防備状態で30~33、防御状態でも15~17喰らうのに。これは強い……やっぱり【ジャスガ】はロマンであり最強だ。
え? ブレス攻撃の【ジャスガ】はスタンやクリティカルのリターンがないなら0ダメージの【回避】の方がいい?
君のような勘のいいガキは嫌いだよ。




