表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
宇宙人襲来!!  作者: Minoru
1章 調査編
39/66

#1-13 職務皆無 襲来!!

 トイレに行けなかった。これは由々しき事態だ。公衆トイレまでが武器・防具屋になっているとなると、全ての公衆トイレが全滅している可能性がある。見過ごせない問題だ。何故なら漏れそうだから。


 「他の公衆トイレも調べてみよう。」


 二人は公園から出て、別の公衆トイレを探す。30分程歩いた先に、別の公園の公衆トイレを発見した。そろそろトイレが我慢できなくなってきた所で、中に侵入する。


 ここも扉が1つしかない。また、施設になっているのだろうか? 宿屋とかになっていたら地獄だよね。なんで、便器に座って一泊しなくちゃいけないんだ、ということでね。


 恐る恐る、扉を開ける。


 ガチャ。


 案の定、全く気配を感じなかったおっさんが便器に座っていた。さっきのおっさんとは違う。ここは別の武器屋なのだろうか?


 いや、ちょっと待て? このおっさんは何で下半身脱いでるんだ? いや、普通か。だってここはトイレだもんな。でも、前のおっさんはちゃんと着たまま座っていたぞ? この着脱(ちゃくだつ)の違いは何だ?


 あれ、ちょっと待って?


 この人はプレイヤー同様、『名前』『レベル』『職業』『HPバー』が表記されている。前のNPCは『名前』しか表記されていなかったけど、NPCにもステータスという概念があるのか? SNSの情報ではステータスの概念は無いみたいだけど、彼が特例なのか?


 というかう〇ちしてるじゃんこの人!? NPCもちゃんと〇んちするのか!? しかも、臭い匂いもちゃんと再現されている!?


 いや、流石におかしい。NPCは食事を摂らない。うん〇するなんてどう考えてもおかしい。あれ、この人もしかして……


 プレイヤー?


 「……」


 「……」


 これは、やっちまったか?

 

 自分は今、知らない人のう〇ちを覗いている残虐非道な行為を実行している。これは人生終わったか? いや、まだ焦る時ではない、落ち着け。気配を見せずに、鍵を掛けていない向こうも悪いのだから。


 このまま何も知らない振りをすれば、向こうも空気を読んでくれる筈、おそらく。


 自分は何も気づかない振りをしながら、無表情で扉を閉める。


 ……ガチャ。




 ……ふぅ。


 バタンっ!!!


 「貴様ぁぁぁ!!! 俺様のうん〇を見て、唯で返すと思うたかぁああ!!!」


 「ひぇええええ!!! すみませんすみませんすみません!!!」


 〇んちしていた男が下半身パンツの状態で飛び出して来た。


 その言動に自分は反射的に全力で叫び、外に向かってダッシュしていた。捕まったら死ぬ。本能がそう叫んでいた。


 「兄貴ぃ!!! どうしたんでぇ!!!」


 逃げた先からなんか来たんだけど!?


 原告者の叫び声で、逃げ先から子分みたいな男達が数人駆けつけてきた。囲まれてしまった!? これでは逃げられない!


 「聞いてくれよ!!! コイツが許可無しで俺様の〇んちを覗き見したんだ!!!」


 「なんだとっ!?」


 「兄貴のう〇ちを覗き見しただとっ!?」


 「他人(ひと)のプライバシーを何だと思っているんだっ!?」


 相手は身長190cmを超える大柄な男達。まさか、兄貴と呼ばれてる男がこんなにもお偉い存在だったとは……どこかのヤクザの族長なのか? くそっ、万事休すか!?


 と思ったその時、身を(すく)むような瞳で睨んでいた兄貴が突然、きょとんとした表情に移り変わる。そして、自分にこう呼びかけてきた。


 「あれ、お前直人じゃねぇか?」


 「え?」


 この人、何で自分の事知っているの? こんな名前の人知らないけど……いや、待てよ。


 彼の職業名が……『無職』!? 周りの子分達も全員『無職』。まさか、この人達は……


 「む、ムーショックさん?」




******************


 「うお、その呼び方っ!? やっぱり直人じゃねぇか!」


 「えぇっ!? 本当にムーショックさんなんですか!?」


 驚いた。兄貴と呼ばれた男の正体はまさかのムーショックさんだった。


 ムーショックさんはSNSで出会った知り合いだ。自分が悩んでいる時によく相談相手になってくれた先輩でもある。但し龍君とは違い、直接オフ会をしたことが無い。その為、姿も本名も分からなく初見では気付けなかった。


 ムーショックさんは「無職グループ」という訳の分からないグループのリーダーを務めている。この前、職業選択しなければ『無職』になれるから『無職』になれと誘われたが、全力でお断りした。まさか、こんな所で会えるとは……世間って思ったより狭いんだな。


 「うえっ!? お前本当に直人なのか!?」


 「うおおお!!! 直人じゃねぇか!!!」


 子分さん達にも非常にお世話になっている。『無職グループ』にだけは絶対に入らないけど。


 「てか直人ちっちぇな!? 本当に高校生なのか!?」


 自分が小さいのもそうだけど、あんたらがデカすぎるのよ。


 「よしっ! 直人なら全てを許そうじゃねぇか!」


 「今後直人には『兄貴のう〇ちを自由に覗き見する権利』をやろう!」


 世界で1番いらない特権を頂きました。


 というか、ムーショックさんの名前、プロフィール設定していないから本名だよな? 彼の本名初めてしったんだけど……


ーーーーーーーーーーーーーーー

 職務皆無(しょくむかいむ) 無職 Lv.2

ーーーーーーーーーーーーーーー


 いや、本名も酷すぎる!? これを付けた親の神経どうなってるんだ!?


 「あの、ムーショックさん……その本名を親につけられて、恥ずかしいとは思わないんですか?」


 自分はすかさず、彼のコンプレックス的に悩んでいそうな事を聞いてみる。自分だったらこんな名前つけられたら人生終了する。恐らく、一生親を恨む事になる。


 「そんな訳ねぇ! こんなに素晴らしい名前を付けていたんだ! 寧ろ、誇っているくらいだぜ!」


 あ、うん……そうか。


 人生を無職に捧げてる人にとっては、関係ない悩みだった。


 「でも本名が世間に公開されるのはやっぱり恥ずかしいな!」


 「名前変えれますよ?」


 「え、マジっ!?」


 「セレクト画面を開いて、スキル一覧→強さ→プロフィール編集で変えられます。」


 ムーショックさん達は見えない(・・・・)セレクト画面を開いて指示通りの操作をする。ふむ、やはりセレクト画面はパーティー同士にしか見えないのか。


 暫くすると、彼の名前が変更された。


ーーーーーーーーーーーーーーー

 ムーショック 無職 Lv.2

ーーーーーーーーーーーーーーー


 お、変わった。子分達も元の見慣れた名前に戻っていく。


 このようにプライバシー考慮して、ニックネーム表記に出来る。自分は面倒くさいから本名のままだけど。SNSでも本名で生きてるし。ちなみに職業とレベルは隠せない、プライバシーとは。


 「うおおお!!! 助かったぜ!!! というか直人のそれ……」


ーーーーーーーーーーーーーーー

 松本直人 盗賊 Lv.1

ーーーーーーーーーーーーーーー


 「何で『無職』にしなかったんだよーっ!? しかも『盗賊』とか犯罪者になってるじゃねぇか!? 犯罪者になるくらいなら無職になれよ!?」


 「犯罪者も無職もそんなに変わらないと思うんですけど……」


 「ちっちっちっ。無職は基本自由に生きていていいが、一つだけ絶対に守らないといけない事がある。それは他人の人権に危害を加えない事だ。無職とは『自由』の象徴。自分の『自由』だけではなく、他者の『自由』も尊重しなくてはならない。犯罪者は他人に危害を加える社会のgmに対し、無職は他人の人権を守る社会の不適合者なのだ!」


 「どっちも変わんないわ!」


 ここだけの話、自分が職業選択する中で『無職』という候補があった。自分が職業選択する基準の1つとして『選んでいる人が少ない』というものがあったからだ。


 基本職の中で一番選ばないであろう職業は何か? それは『無職』だ。『無職』は全職業の中で、おそらく一番弱い職業。宇宙人も『職業選択しないと「無職」になるから気を付けてねー!』と警告していた程だから間違いないだろう。


 しかし、『無職』には『無職』にしか出来ない事がある可能性も決してゼロでは無い。今回の目標は強くなることではなく、なるべく多くの情報を収集し、攻略サイトを作る事。『無職』の情報を集めるために、自分が『無職』になる選択肢も一応あった。


 だが、その選択肢は直ぐに無くなった。『無職』の情報はムーショックさん達から回収出来るからだ。よって、最終的には一番情報を収集できそうな『盗賊』を選択した。


 お前ら、絶対にこの事をムーショックさんに晒すんじゃないぞ? 無職の事になるとあの人暴走しちゃうからな。


 「というかムーショックさん達、もうレベル2になってるんですね。」


 ムーショックさん達だけではなく、子分達も全員レベル2になっていた。


 「ああ、既にダンジョンに潜ってるからな! 俺たちは無職で最強になってみせる! 特に龍だけにはぜってぇに負けねぇ!」


 『無職グループ』は、萩原(はぎはら)龍を何故か『アンチ無職グループ』として認定され、ライバル視されている。


 「お前ら! 絶対に龍を超えるぞっ!!!」


 「「おおおおおおお!!!」」


ーーーーーーーーーーーーーーー

 1位:【G】萩原龍

ーーーーーーーーーーーーーーー


 ちなみに今世界ランキングを開いてみると、龍君は既に1位になっていた。彼に強さを聞いてみたところ、レベルは11、格闘家専用のスキルも2つ習得し、既に一つ上のFランクダンジョンに潜っているという。ちなみにリリースされてまだ3日目である。


 『無職グループ』はランキング1位のこの人を超えようとしてるのか。


 「……」


 うん、まぁ頑張れ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ